第360話 接近中×2 5

まだ俺達3人は桜駅に居ます。はい。改札の前に居ますね。動いていません。


「かわいい。めっちゃかわいい。うん。実物最高だよ」

「……加茂先輩。これ大丈夫ですか?」

「うん。多分?」

「あー。ホント欲しい。うん。私男子だったら即七菜ちゃんにアタックするわー」


うん。斎宮さんが七菜にハマったというか……うん。先ほどからずっと七菜が欲しい。持って帰りたいと。言っています。そして何やらかと話していたからか…。


「あ、あの……斎宮先輩?」

「今日だけいいから沙夜ちゃん先輩で!」

「……沙夜ちゃん……先輩?」

「うん。良い。録音しようかなー」


とかいいながら真面目にスマホを取り出す斎宮さんだった――。


「斎宮さん。ここ駅。ちょっとお静かに。地下通路の中だから響いてます」


そうそう。桜駅は改札が地下なのでね。まだ改札近くに居る俺達。地下だからか……先ほどから斎宮さんの声が少し響いています。


「だって楓くん。めっちゃかわいい子じゃん。一家に1人欲しいよ」

「一家に1人?」


うん。斎宮さんが暴走していますが……どうしようかと俺が思っていたら……。


「あの。沙夜ちゃん……先輩」

「なになに?うんいいねー。今日だけはその呼び方で呼んでね」

「あ、はい。で、ケーキ……いいんですか?」


七菜が斎宮さんにそう言うと……。


「あっ。忘れてたー。ってことで2人とも移動しよう!うん。早く行こう!」

「加茂先輩」

「うん?」

「沙夜ちゃん先輩も面白いですね」

「あはは……」

「ほらほら七菜ちゃん。今日は楓くんのおごりだからね。バイキングバイキング」

「えっ。加茂先輩私もいいんですか?ありがとうございます!じゃ沙夜ちゃん先輩。行きましょう。ってどこですか?」

「こっちこっち」


と。やっと行動開始。

うん。女の子2人いつもとコンビは違うが……活動開始しました。って。斎宮さんと七菜が並ぶと……うん。ここはここでいいコンビというか。良い組み合わせに見えた俺だった。


ってちょっと待てよ。

なんか今おかしいことを斎宮さんが言っていたような――。


「……うん?斎宮さん?七菜の分も俺出すの!?」


うん。なんか話が変わったというか。いやまあ……連れてきてしまったからか……うん。これはあきらめた方がいいのかもしれないと思ったが……。


「ちょっと……もしもーし」


一応確認のため聞こうとしたのだが……すでに斎宮さんと七菜は仲良く手を繋ぎ……階段を上って言っていた。うん。これは……遅れないように付いていくしかないのかもしれませんね。はい。


「楓くん遅い」

「先輩。早くケーキ食べたいです」

「……お金足りるよな……」


2人に呼ばれて……まあ財布の中身を思い出しつつ追いかけた俺だった。


それから少しすると……。


「美味!めっちゃ美味しいです!」

「やっぱここの美味しー。幸せ」

「……よかったです」


女の子2人がケーキをパクパク食べています。はい。

そうそうちなみにケーキバイキングは毎日しているわけではなく。曜日限定とか。

それをたまたま斎宮さんが見つけて……今日となったようです。

うん。ちゃんとチェックしていたらしいですね。


もちろんだが俺もケーキを食べてるの。そりゃお金払ってますからね。2人に負けないくらい普通に食べてます。うん。

フルーツたくさんのタルトとかめっちゃ美味しいです。あとスフレ系?とかのも美味しいですね。ちなみに今はチーズケーキを食べている俺です。


そして正面では……斎宮さんと七菜が写真を撮ったり話したりと忙しそうに?まあ先ほどから楽しんでいます。


っか。ちょっと飲み物取って来るか。と、俺が立ちあがると……。


「あっ。楓くん飲み物取りに行く?」


斎宮さんに声をかけられて…。


「行くけど?」

「じゃ、紅茶持って来てほしいなー」

「了解……七菜は?」


うん。2回行くことになるのなら先に聞いておくが正解ですよね。こういう時は。と思いつつ七菜にも確認をすると……。


「あっ、いいですか?私は……どうしようかな……あっ、ホットの紅茶でお願いいます」

「了解」

「よろしくー」

「ありがとうございます」


はい。俺は飲み物を取りに行くこととなりました。

俺は飲み物を……って3人分は持てなかったのでまず斎宮さんと七菜の飲み物を机へと運んで……その後に自分の飲み物を持って席に戻った。


それからは……。


「楓くん。これ写真撮って海織ちゃんに自慢OK?」

「まあ……良いのでは?来ているの知ってるんでしょ?」

「うん。言ってあるからね。楓くん借りるって」

「あの。沙夜ちゃん先輩」

「なになに?」

「加茂先輩って借りれるんですか?」

「借りれる借りれる。私普通に楓くんと2人で泊りで旅行言ってるし。2人で行動よくあるよね?」

「この前京都でもそんな感じだったね」

「へぇー」

「まあ七菜ちゃん。別に海織ちゃんに許可取らなくても楓くんに頼んだらなんやかんやと楓くんは言いつつもしてくれるから」

「そこ。変な情報を流さない」

「えー、私的にはまだまだ楓くん借りてどっか行く予定だよ?柊と揉めたらそのストレス発散にね」

「……先が怖い」

「なら加茂先輩」

「うん?」

「早速明日片付け手伝ってください」


この後輩……すぐ行動らしい。うん。予約してきたよ。とか思いつつ。


「……荷物来るんだっけ?」

「はい」

「……まあうん。わかった」

「おお。楓くん意外と七菜ちゃんに弱い説」

「それは……ないかと」

「いやいや、意外と楓くん。お世話慣れというか……海織ちゃんの相手をずっとしているからね。頼まれると断れなくなりつつ……って、もしかして…。私が部屋の片付け手伝って!でも来てくれる?かも?」

「それは柊を呼びましょうよ。同じアパートだよね?」

「えー、柊に触られるのはなー」

「いやいや」

「ってことで楓くん。そのうち散らかったら私も呼ぶから」

「……」


うん。なんか……どんどん予定が決まっている?って気が付いたら明日の予定も出来た?俺でした。はい。

まあ今は……美味しいケーキを食べていましょうかね。はい。甘いもの補給とか言うやつです。今後どっと疲れるかもしれないので……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る