第331話 とある女の子の場合 ~伊勢川島駅13時16分発~

「美味しかったー」


現在の私はー。昨日楓くんの家に転がり込んできて、そのまま海織ちゃんと楽しい楽しい夜を過ごしてー。あっ、主におしゃべりね。

そして今日も特に予定なかったんだけど。ふと柊何してるんだろう?とつぶやいたら……海織ちゃんが行動開始しちゃってね。

なんか気が付いたらこの後私は柊を捕まえに行くことにってこれを言い出したの私かー。

まあ最近柊とは会ってなかったし。柊の実家なら乗り込んでも大丈夫かなー。というのがあったのでね。でも……会えるかは微妙。うん。微妙。私名古屋とか絶対迷子になるし。


ちなみに何とか朝からの連絡は海織ちゃんが上手にやってくれていたけど……。

まあ速攻私が声出したから柊には一緒に居るのがバレてると思うけどね。

でも私が行こうとしているのは……多分バレていないはず。


あっ、そうそう。で午前中はまあそんな感じで海織ちゃんと楽しく計画?練って……その間に楓くんには朝ごはん買いに行ってもらったり。海織ちゃんお部屋に着替えを取りに行ってもらって――。


いや、別に私は楓くんなら私の部屋に入って着替えを持って来てもらうくらいいいんだけど……いや、ちょっと今散らかってるからダメかなー。でも楓くんなら掃除してくれそうだから……むしろ行って欲しかったかも。そうだ今度呼ぼう。とか今は思ってるけどね。


ってか。普通に考えれば海織ちゃんが私の部屋に取りに……あっ。ダメだ。これは危険かも。うん。海織ちゃんはなんか上手に自分が動くことが無いように楓くんを操っていたけど……そうか。うん。私助かったんだ。海織ちゃんももちろん部屋に入ってもらっていいんだけど……うんうん。弱みを握られるとね。ふふふ。


まあいろいろあったけど、昨日私が海織ちゃんの部屋着借りたまではよかったけど。翌日着る服がね。まあ昨日来ていた物を着ればよかったんだけど……私の悪い癖。普通にお風呂借りた時に楓くんところの洗濯カゴにほりこんじゃったんだよねー。うん。

 

そして着替えがないから私が楓くんの部屋から出られないということで。いろいろ楓くんに動いてもらって無事に今は海織ちゃんの服を着てます!うん。海織ちゃんかわいい服いっぱい持ってるんだよねー。


ってか。途中で海織ちゃんがわざと楓くんに違う引き出しを言って、下着を楓くんに見せるという荒業?をしてたけど……あの時は面白かった。うんうん。楓くんの反応も良かったし。海織ちゃんの楽しそうなこと。楽しそうな事。見られたら恥ずかしそうだけど……海織ちゃん的にそれはセーフって、この2人ほぼ一緒に住んでるからねー。うんうん。もうそういうの超えちゃったんだろうね。


ホント良いコンビ。


そして今何してるかって?

楓くんが買ってきてくれたお弁当を完食したところだね。


あと楓くんがパパっと名古屋までの時間を調べてくれたからって――。


「楓くん楓くん」

「うん?」

「川島駅何時だった?」

「13時16分」

「まだ大丈夫だね」

「うん」

「あっ、沙夜ちゃんゴミもらうね」

「あっ、ありがとー」


私の横では……妻がテキパキ動いてます。うん。いい子。ホントよくできたいい子。うちにも欲しい!


「ところで楓くん。名古屋まで行ったらどこ行ったら柊居るかな?」

「いや、それがわかったらエスパー的なのかと」

「だよねー。まあ見つからなくても。なんか今度は私が夜ご飯買って帰って来るよ」

「ここ斎宮さんの家じゃありませんが……」

「にひひー」


でも楓くんのところ居心地良いんだよねー。部屋綺麗だし。くつろげるし。うんうん。


少し楓くんの部屋で休憩してから私は……。


「じゃ!行ってきます!」

「うん。こっちで白塚君の行動わかったら連絡するね」

「にひひー。上手くいくと面白いんだけどね」

「ここは楓君の腕の見せ所だね」

「意味が分からないんだが……って名古屋で見つけるのって――柊が正確な場所言わないとかなり難しいかと」

「まあ逃げるよねー。柊は。まあちょっと遊びに行ってくるよ。じゃ、お邪魔しましたー。あっ海織ちゃんまた服返しに行くね。あと。楓くんとのイチャイチャ邪魔してごめーん」

「大丈夫大丈夫」

「……」


うん。楓くんが何言ってるの。的な顔をしていたけどホント良い2人だなー。ということで私は楓くんの家を出発!


そして川島駅16分の電車に乗ってまず四日市へー。

ちなみに私のメッセージのところには……。


♪♪


「四日市に着いたら3分弱しか乗り換えがないけど多分お昼でそこまで湯の山線混んでないと思から普通歩いて行ったら名古屋行きの急行乗れると思う」


と、楓君の実況案内付き。何でかって?

そりゃ口頭で言われても覚えられる自信がないから楓君に適時メッセージを送ってもらうように……うん。海織ちゃんにお願いしました!

そして海織ちゃんはこの後柊の居場所特定を手伝ってくれるんだけど……なんかゲームしてるみたいで楽しくなってきたね。


そんな感じで私はまず四日市行きの電車に乗りました!うん。順調。

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