第263話 お手伝い ~伊勢川島駅13時39分発~
大晦日。
今年の年末年始はゆっくり……ではなく。お手伝いである。
この後神社の方へと移動してお手伝いとなる。
ちなみにすでに海織と斎宮さんは神社の方へと行っているはず。
はず。というのは昨日の夜は海織さすがに準備とかがあるからと自分の家に帰っていたのでね。うん。今どうしているかはわかりません。
まあ俺の方は完全に見守り?担当なのでね。大変な時間というか。おじいさんおばあさん曰く。夕方、夜くらいから日付が変わってしばらくくらいが一番人が多いが。どっかの大きな神社とかとうちは違うからそんなにバタバタはしないから大丈夫とか。言ってたっけな?
でも普段よりは多く。人が来るらしいのでその時にお手伝いである。
ちなみに男性陣。俺と柊は夕方くらいから行くことになっているが。
まあどうせすることもなく朝から暇暇しているなら……ということで早く行くことにした。
柊とは事前に電車の時間を合わせておいて――俺は伊勢川島駅13時39分に乗る予定。
現在はその時間に向かってまあ特にいるものとかはないが。寒さ対策の物などを少しカバンに入れて準備している。
そして出発前に……カイロよしである。部屋に2つ残っていたので1つは今から使い。もう1つは夜に。という考えである。ってか今日ホント寒いんだよな。なんか最強寒波が来ているとかで昨日の夜から一段と冷えている。
そして家を出た俺は予定通り伊勢川島駅13時39分の電車に乗り。途中菰野駅で柊と合流。
そして13時55分に湯の山温泉駅へとやって来た。
「やばいな。こっちさらに寒くないか?」
「まあ山に近づいたからな」
「しまったな……もっと暖かくすればよかった」
とかそんなことを柊と話しながら湯の山温泉駅に到着後は神社へと2人で歩いて行った。
まあ1回来たことあるからな。迷うことなく無事に神社のところへと歩いて行った。
そして神社に到着すると――。
「おお、巫女さんだ」
柊がいち早く気が付き俺も柊が見ている方を見てみると……巫女さんになっている2人が居た。そしておばあさんと何かをしているというか。まあいろいろと準備みたいですね。いろいろ作法?というかそういうのもあると思うし。ちなみにお参りをもうしている人もいるらしく。賽銭箱の近くでは。おじいさんとこのあたりの人かな?数人で話していた。
すると海織がこちらに気が付いて――。
「あっ、楓君だ。おーい」
と、言われたため。柊とともに2人のところへと近づいた。
「海織。似合ってるね」
「ありがとう。でも寒いよー。うん。めっちゃ寒い」
と、海織と話していると。
「柊ー。カイロ持ってる?持ってるよね?」
「ない。って忘れたのか?」
斎宮さんと柊は隣でそんな会話をしていた。
「忘れましたよー。机に置いてきたー、って、もう柊は使えないなー」
「……なんで俺が怒られているのか……」
と、そんな話を聞いているとふと俺はポケットに入れているものを思い出した。
「あっ、斎宮さん俺今ポケットに入っているのでよければあるけど――」
「ホント?ちょうだい。ちょうだい。指が冷たくて」
「どうぞ」
「ありがとー、助かるー。さすが楓くん」
と、俺はポケットに入っていたカイロを斎宮さんに渡した。ってこれで俺ももう予備が1つしかなかったので……うん。今袋から出したら夜中までもつかな……と、ちょっと心配が……とか思っていると。再度海織と斎宮さんはおばあさんと話し出したため。俺と柊は少しその場を離れた。
「いやー、似合うな宮町さん」
「斎宮さんもとっても似合っているかと」
「いやいや宮町さんの神聖な感じ。すごいじゃん」
「まあなんというか。普段からしているような雰囲気あったね」
「だな。あれは写真撮ったら売れるんじゃないか?」
「そんなことしたら後が怖いかと」
うん。巫女さん姿の2人。初めて見たが……すごいね。うん。めっちゃ似合ってました。
「普段の沙夜を知ってるからな……お参りに来る人がかわいそうだ」
「なんで?」
「だってよ。あの暴力女にな――」
「そんなこと言っているとまた怒られるかと」
「今なら大丈夫だろ。あの姿で暴走は出来ないはずだ」
「……その後どうなっても……だがね」
「まあ聞こえてなければOKOK」
「……知らんぞ」
柊とそんなことを話していると。室内の方から2人の声が聞こえてきた。おばあさんとの話は終わったのかおばあさんはいなくなっていた。
「沙夜ちゃん沙夜ちゃん。見てみてこれめっちゃ気持ちよくてあったかいんだよ」
「うん?新しいの買ったの?って、うわ。やば。なにこの手触り。どこで見つけたの?めっちゃ気持ちいい。そして暖かい。えっ。すごー」
なんか俺がこの前渡したプレゼント。ここでも活躍しているみたいですね。
「これ楓君がくれたんだー」
「いいなー。いいなー。私もこういうのが欲しいー。柊買って!今すぐ欲しい!買ってきて!」
と、俺の横に居た柊に声がかかる。
「楓……変な事教えるなよ」
「……俺今一言も話してなかったんだが――」
男子2人。ちょっと凍えつつ。準備をしている2人を見ていた。
それからおじいさんに挨拶して……俺と柊は基本外で――まあ見守りというか。うん。見守りだな。そのためそれからしばらくはおじいさんと話したり。おばあさんがやってきてちょっと室内でお茶をもらったりとそんな時間を過ごしていると海織るが俺のところへやって来た。
「楓君楓君」
「どうしたの?」
「楓君は今から何かすることあるの?」
「いや、夜まではとくにない感じだったかな?今のところゆっくりしててくれ。みたいに言われてるから」
「ならさ、楓君これ」
と、海織は鍵?を俺に渡してきた。
「うん?」
「うん?これは……海織の家の鍵?」
「うん。私はもう着替えてるからさ。動けないから代わりに家に行ってきてほしいんだ」
「何か海織も忘れ物?」
「あはは……ちょっとバタバタしたから多分机の上にポーチ忘れてきちゃったんだよ。無くてもいいかなー。何だけど。もし楓君時間あるなら取ってきてほしいなー。って」
「わかった」
「ありがとう。あっ、あとあまりたくさんはいらないかな――で、予備のカイロが部屋に置てあるんだけどそれも見つけれたら持って来てくれる?寝室のボックスのところに置いたと思うんだけど」
「了解。今日これからどんどん気温差がって雪降るかもって言ってたからね。あるといいかも」
「だよね。じゃお願い」
ということで俺は一度海織の家へと行くこととなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます