第364話 1名接近中

ケーキバイキングから帰って来たあと……何故かタイミングよく電話をしてきた海織と話していたら……そこに七菜がやって来て。というか。これは仕組まれたな。うん。海織によって仕組まれっというか。海織の思い通りに物事が進んでいる気がしている俺です。はい。


まあその後は……俺の部屋で七菜と海織が電話で話していて……ちなみに俺のスマホね。うん。まあ俺は気が付いたら御役御免?みたいなことになったので……鞄やらの片付けをしていた。


すると――。


「先輩」

「うん?」


七菜が俺のスマホをこちらに振りつつ……。


「先輩。スマホ充電しますか?電池11%ですよ」

「電話。無事終わったか」

「あっ、はい。終わりました」

「ってか。七菜」

「はい?」

「海織なんか言ってたよね?今から来るとか」

「あー……言ってました……ね。はい。今からこっちに来るみたいなこと言ってました」

「……了解」

「あー。あと……何だったかな。何か先輩に言っておいて……って言われた気がするんですが……」

「……えっ?重要な事?」


ちょっと事によってはちゃんと思い出してほしいんですが……と俺が思っていると……。


「えっと……そうそう。お風呂準備して置いてって言ってました」

「……風呂?」

「はい」

「何故?」

「さあ?」


うん。海織よ……何故にお風呂の準備が居る?と思いつつ……海織の頼み事というか。ご注文は……しておかないと。なので……うん。ってか絶対今向かってきているだろうから……準備してないといろいろ言われそうだな。と俺は思いつつ。


風呂場へと移動。そしてお湯を溜めておくことにした。

いやお風呂の準備というのはお湯を……だと思ってね。

シャワーの時なら準備とか要らないので。


とか思いつつ準備をした俺……って。なんか後ろに気配が……。


「七菜?」

「—―はい?」

「なんで俺の後ろを付いてきているのでしょうかね?」

「先輩。面白そうな事してるなー、と思いまして」

「……これのどこに面白そうな要素があったのか……」

「いや。だって先輩彼女さんとお風呂ですよね?」


なんか七菜がニヤニヤしながらこちらに話しかけてきていたが……。


「……いや。違うと思う。っか……あー。うん。俺の勘は当たらないからまあ言わなくていいか」

「えっ。ちょ先輩。そこは言いましょうよ。気になるじゃないですか」


隣に居た七菜にそんなことを言われつつ俺はリビングへと戻り先ほど七菜が降っていたスマホ。って……まだ七菜が持ってるか。


「七菜。スマホ。貸して充電するから」

「あっ、まだ持ってましたね。はいどうぞです」


後ろからやって来た七菜から自分のスマホを受け取り……うん。なんか暖かくなっているが……スマホ君。いやちゃんかもしれないが。ちょっと長い時間頑張った様子です。

とまあちょっと余計な事を考えつつ……充電ケーブルをさした俺だった。


すると……。


「で、先輩。今さっき言いかけたのなんですか?気になるんで言ってくださいよ」

「いや、そのうちわかると思うし」

「いやいや気になりますよ。別に先輩の勘が外れても何も言いませんから」

「いやさ。まず言っておくが。俺と海織が風呂に入るためではない」

「えっ?そうなんですか?私にラブラブなのを見せつけてくるのかと。ちょっと思ってましたが」


何故か残念そうな顔をする七菜。って何をこのお方は期待していたのだろうか……。


「違います。ってかその場合……まあ即逃げますね」


うん。とりあえずその場合が本当にあったら逃走を選ばないとですね。

なんで七菜が居るこの状況で……ということになりますから。とか俺が思っていると。


「—―で。違うという先輩の予想は?」


と。七菜が聞いて来た。

やっぱりちょっと俺が言いかけてしまったから気になっている様子の七菜に……とりあえず先ほど俺が思ったことを言っておいた。


「多分……海織の目的は……七菜かと」

「えっ?私」

「うん。海織は……七菜が目当てじゃないかなー。とかまあ……うん。海織の性格というか。普段の行動からと言いますか……ね」

「えっと……私が捕まるんですか?」

「なんとなくね」


そうそう。ホント何となくというか。ちょっと浮かんだことなので言うのも……と思っていたんだが。うん。なんかありそうな気がしている俺です。


「先輩。さすがにそれは無いと思いますよ?私は宮町先輩が私に2人の仲良しさを見せつけるために……だと思いますよ?」

「……まあうん。海織が濡れネズミ?みたいに今日の天気からは無いと思うから……」

「ですね。さすがに雨の気配はないですし。これでずぶ濡れで来たらびっくりですよ」

「でも、ホント海織はわからないから」


とか七菜と話していると時間が過ぎていき……ちょっと喉が渇いてきたので七菜とともに飲み物を飲んでいると…。


――ピンポン。


また俺の家のインターホンが鳴ったのだった。


まあこれはさすがに誰が来たのかわる。来たのは海織だろう。

うん。これで……違う人が来たらびっくりだな。とか俺が思っていると……。


「あっ、先輩私が出てきていいですか?」


すぐに反応したのは七菜だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る