第295話 内部線制覇へ6 ~女の子2人~
――――。
現在俺と海織。斎宮さん、柊の4人は四日市あすなろう鉄道に乗車したところ。
そして電車はすでに動き出している。
「あの2人。座らないのか?」
俺の隣。通路を挟んでだけどね。まあ通路を挟んで隣の席に座っていた柊が話しかけてきた。
うん。現在は俺と柊しか座席に座ってない。
女の子2人は先頭。運転席の真後ろのガラスに張り付いている。
なんか、、、。電車に乗った子供が運転手の事を楽しそうに見ているとか……と、思っていると。
「まるでガキだな」
と、多分2人に聞こえたら……まあどちらかとは言わないが。どちらかのお方が蹴とばすであろう。うん。多分だがね。まあそんな声が柊から聞こえた。
「まあ――珍しいからかな」
「確かにここの電車乗るのは珍しいっちゃ珍しいか。これぞローカル線だな」
「まあ今はビルとか周りにあるけど。すぐに走ってるところも。そんな感じになるかと」
「四日市のところだけだよね。ビルとかいろいろ建物あるの」
「まあ他は……普通に民家の間を抜けていくって感じだったかな」
「これ住んでる人ってどうなんだ?」
「えっ?あー、音とか?」
「だって今もほぼ隣走ってるからよ。電車来るたびに地震みたいな感じじゃないか?」
と、柊が外を見ながら言う。確かにほぼ民家?の横を現在走っている。
「まあ――そこそこ音はするかと……うん」
「絶対響くだろ。この距離」
「まあ高架下?とかよりは……いや、一緒かな?でも意外とこの音で寝れそうだけど」
「……楓もたまにおかしい事言うよなー」
「うん?」
なんか柊にかわいそうな子でも見るかのような感じの雰囲気があったような……気のせいだよな。うん。
「いやなんでも」
「このリズムというか。音。結構いいと思うけど」
線路と線路の間を電車が通過するときの音とかさ。結構良いと思うのだが……どうだろうか。とか思っている間にも電車はどんどん進んで行く。かなり左右に揺れつつ。進んで行く。これがまたいいんだよね。
「っか。沙夜は完全に張り付いてるな」
「ハマったかな?」
「楓2号か」
「それはどういうことか……」
「まあそういうこと」
「……わからん」
するとその時。柊のスマホにメッセージ?が来たらしく。音が鳴った。そして自分のスマホを柊は確認しだした。
なので俺は車窓を楽しむことに。
うん。この揺れと音。やっぱり良いね。うんうん。と、俺は話し相手が居なかったためしばらく車窓を楽しんだ。
ちなみに内部駅までは1時間とか長時間乗車ではない。20分?くらいだったかと思う。本当はちょっと各駅に降りてみる……という事してみたかった気がするが。
まあ今日は同行人が多いのでね。でも今のところ……女の子2人は前で運転手気分?なのかはわからないけど楽しんでくれているみたいだから良しか。
俺がそんなことを思いつつ外を見ている間も電車は進んで行く。
そして――。
内部線の旅もあっという間。小古曽駅を出発して次はもう終点内部駅。
「うん?もう終点か?」
と、車に放送に反応した柊がスマホをしまった。まあメッセージの返事ややり取りをしていたらあっという間だろうな。
「そう終点。もうすぐ着くと思うよ」
「早いなー。でこの後はなんだっけ?」
「あー、えっと……バス移動だっけ?そこは海織と斎宮さんがなんか決めたというか。調べてくれたみたいだから」
「俺簡単にしか聞いてないからなー」
「まあ俺たちはついていけばいいかと」
柊と話していると電車は内部駅へと到着したため。俺と柊は先頭部分に居る女の子2人のところへと向かった。そして俺は後ろから声をかけた。
「海織と斎宮さん楽しそうだったね」
「うん。楽しかったよ。あまりこうやってずっと見てる。ってないからね」
海織の表情からして……うん。楽しんでもらえたようで、よかったよかった
「まああっという間だったけどね」
「だね。この前の西日野駅?の方よりかは長かったけど……」
「あそこはね。さらに短いから」
「ってか降りないとだね」
「あっそうだね」
ということで俺と海織、柊……あれ?斎宮さん?と、思っていると海織が声をかけていた。
「沙夜ちゃん?」
「あっ、ごめんごめん、行く行く」
どうやら斎宮さんは運転手?の点検作業?を見ていたらしい。意外とハマってくれた?とか思っていると……。
「沙夜はまるでガキだったなー。ずっと正面でくらいついていたし」
……あー、これは蹴られるな。うん。柊がそんなことを言って――。
――。
あれ?斎宮さん動かないな。反応もしないし。と思いつつ俺が改札を抜けて振り返ると。その時だった。
「いってぇぇーーーー!」
「ふん!」
うん。どうやら……斎宮さん改札を抜けてから。と決めていた様子。
とってもいい笑顔で俺の後ろに居た柊を蹴とばしていた。って……斎宮さん。スカートでそれはちょっと際どい行動かと……まあ言わないが。うん。なんかそれに触れると女の子2人が……特に海織がニヤニヤしながらなんかずっと言ってきそうですからね。とか思っていると。
「沙夜ちゃん。楽しそうだね?」
「うん?うん。蹴とばすのはめっちゃ楽しいよ?」
「あははー」
そんな感じで女の子2人がお尻あたり?を蹴られて痛がっている柊の横を通過して俺のところまで来た。
「ところで海織」
「うん?何?」
「この後は……バスだっけ?」
「あっ、そうそう、乗り換え時間ね。10分あるかないかくらいなんだよ。だからバス停探さないと」
「えっと……13時47分着だったけど……いろいろ話したりしていたから……」
と俺がスマホで時間を確認すると。
「13時53分ですが」
「おっと。楓君早くバス停探さないとだよ。沙夜ちゃんも」
「のんびり旅だと思っていたんだけど……バタバタ―」
「まあ……よくあることかと」
俺たちは内部駅を出て――通りの方へと出た。そしてバス停……って急いだ割にバス停はすぐに見つかったんだがね。まあ見つかったから良しだな。
「意外と近かった」
「まあ駅前のバス停だとね。駅の近くにあるよね」
「ねえねえ。海織ちゃんこっち方面でいいの?」
「うん。鈴鹿方面だよ。反対だと四日市に戻るだけだからね」
「あっ、そうか」
ということで次はバス移動です……って柊が居ないような……と思っていたら。やってきたやってきた。うん。斎宮さんいつも以上に蹴とばしたみたいですねー。まだ痛そう。でもまあ……柊が言ったからだから……仕方ないか。
バスそろそろ来るかな?
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