第310話 そうだ旅行へ行こう!11 ~ホテル探し中~

「つまり柊はホテルを探してないと」

「……イエス。忘れてた。いや、何度か思い出していたが……あとで。と思っていたら……」

「私2日くらい前に確認したよね?柊?」

「あー、したかも――ははは……」


うん。斎宮さん何度も言っているかもですが。駅構内で暴れないようにです。まあ暴れるかもだが……とりあえずはっきり言うと……柊が仕事をさぼった。うん。というか。忘れていた。


「もう!使えないんだから」


うん。柊、斎宮さんコンビが揉めています。ホテルを頼まれていた柊。まあでもこのあたり数だけはあるからな。いつでも大丈夫的なのと……斎宮さんは。当日までの楽しみにしとく!。やらやらで数日前に確認しただけだったらしく……うん。まあその時に柊は気が付いたらしいが……また忘れたという事。うん。そして今の今まで自分の担当を忘れていたようだ。


なので駅の隅っこで俺と海織はそんな2人を見つつ……ホテル探し――まあ今も言ったが数があるので今からでも探すには難しい事ではなかったので……あと「値段は気にしなくていい」と斎宮さんが言ってくれたのでね。候補の幅が広がりました。


「せっかくだからいい部屋が良いよねー。楓君は大浴場が欲しいよね。あっどうせなら4人で入れる部屋もいいかも」


と、まあお金の心配をしていないと言いますか……斎宮さんと同じ考えだったらしい海織は柊に払わせる気満々。うん。怖い怖い。


なんか「和の感じがあってー」や「ゆったりできるところがいいよね」とか言いながら海織は俺の隣でホテルを探している。まあ当日だから……いいところは空いてないのでは?とか思っている俺だったのだが――。


まあ海織をなめてはだめですね。


「あった!沙夜ちゃん。4人で一緒でもいい?」

「えっ?うん。私は全然いいよー」

「じゃ、予約!」


と――うん。素晴らしい速さで海織は予約を完了したらしい。うん。一体どこのホテルをとったのか。

そして――柊が破産するのではないだろうか。とかちょっと心配しておいた俺だった。


「楓君」

「うん?」

「京都から五条って地下鉄?」

「えっ、あー。うん。確か地下鉄?ですぐじゃなかったかな?なんかJRだと途中の駅でも……だった気がしなくもないけど。今はわからないから。ホテルが駅近くなら京都まで行くのが無難かも。知っているルートの方が遠回りでも早く着くかもだし」

「じゃ大丈夫だね。ということでまず京都駅に向かいます!」

「あ、はい」


ということで俺たちはJRの嵐山駅からやっと離れて……電車に揺られ……揺られ……はい。京都駅へと戻ってきました。散々食べ歩きをしておいた俺たちに夕食というものは必要なく……京都駅ではすぐに乗り換えで地下鉄で五条方面へ。


そして「ホテル予約してないの!?」的な事があってから1時間と少し?くらいかな?うん。俺達は普通にホテルの中。落ち着いた感じの良いホテルのロビーに居た。


「柊。ファイトだな。ここ高そうだから」

「いやいや、マジ?ここ――めっちゃ高そうじゃない?」

「今言った」

「これいくらするんだよ……」

「ATMは近くにあるかと」

「泣く。って宮町さんのあの笑顔は……激怒中?」

「いや――怒ってるというより……楽しんでる?」

「……やっぱり泣くか」


とか男性陣が座りながら話している間に……海織と斎宮さんが受付でチェックインをしてこちらへと戻って来た。


「白塚君。これくらいかかるから。チェックアウトの時お願いね」

「……」


と、超笑顔の海織が……多分スマホで予約した時の画面。まあ合計金額だろう。その画面を柊に見せていて……柊がガックリというか。まあわかりやすい反応をしていたが……うん。触れないでおこう。うん。こっちに飛び火してもだからな。


ということでとりあえず部屋へと向かう4人。

海織曰くデラックス的なところと言っていたが――さてさてどんなところか。


「「「「おお」」」」


うん。部屋に入って全員がそんな反応だった。ベッドが4つも並んでいて……ってか2つは大きいサイズ。残り2つは……ちょっと小さめかな?でも普通に広い。それにそれだけではなく。畳のスペースもあり。くつろげるという。さらに洗面所に風呂は普通に広い。うん。


とか思ってると。


「なあなあ楓」

「うん?」

「これもしかして……お得なのか?」


とか急に柊が言ってきた。


「こっちは金額を知らないからノーコメント」

「いや、うん。こんないい部屋はじめて見た。あと大浴場とかもあるんだろ?」

「まああるらしいね」


俺と柊が荷物を置きながら話していると――。


「海織ちゃんまず大浴場行こうかー」

「あっ。そうしようか。暖まりに行こうか」

「その後はトークタイムだね。これ修学旅行みたい」

「同じ部屋に男の子が居るけどねー」

「あー、確かに。って海織ちゃんがそうしたんでしょ?」

「うん。別々より楽しそうだからね」

「確かに盛り上がりそう。って、後で蹴とばさないと」


と、なんか視線が……うん。この2人ホント楽しそうだな――とか思ってると……。


「楓、これ一緒の部屋で大丈夫か?」

「なんとも言えんな。多分蹴とばされるとは思うけど……柊が」

「暴れだしたら楓にまかせるわ」

「いやいや、どういうこと?」」

「うん?沙夜暴走。俺退避。だろ?」

「だろ?って言われてもな」


とか話していると海織、斎宮さんは荷物を置いて……大浴場へと行く準備を始めていた。


うん。ホテルの夜も大変そうだが……平和に過ごせるといいのだが……どうだろうか。うん。無理か。


「沙夜が居ない間に先に休むか」


とか柊は言いながら畳の上で伸びていた。休める時に休むというやつか。大事だな。うん。


「あっ、楓君」


するとタオルなどを持った海織が声をかけてきた。


「どうしたの?」

「加湿器お願いしていい?」

「……了解です」

「ありがと。じゃお風呂行ってきまーす」

「ごゆっくり」


うん。俺働くだった。部屋に置かれていた加湿器。結構大型。空気清浄とかも付いていそうなやつを……準備。

その間に海織と斎宮さんは楽しそうに話しながら大浴場へと向かって行った。

ちなみに柊は畳の上で「最高ー」とか言いながら伸びていた。

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