第304話 そうだ旅行へ行こう!5 ~伊勢川島駅06時16分発~
えーっと。
なんやかんやありましたが。
あれから京都へ行こう!という話はちゃんと進み……うん。進んでいた。
行先。目的地を女の子2人が楽しそうに決めて……それに合わせて俺が時刻表やらその他いろいろ。まあ地図やら。あっちの公共交通とかとか。うん。柊はまあホテルのみだな。
そんなことをしていたらあっという間に当日になりましたとさ。めでたしめでたし……って終わらしちゃダメか。
今から行くのに眠さに一瞬負けそうになり勝手に終わったことにする俺だった。いや……朝早いんだよ。スタートが。
「—―眠い」
「楓君ー。先に洗面所使うね」
「…………うん。どうぞ」
旅行当日。当たり前のように海織は俺の部屋に居る。いろいろ持って部屋をウロウロしている。ってかここ3日ほど。ずっと居るか。うん。春休みだからね。住み着かれた。うん。
今は2人とも準備中。朝早くからの行動なので外はまだ寒い……うん。部屋もまだ寒いか。でもバタバタしているからか。そこまで寒さは気に……なる。うん。着替えると寒い。寒いじゃん。である。
と、まあそんな感じに……バタバタと準備そして……。
「楓君。行くよー」
「うん。ちょっと待って戸締りだけ」
「戸締りしたよー。OK」
「早いことで」
「ほらほら。電車来るよ」
「了解」
と、言うことで俺と海織は準備ができると荷物を持って家を出発した。
まだ外は暗い。日の出は……今は07時前くらいだっけ?うん。多分それくらい。
暗いということはそれよりも早いという事。
現在朝の06時を過ぎたところ。そんな時間から活動開始。うん。俺と海織は伊勢川島駅へと向かって歩く。
「沙夜ちゃんたちちゃんと電車乗ったかな?」
「乗ってると思う――ってまだ乗ってないんじゃないかな?菰野は06分発じゃなかった?」
「えっと……ね」
俺がそう言うと海織は時間を確認していた。
「あっ、ちょうど今だ」
「ってことは……遅れてなかったら乗ったかな?」
「まあ白塚君次第かなー」
「あー、それはあるかも」
「でも沙夜ちゃん楽しみにしてたから叩き起こしてるんじゃないかな?」
「あー、その光景はなんか予想が出来た」
「でしょ。ってことで私たちも遅れないように行かないと」
と、言いながら俺の腕を引っ張ってくる海織。
「いやいや、もう駅見えているんですが――」
「いいからいいから」
「……はい」
と、海織に引っ張られつつ駅へと。
平日の朝ということで……名古屋方面とかの通勤の人かな?結構駅には人が居た。あまりこの時間の電車って乗らないからね。ってかほぼ始発—―まあ確か乗る電車の前にも2本くらいあったが……ほぼ始発に乗って遊びに行きます。うん。目的地が京都だからね。朝が早くなりました。
「これだと車内で会うのは難しいかな」
周りの人を見て海織が言う。
「かもしれない。どの車両も混んでると車内では動けないかもだし」
「今のところ沙夜ちゃんからメッセージ来てないんだよねー」
と、スマホを見ている海織。ちなみに俺と海織はホーム先頭に立っていた。後ろの車両はすごい人だったのでね。まだ先頭の方がマシだった。
「あっ踏切鳴り出したね」
「まあとりあえず2人がどこかに乗ってる……と思ってかな」
「だね」
そんなことを海織と話しているとそこそこ満員の電車が伊勢川島駅に入って来た。先頭車両に柊と白塚さんは……居た。うん。普通に見つけてしまった。
「おぉ。完璧だね」
ドアが開く前に海織がそんなことをつぶやいた。
「おはよう」
「おはよー。海織ちゃん楓くん」
「おはよう。斎宮さん。柊は――眠そうで」
「マジだよ睡眠時間数時間だよ」
「何故に?」
「どこかの元気なやつが楽しみ過ぎて夜うるさかったからな。で朝も早くから起きるし」
「柊。あとで蹴るー」
うん。車内で騒がないようにお願いします。はい。結構人乗ってますからね。
そんな会話をしているとドアが閉まり。伊勢川島駅06時16分近鉄四日市行きの普通電車が発車した。
俺と柊はドアにもたれるように立っている女の子2人をドアと挟むように立っている……というかその姿勢しかできなかった。やっぱり朝は混んでいるのでね。もうギュウギュウと言ってもいい気がする。ギュウギュウ。
「はぁ……なんで休みの朝っぱらからこんなことになっているか」
俺の隣に居た柊がつぶやく。ちなみに女の子2人は外を見つつ楽しそうに話している。まあ近くに居るから会話はよく聞こえるんだがね。まあ今はそれは触れなくていいかな。俺は会話に入ってないし。
「まあ斎宮さんの誕生日祝い?」
「リッチすぎる誕生日だろこれ」
「まあ……それはあるかもだが……」
うん。誕生日祝いが旅行ですからね。年末年始に臨時収入があったといえ……まあそれをどーん。と使ったのは間違いない。主に1人が。
まあ俺と海織も少し出しているがね。でも資金があったからか。この後の予定では08時半頃には京都に居る予定なんだよね。早い早い。
うん。今日の移動方法はちょっといつもと違うというか――あれ?そういえば昔こんな方法を使っていた方が居たような――と俺の目の前に居るお方を見ていたら……。
「うん?楓君どうしたの?」
「何でこっち見てないのにわかった?」
「窓ガラス見たらわかるよ」
「……なるほど」
うん。察しの良いというか。まあホントこのお方はよく気が付く。とか思っていると……。
「お腹空いたー」
と、言う斎宮さんの声が聞こえてきて。斎宮さんは海織にもたれた。
まあ今のところ平和な?旅の始まりだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます