第245話 空港デート延長戦?5 ~近鉄名古屋駅10時21分発~
「……なんで……楓君が悲鳴をあげているのかな?」
「……」
「うーん。なんかおかしいくないかなー?かなりご褒美?だと思うんだけど……って、ちょっといきなりすぎたかな?まあ……楓君。覚悟してね?ニヤニヤー。あー、やってからだけど――恥ずかしいよー」
「……」
そんな海織の声が聞こえてすぐに今度は正面から俺に再度くっついてきたが……今はしばらくカットである。反応は出来なかった。それほどの衝撃であった。うん。
まだカット中です。
カット。
カット。
そこからは……。
――――。
午前3時くらいまでカットしましょう。いろいろな問題を避けるために。はい。
「ふふふっ」
「……う、海織。ちょっとシャワー行ってくる」
「あっ、一緒に行こうか?」
「お願い、一度、1人で休息を……」
「もー。仕方ないなー。まあ私もちょっと休もうかな」
何があったかは聞くでない。説明するといろいろ問題が発生する。ご想像にお任せするとか言うのが一番いいのだろうか……俺は疲れたからもう何も言わない。言わないので――。
まあそういうことだ。
とりあえず……めっちゃ疲れた。
ザーーーー。
頭からシャワーを浴びる。いろいろな汗が流れていく。うん。流れていきます。さっぱり。っていうのかな?うん。
シャワーを浴びてからちゃんとバスローブを着て部屋に戻ると……。
「あっ、おかえり楓君」
ベッドに腰かけ。飲み物を飲んでる海織が居た。よかった。今度はちゃんとバスローブ着てくれている。
「あれ?楓君。まさかすっきりしたから……」
「何もないです。そろそろ寝なさい。その前にお黙り」
「楓君に怒られたー。ふふっ。はい。楓君も飲み物どうぞ。喉乾いてるんじゃない?」
「あ、うん。ありがとう」
「私も寝る前にもう一回シャワー浴びてこようかな」
「……どうぞご自由に」
「いやー、にしても楓君は……」
「海織。過去を思い出さない」
「えー。まあいいか。ちょっとさっと浴びてくるね。寝ちゃだめだよ?」
「はい」
うん。あの子体力凄いね。とか思っている俺だった。いやホント。何だろう今までの分……って言いだしたら問題が発生すると思うので――。
なんて言うんだろう。
甘えさせてあげた……ダメだ、恥ずかしいな。これは思い出すだけで駄目なやつだな。ちょっと違うこと考えよう。
とりあえず……飲み物を片付けて横になろうかな。寝ないように注意して。めっちゃ眠いんですが……。
結局それからの俺の記憶はない。
多分。寝ちゃいましたね。まあ……海織にぺちぺちと起こされて……まあでもその後2人で寝たかな。うん。寝ました。
翌朝。
俺と海織は睡眠時間約4時間ほどで起きたかと。
いや、ホテルのチェックアウトの時間があるのでね。 ちょっと眠たかったが、頑張って起きて……って海織は朝から元気です。
「うん。ほらほら楓君。着替えて朝ご飯せっかく付いているんだから食べに行こうよ」
「元気だな――まあ、無料朝食付きって……良いね」
「だね。行こう」
ホント睡眠時間が短かったはずなのになんでこの子こんなに元気なんでしょうか。不思議です。
ちなみにだが……。
睡眠時間が短くなったのは俺の責任ではない。海織が暴れまわったから。うん。そういうこと。ホント主に海織が……ってこのことは触れないのが正解なので封印しよう。次こそ封印。よし。
俺は洗面所で準備をして……。
部屋で待っている海織のもとへ向かった。
「よし、じゃあ食べに行こうか」
「はい」
「ご飯食べにレッツゴー」
ホント元気なお方に手を引っ張られつつ。俺と海織は朝食の会場へと移動した。
ってホント最近のホテルって無料朝食付いているところ多いな。まあ料金に入っている気がするが……でもそれでも安いかね?駅近で便利だし。普通に美味しいし。種類も多いし。
まあそんなこんなでホテルで朝食を食べて部屋へと戻り。片付けをして――。
「じゃあ、帰ろうか。楓君」
「—―ですね」
「ふふふっ」
「ご機嫌だね。海織」
「そりゃねー、ニヤニヤ―」
「—―はいはい。それ以上はいいです」
「えー、まあ楓君をこれ以上いじめるとだからね。今回はこれくらいにしておいてあげよう」
「……ありがとうございます。でいいのかな?」
「ふふふ」
ご機嫌な方が今度は腕に捕まって来た。まあ外は寒いですからね。ってまだホテルの中なのですが……。
まあ手続きを終えて外に出ると……うん。寒かったです。
ホントは名古屋駅で何かぶらぶら見るということもできたのだが……まあちょっと睡眠時間が短いので……というか泊まるということもそもそもイレギュラーな事だったので。俺と海織るはチェックアウト後は特に寄り道なく。昨日乗れなかった近鉄の名古屋駅へと向かった。
駅の改札を抜けてホームの方に進んで行くと。ちょうど急行と準急が止まっていた。どちらももうすぐ発車らしい。
「どれで帰ろうか?あと1、2分で急行発車みたいだよ?」
「一応その後の準急でも帰れるよ?」
「ぱっと見どっちも席は空いてるね」
「まあ急行にしておこうか。早く帰れるし」
「じゃ、急行に乗ろうか」
俺と海織は話しながら乗る電車を決定し。近鉄名古屋駅10時21分発の松阪行きの急行に乗り込んだ。そして少し車内を歩いて……前の方の車両へと向かった。
いや、乗った急行が6両編成だったのだが。後ろの車両2両がロングシートで前4両がクロスシートだったのでね。後ろの車両から乗り込んだ俺と海織はクロスシートの車両まで移動しました。
そして前の車両に移動して席に座ったと同時くらいにドアが閉まり。俺と海織の乗った急行は名古屋駅を出発した。
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