第262話 クリスマス12 ~まもなく0時~
現在。俺の近くでは考えているお方が居ます。
そんなに必死に悩むこと……らしいですね。うん。めっちゃ真剣に考えているみたいです。
「……」
「うーん」
「……」
「楓君の拒否権はく奪—―うんうん」
「……」
「うーん」
「……」
「何でもだから――これだ!ってのがいいよね」
「……」
ちなみにあれからまだ数分しか経っていない。なんか今とっても時間が流れるのが遅く感じています。はい。こんなに時間の流れって遅かったかな?
時間が流れていないということは……。
まだクリスマスです。現在の時刻は23時57分。はい。日付は変わっていません。そして海織はまだ超超超。真剣に考えているみたいですが――ボソボソと漏れてくる声が……いろいろ怖いですね。
どんどん浮かんでいるのかどんどん口から漏れてますからね。実は聞かせている?とか疑うようなレベルなのだが……。
はい。っか今は拒否権はく奪とか言ったような――。
拒否権無くなるって……もう恐怖。怖いしかないんですが。ってパシリからなんかあまり離れてないというか。うん。奴隷みたいに俺はなるんでしょうか――。
ボソボソを聞くたびに……怖くなってきますね。はい。
「よし決めた!」
と、俺がいろいろ恐怖を感じていると海織がそんなことを言い。俺の前までまたやって来た。
「何でもいうことを聞く券発動します!」
うん。めっちゃいい笑顔。
「—―テンションがさらに高くなった」
「ふふふー。覚悟はいいかな?」
「覚悟が必要なレベルなの?」
「必要かもしれないよ?」
「……」
「あっ、危ない危ない。こんなこと言っていたらクリスマス終わっちゃうねー。はい。何でもいうことを聞く券の内容はー……」
「……はい」
「今度私が考えたプランでデート行こう!」
「……あれ?」
「うん?どしたの?」
「……いやさっきまでのボソボソと漏れてた声の内容からは――と」
「あっ?漏れてた?」
「駄々漏れでしたが――」
「気が付かなかったー」
「……マジ?」
いやいやわざと漏らしているとも思っていたんですが――違うの?と俺が思っていると。
「それだけ自分の世界に渡し入っていたんだねー。恥ずかしい恥ずかしい」
「……恥ずかしがっているようには全く見えないのですがね……」
「えー。でもいいでしょ?私が考えたデートプラン」
「まあうん。問題ないです」
「じゃ、日時とかはまた後日相談だねー。年末年始は忙しそうだから」
「ですね。はい」
と、ちょうどこのあたりでクリスマスは終了。日付が変わった。
「でもやっぱりプレゼントを忘れた楓君には罰として。着ぐるみを着て寝てもらいます」
「……」
「返事は?」
「……はい」
……あれ?
なんかなんでもいうことを聞く。というのが2つになったような――気のせいかな?まさかの1日1枚とかじゃないよね?うん。それは無いはずだ。
「よろしい。じゃ楓君お風呂準備してくるからどうぞ」
「あ、うん。ってさ。今更だけど、俺着替え何も持ってないのですが……」
そう、先ほど海織が唸っている時にふと思ったのだが――俺連れてこられただけだから何も持ってないというね。
「うん?大丈夫大丈夫。着ぐるみあるんだから」
「……それだけ?」
「ニヤニヤー」
「……歩いて帰ろうかなー」
「怒るよー?」
「はい、お風呂行きます」
「ふふー、ちょっと待っててねー。準備してくるから」
「はい」
と、まあその後も……なんかいろいろありました。
なんかめちゃくちゃ……触られたと言いますか――はい。触られましたね。あと……めっちゃツボ押しされましたね。はい。海織はホントなんであんなに的確に痛いところをついてくるのか……うん。悲鳴でしたね。確かにやってもらった後はめっちゃ身体が軽くなるんだが……うん。痛くないのを希望したいです。
まあとりあえず。この子夜は元気です。元気でした。はい。体力有り余っているのか。体力がとっても多いのか……うん。ずっと元気でした。
クリスマスの日は終わりましたが……夜は長かった。うん。
翌日……俺たちが起きたのは昼すぎでしたね。はい。寝るまでが長かったので……うん。まあ今日は休みなので全く問題ないのだが。
ちなみに起きたらとっても満足そうなお方が隣でニヤニヤしていましたね。はい。写真とか撮られてないかちょっと不安でしたね。はい。
ちなみに1つ海織に確認したかったことがあります。いや、なんか流れというか。海織には先ほど上手に逃げられたのだが――。
うん。なんで海織の家にちゃんと俺の着替えが1セットあったか。
これは何でしょうね?海織さん。いつの間に。だよホント。まあ多分聞いても答えてくれないのだろうが……。
ということがちょっとありましたが。
そうそう。でその日は海織は自分の家にちゃんととどまってくれたので帰りにちょっと買い物へ……。
はい。そして2日遅れかな?
海織にブランケット?ひざ掛け。をプレゼントしておきました。
素材とかちゃんと見て……結構評判のいいのを探しまして――ちょっと頑張りました。まあすぐに使えるもの……で浮かんだのがこれだったのでね。
ちなみに海織からの評価は――。
――――。
「沙夜ちゃん沙夜ちゃん。見てみてこれめっちゃ気持ちよくてあったかいんだよ」
「うん?新しいの買ったの?って、うわ。やば。なにこの手触り。どこで見つけたの?めっちゃ気持ちいい。そして暖かい。えっ。すごー」
「これ楓君がくれたんだー」
「いいなー。いいなー。私もこういうのが欲しいー。柊買って!今すぐ欲しい!買ってきて!」
と、俺の横に居た柊に声がかかる。
「楓—―変な事教えるなよ」
「……俺今一言も話してなかったんだが?」
男子2人。ちょっと凍えつつ。準備をしている2人を見ていた。
「これ静電気も起きにくいみたいだし。洗濯OKみたいだよ」
「休憩の時私も貸してー」
「うん。いいよ。使って使って」
「ありがとー」
と、これは大晦日の日の会話ですね。
巫女さんになっていた2人の会話。
とりあえず海織はとっても喜んで毎日使ってくれています。はい。
そして日が経つのなんてあっという間ですよ。ホント。
また1年終わるみたいです。
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