第311話 そうだ旅行へ行こう!12 ~ホテル~
「あー。最高ー。足伸ばせるってやっぱいいなー」
「だな。地味に今日歩いたし」
「うんうん。歩いた歩いた」
現在目の前には……日本庭園ではないが。そんな雰囲気の壁—―?ではないな。ちゃんと竹とか砂利などが置いてある感じだな。ガラスがあるからこちらから触ることはできないが。いい感じの物が作られている。作品と言った方がいいのだろうか……うん。単なる壁よりこういう方がなんかいいね。うん。
ちなみに現在いる大浴場。窓がないので外の景色とかは見えないが。うん。今も言ったが作品?が目の前にあるため普通に落ち着く良い大浴場に柊とのんびり浸かっている。
他に利用している人もいるが現在湯の中に居るのは俺と柊だけ。のんびりとした時間が流れている。
ちなみに大浴場にはあれからすぐやって来たな。うん。とりあえず疲れを癒そう的な話になってすぐに大浴場へとやって来た。
「あの2人元気だよな。特に沙夜」
「まあ斎宮さんは元気じゃないとおかしい感じもするけど」
「元気すぎは問題だぞ?夜も寝ないし」
「まあ――海織もか」
「いやいや宮町さんの方が全然いいだろ」
「いやー……うん。元気だよ。海織も」
「どう見ても宮町さんとなら……癒しというか。静かなひと時に見えるんだが……まあたまに怖いこともあるが……」
と柊と話しながら最近の海織を考える……うん。元気だよ。行動的だよ。うん。以上である。
「まあいろいろあるけど……でも女の子は元気でいいんじゃないか?」
「楓が疲れているな。ということで沙夜を貸し出そう」
「何故そうなるか」
「いやさ。絶対風呂出て部屋行くとうるさいぞー。これには賭けれる。か。まだ戻って来てなくても戻ってきた瞬間暴れるやつがいる」
「……うーん予想は出来なくもないか。なお賭けはしない」
「まあ答えがわかっている掛けも面白くないか」
とまあそれから柊としばらく話しつつお湯の中。
のんびりとくつろいだ後。柊はサウナがあるからそっちにも寄っていくとか言っていたが。俺はサウナの気分ではなかったので……先に部屋に帰ることにした。いや普通に横になりたい。伸びたいというのが第一だったのでね。柊はすでに少しだが部屋で寝っ転がってたし。うん。畳の上絶対気持ちいよな。とか思いつつ俺は着替えて……部屋へと向かう。
もしかすると――もう海織、斎宮さんがいるかもしれないと思ったが……うん。
「—―まだか」
鍵を開けて部屋の中に入ると……部屋の中は静かだった。まだ誰も帰ってきていない。
ということで俺1人でくつろぐ時間が出来た。うん。寝転がろうである。
荷物を置くと畳に転がる。うん。気持ちいじゃん。そう。この感じが良いんだよな。うんうん。
そして俺は寝ころびつつ。スマホを手に取る。特にメッセージとかは来ていない。まあメッセージを送ってきそうな方々は今一緒に居ますからね。
あとは……親とかだが。まあ連絡してくるようなことはないと思うので。俺のスマホが鳴ることはなかった。
しばらくスマホをいじりつつ畳の上でのんびりしていると――。
――ガチャ。
部屋のドアが開く音がして……。
「あれ?まだ楓だけか」
どこで見つけて来たかはわからないがフルーツ牛乳片手に柊が部屋に戻って来た。
「まだ2人とも帰ってきてないよ」
「長風呂だな。っかマッサージチェアー人気だな。爺さんばかりが占領してた」
「まあ……2台くらいしかなかったから」
多分大浴場のところにあったマッサージチェアーの事を言っているのだろうと思いつつ俺は起き上がる。
「まあとりあえず部屋が平和だから。ここでくつろぐか」
荷物を置いた柊も畳のところへとやって来た。
「っか楓」
「うん?明日マジで京都タワーとか清水寺の予定ないわけ?」
「ってか、、、。俺もまだ予定知らないという」
「マジか」
そう、1日目は八坂神社。嵐山。というのを聞いていたから俺はルートを組んだが……2日目知らないんだよな。ちなみにわかっていることと言えば――。
「明日が斎宮さんの誕生日くらいしか情報ないんだよね」
「確かに。なんか奢れとか言われるのか?」
「さあ?全くわからない。でも海織と斎宮さんが何も考えてないとかないと思うしな……ずっとなんか話している感じだったし」
「めっちゃ連絡してたよな。俺の部屋居る時もなんか宮町さんと調整中とか言ってたし」
「こっちもそんな感じ」
などと柊と話していると――。
「そういえばさ。楓朝になんかお土産?おやつ?買ったとか言ってなかったか?」
「あー、そうそう、阿闍梨餅食べる?斎宮さんが食べたい言って買ったけど。結構あるから食べていいかと……俺が払ったし」
「もらうもらう。っかフルーツ牛乳との組み合わせは……いけるか?」
今飲んでいるフルーツ牛乳を見つつ柊が言うが――。
「さあ?水飲んで……とかで大丈夫かと」
「だよな。なんか合わない気がする。ってことでお茶か水あったか?」
「冷蔵庫にあったかと」
と、柊がお茶を持ってくる間に俺はなんやかんやでずっと今日1日持っていた阿闍梨餅を机の上に出す。
「あー、これね。見たことあるわ」
ここで男2人おやつタイム――とか思っていたら……。
――ガチャ。
「ただいまー」
「あっ、2人とも帰ってきたのかな?まだお風呂行ってないのかな?」
これをナイスタイミングというのだろう。
斎宮さんの声が聞こえてきて……海織の声もあとから聞こえてきた。
「食い物には敏感か」
とか隣で柊がつぶやきつつ1つ阿闍梨餅を手に取った。
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