第361話 接近中×2 6
「食べたー」
「お腹いっぱいですね。あと最後に飲み物でお腹ちゃぷちゃぷです」
「だねー。でも七菜ちゃんが来てくれたから楽しかったー。ってほんとこれはもう晩御飯いらないねー。食べすぎたー」
「です。満腹です」
夕方から斎宮さんとともにケーキバイキングにやって来ている俺です。
あっ、訂正。夕方から斎宮さんと七菜の3人でケーキバイキングに来ている俺です。
現在はお店から出たところで俺の前で斎宮さんと七菜が話しながら歩いているところ。
そして今2人が言っていたが。ホント……満腹である。これはマジで晩御飯いらないわ。ってやつである。
結局お店には――1時間半?2時間弱居たのだが……。
まあ食べた飲んだ。で満足です。
っか。この1時間くらいでホント斎宮さんと七菜が仲良くなったというか……まあうん。っか早速連絡先も交換していたし。おしゃべりもずっとしているし。
うん。2人とも仲良くなるのが早いというか。すごいですね。とか思いつつ後ろを歩いている俺だった。
そして少し歩いて桜駅へと戻って来た俺たちは……駅にある時刻表を確認……。
「えっと。私は21分だね」
「こっちは29分」
時刻表を見ると――。
湯の山温泉行きの電車は17時21分発。近鉄四日市行きの電車は29分発だったので……俺と七菜はまず斎宮さんの乗る湯の山温泉方面のホームへと斎宮さんとともに歩いて行った。
「七菜ちゃんホントそのうち遊びにおいでよ」
「はい。行きます」
「家わからなかったら。楓くん連れてきたらいいからさ」
「わかりました。連れて行ってもらいます」
「ちょっと勝手に人の名前出さないで」
「いいじゃん楓くんかわいい後輩が助けてって言ってるんだから。そして海織ちゃんと大喧嘩したらしたで……レア光景が見れるかもだし」
「……考えていることが怖いのですが……」
ホント斎宮さん何を言っているんだよ。とか思いつつ返事をする俺だった。
「ちなみにさっきの写真海織ちゃんに送ったら……楓君がハーレムしてる。って感じで返事が来たよ」
「……どんな写真送ったの?」
「うん?私が座っていたところから。七菜ちゃんと楓くんが入るように撮った写真」
「いつの間にその写真撮った……俺知らないんだけど……撮られていたことを……」
いやいや写真を撮られていることにホント全く気が付いていませんでした。はい。いつ撮ったんだよ。である。
「楓君がチーズケーキ食べている時だったかな?」
「……気が付かなかった……ずっと斎宮さん七菜と話しながら食べているだけかと思っていた……」
「にひひー。そのうち海織ちゃんが乗り込んでくるかもね。ってもしかしたらもう居るかも?」
「その可能性が高いからさらに怖い」
「七菜ちゃん」
「はい?」
「海織ちゃんが怖かったらいつでもうちおいでね。楓くんところには海織ちゃん住んでるみたいなもんだから」
「大丈夫です。すでに聞いてますし。宮町先輩なら優しいので。まあ……ちょっと暴走?するかもですが……」
七菜が言っていた暴走とは……まあうん。カピバラ事件だろうか……。
いや、まあ事件というものではないかもしれないが……海織もなかなかだからね。まあ斎宮さんも暴走したら……まあ似たようなことをしそうだけど……とか俺は思いつつ2人の話を聞いていた。
それから少しして湯の山温泉行きの普通電車がやって来て……。
17時21分。斎宮さんを乗せた電車が桜駅を発車していった。
「じゃ。反対側のホームだから俺たちも移動しようか」
「はい」
俺と七菜は斎宮さんを見送ると反対側の四日市方面のホームへと移動した。
湯の山線方面は降りる人の方が多かったが。四日市方面のホームに来ると乗る人の方が多かったので。俺と七菜は空いていた前の方へと移動した。
「そういえば先輩」
「うん?」
「今日も奢ってもらってありがとうございます」
「まあ、うん。あれは……うん」
「この前は特急料金奢ってもらいましたしね。そのうちお返しします」
「いや、まあ気にしないで。今日のは……斎宮さんが……だから。それに前のは完全に俺が忘れていたからだし」
「でもそのうちお返ししますね。それに今からいっぱいお世話になると思いますし。お隣さんですからね。すぐに乗り込むかもしれません」
「乗り込んでくる人が増えるのか……」
「かもしれません。あっ。そうそう先輩に聞きたかったことがあるんですよ」
「うん?」
「うちのお兄ちゃんってどこに住んでるんですか?」
「……」
七菜に聞かれたが……うん。俺……知らないな。うん。難波先輩の家は知らない。ということで……。
「ごめん。難波先輩の家は知らないんだよ。行ったことないから。って七菜知らないの?」
「はい。このあたりのどこかには住んでいるんだと思いますが……私別にお兄ちゃんの家に遊びに行こうとか思ったことなかったので。だからこの前宮町先輩の家に泊めてもらった時にお兄ちゃんに口裏わせの時に……部屋どんなの?綺麗?汚い?って聞いたら……まあそこそこだ。とか言ってまして。まあ上手に親には言ったんですがね。でもホントどんな生活してるのかなー。ってちょっと思いまして……」
「な。なんか大変な事してたんだね……って難波先輩のところに行く用事はなかったから……大きな車に乗ってるしか……」
「あー。それは知ってます。餅つきの時にちらっと見た気がします」
「ってか連絡してみたらいいんじゃない?」
「それがですね。お兄ちゃん卒業したのかすら私知らないんで……連絡しにくいんですよ」
「……マジか」
「マジです」
うん。難波先輩どうなっているんでしょうか……誰か。情報をですね。っか難波先輩。妹さんには連絡しましょうよ。うん。俺にはしなくていいですけど……妹さんにはちゃんと連絡してあげてくださいです。
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