第303話 そうだ旅行へ行こう!4 ~楠駅21時09分発~
楠駅21時09分発の近鉄名古屋行きの普通電車は定刻通りに楠駅を発車した。
俺達ちゃんと電車に間に合った。という事である。
そして電車に乗った俺達4人は空いていたシートに座る。ちょっと走ったのでね。休憩。そして一息ついたとき。
「あれ?なんで海織ちゃんも居るんだっけ?」
と斎宮さんが海織の方を向いていい。って斎宮さん。今?
「あっ、今日も楓くんところでいちゃつくのかー」
と、斎宮さん誰かの反応を待つことなく勝手に結論図けてくれた。こちらは頭が痛くなるというか……斎宮さんここ車内。変な事言わないで。とか思っていると。
「勝手に時刻表持ち出したからねー。この後楓君にいじめられそー」
「うわー、楓くん。ダメだよ。それくらいで海織ちゃんいじめちゃ」
「……」
「楓が遠くを見てるな」
と、隣に居た柊が言った。
いやまあ……なんかいろいろ言われているが……まあ簡単に言えば。海織は俺のところに行く。やらで……一緒に家を出てきた。うん。自分の家に居たはずなのに……「休み期間なんだし。ゆっくりしようよ」とか言いながら準備でもしてあったのかすぐにカバンを持って出発。そんな感じだった。
まあこの光景自体は何度か見たことがあるのだが……頻度が多いというか。もう自分の家を間違っているのではないだろうか。とか思うレベルである。
俺がもう諦めモードの中。他の方々は楽しそうに話して……うん。女の子2人だけが楽しそうですね。柊は――。
「ってか、俺の年末年始の頑張り……1円も俺に来ないのか」
と、現実を再確認していた。うん。これはそっとしておこう。
ってか俺もまだ海織が臨時収入を握っているようなものだし。うん。今は触れるべきではないか。うん。下手なことを言うと「男性陣の奢り!」とかになりそうなのでね。
俺がそんなことを思っていると21時20分近鉄四日市駅に到着。
すでに駅周辺のお店も閉まっているからか。駅のホームは帰る人多めという感じの雰囲気だった。
ちなみに俺たちが乗って来たのは普通電車なので反対側ホームでは急行や特急を待っている人が多く居た。まあ俺達4人は名古屋方面ではなく湯の山温泉方面のため……ホームを移動。まあ湯の山線ホームも帰る人でそこそこの人が待っていたんだがね。でも名古屋方面よりかは少ないかな。
ちなみに次の湯の山温泉行きの普通電車は21時42分のため20分弱待ち時間がある。
なので海織と斎宮さんは俺が先ほどそこのコンビニでスイーツを買った―—と言ったら……。
「もしかしたら追加があるかも!」
斎宮さんがそんなことを言い。それに海織も付いていった。まあ時間はあるのでね。俺と柊は特に用事なしだったため。コンビニの前で待機している。
「元気だなあの2人。あったらまた食うのか?」
「どうだろう。それだけレアというか――まあうん。美味しかったんだろうね」
「っか。元気すぎて困る」
「わかる」
「今日は……乗り込まれないようにしないとな」
「……俺それできないんだが。ここにもう居る時点で」
「おつー」
「ってか斎宮さんもそんなに乗り込んできてるの?」
「よく居るな。うん。暑かったら涼みに来るし。寒かったら暖まりに来るし。腹減ったら来るし。で逆に俺が行こうとしたら拒否されるし」
「……大変で」
ってあれ?俺……普通に斎宮さんの部屋入ったことなかったっけ――とか思っていると……。
「なかったー。やっぱり楓くんが強運だー」
と、言いながら――暖かい飲み物だけ買ってきたらしく。2人がペットボトルの紅茶を抱きながらコンビニから出てきた。
それから雑談しつつ。ホームへと移動してしばらく待って――。
近鉄四日市駅21時42分の湯の山温泉行きの普通電車に乗り――。
「じゃ、ホテルはこの柊が何とかするから!」
「うん。ホテル楽しみにしとくー」
「ははは……忘れそう」
伊勢川島駅到着時に車内で女の子2人がそんなことを言いながら挨拶。男性陣は……まあうん。仕方ないか。みたいな感じで柊がつぶやいていて。俺はそんな姿を見つつ。軽く挨拶しておいた。
俺と海織が伊勢川島駅で降りると窓から斎宮さんが手を振っていた。それにこたえて電車を見送り。ちなみに柊は……「このガキどうしたらいいんだよ」見たいな口パクが……あっいや。俺はガキとか言ってませんよ?うん。そう口パクが見えただけですから。でも。ガキだけは……わかった気がする。うん。
「楓君早く行こう。寒い」
「寒いなら。自分の家にそのまま居る。というのを選ぶべきかと」
「えー。それはもっと寒いよ」
「いやいや暖かかったよね?海織の部屋」
とか言いながら海織はすでに俺の腕に……ぶら下がってはないが――。
ちょっと重さというか。うん。力入れてるなこやつ。
「—―あっ」
「うん?」
「ごめん楓君」
「うん?」
「時刻表机の上だ……」
海織が急にそんなことを言った。
「……あー。そういえばってまあってガイドブックとかも持ってこなかったかも」
「だね。でもまあいいかー」
「……まあうん。とりあえず。ほとんど決まったし。スマホで調べれるし。今日はもう帰って休もう。なんかいろいろ疲れた」
「あれれー、寝ちゃうの?」
「寝ますから」
「時刻表を勝手に持っていたお仕置きとかないの?にやにやー」
と、歩きながらにやけているお隣さん。何でしょうね。うん。楽しそうなことで。
「ないと困る物でもないので……」
「えー、沙夜ちゃんにこの後楓君に大変な事されるから連絡待っててって言ったのに」
「……何をいつの間に。ってか何を言っているのか」
「どうしよう?嘘でも言っとこうか?叩かれたー。とか」
「そんなことしません。ってそれを斎宮さんに送った時点で斎宮さんが乗り込んでくる未来があるのでおやめください」
うん。暴力はダメですよ。ってそんなこと絶対しないから。うん。デコピンくらいはするかもしれないが――。
「じゃあ……お風呂に乱入された!でいい?」
「それも絶対にやめて」
「ふふふっ。これ何送っても楽しい未来だねー」
「……まだ旅行を考えている時の気分が抜けてないか」
「とりあえず寒いから一緒にお風呂入る?」
「入りません」
「むー」
とまあ――なんかアホな事というか。そんなことを話しつつ……って前なら照れたりとか。まあちょっとドキッとか言うのがあったのかもだが……俺海織のお相手というか。お世話?うん。それに慣れてきたらしいです。うん。慣れって怖いね。ホント。
「楓君ー。なんでスルーなのー」
「いや、相手をしても海織を楽しませるだけかと思いましてね」
「相手してくれないと。楓君のママさんに報告だねー」
「どんどんひどくなる……って、じゃあとりあえずこっちは海織のママさんにご連絡と」
「えー。まだ繋がってるの?」
「あっ」
「はいはい。楓君スマホ回収だよー」
「お断りします」
「ママは余計な事しか言わないからね。もう何回消したらいいんだか」
「まあ向こうから連絡が来ますから――そろそろ消されたでしょ?みたいなかんじで」
「むー」
と、最後に余計な事を言ってしまったので……その後家に帰った後もバタバタした2人だったが。ってか海織が何度消そうが。あちらにこちらの連絡先があるのでね。海織が向こうを消さないとだが――まあ海織のママさん。そう簡単に……というか。たくさんバックアップとってありそうな気がする。と思っている俺だった。
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