第244話 空港デート延長戦?4 ~規制必要?~
「……」
「にひひっ」
近く?に居る方がめっちゃ怖いです。
「……」
「にひっ?」
こちらの様子に気が付いたみたいです。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「か、楓君。無言はやめてよー」
沈黙には耐えれなかった様子です。
「いや……その――状況確認中みたいな?」
「部屋の中だから大丈夫だけど。まだ部屋が暖まってないから……ちょっと楓君と接してないところ寒いんだよ?」
「……」
うーん。今のセリフ的に……これはアウトの可能性では?
「また無言になったー、ってちょっと今の楓君の顔見てみたいなー」
「お願いだから動かないでね?」
「えー。見られても困ることはないと思うけど――」
「いや、じゃ、確認をするけど……着てる?」
「来てるよね?」
「……待って今。ちょっと意味が伝わってなかった気がする。もう一回。着てる?」
「だから来てるよ?楓君にくっついてるじゃん。ニヤニヤー。ホントおかしなこと言うなー。ニヤニヤー」
ダメだ。海織がくっついてからまだ1分も時間は経っていない……いや、1分くらいは経ったかな?
まあ時間はいいや。とりあえず。動けなくなっている。
だってさ。俺の後ろに居るお方……絶対駄目な姿だと思うし。年齢制限にかかるって。いや――俺と海織だと……とくに問題ない……って待て待て。変なことは考えないでおこう。
とりあえず……。
「海織。ちょっと言葉が通じてないみたいだから。一度大人しく洗面所に戻ってくれると……安心かな?」
「……」
「なんで次は海織が無言になるの?」
「楓君が見たらどんな行動するかなー。って。ニヤニヤ」
「……」
ニヤニヤの回数が多すぎますね。この子お酒飲んだっけ?俺の記憶的にはそんなことはなかったはずなのだが……おかしいな……おかしい。
「また黙ったー」
「とりあえず海織。早くお風呂へどうぞ。ホント風邪ひくよ?」
「もうちょっとこのまま遊びたいなー」
「遊びたい言ったよ。遊びたいって。絶対楽しんでるじゃん」
「だってさー。楓君特に襲ってこないから」
「……なんか……うん。どう答えたらいいの?」
「—―さあ?」
「さあって……とりあえず――まあ誰かに見られることはないと思うけど……大人しく洗面所へ」
「誰にも見られないなら。このままでもいいよね?」
「ダメです。俺が居ます」
「えー。楓君だけだよね?家だと。声とか響いちゃうと……で我慢してるけど」
「ちょっと待って、何考えてる?」
「ここでならちょっとくらいOK的な?ニヤニヤー」
ダメだ。後ろに居る子なんかテンションがおかしくなっているかな……あれ?いつも通り?うーん。いつも通り――うん?
とか俺が考えていると。
「ちなみに楓君は、今の私の姿どんな予想してるの?」
「えっ?」
「どんな姿でくっついているかわかってるのかなーって」
「いや……うん……その」
「じゃ勝負しようか?」
「しょ、勝負?」
「うん。楓君が今の私の姿を当てれたら。楓君の勝ち。大人しく洗面所に戻るよ。でも外したらー」
「……外したら?」
「多分沙夜ちゃんがファイトとか言ったんじゃない?それを実行しないとね」
「何言ったの!?」
「ふふふっ、さあどうするどうする?」
「海織様が壊れました」
「また様って言われたけどー。壊れてないから。結構今楽しいよ?」
「やっぱり壊れてる」
「ほらほら、楓君アンサーアンサー」
「いや……なんか言うのも」
「楓君が勝負してくれない場合。このまま楓君は悲鳴をあげることになります」
「なんで!?」
「チャンスは1回」
「……なんで海織はこんなに楽しそうなのでしょうか……」
「不戦勝かな?ニヤニヤー」
「わかった。当てるから。ちゃんと戻るんだよ?」
「うん。当てたらね。外したらー。楽しみ」
いや、まあさっきちらっと言ったし。今もなんだかんだで正面のガラスにちょっと写ってるんだよね。俺たちの姿。まあ海織は手と、腕しか見えてないけど。多分海織もガラスに写っているのは知っているから顔を出さないようにしているのだと思うが――多分ちらっとでも見えたらだからね。
「……その……部屋と言えば部屋だけど……まあ……下着姿で出歩かないように?」
「ふふふっ、それが答え?もう少し詳しく欲しいね」
「なんで!?」
「それだと上だけとか下だけー。とか」
「お願いもう。いろいろ無理です」
「ふふっ。楓君が精神的にやられてるー」
「誰のせいでしょうか、、、。」
「じゃあ答え合わせしようか?」
「へっ?」
すると。海織が俺の腰あたりに回していた手がするっと抜けて――。
俺は解放された……。
……あれ?これどうなるんだ?っか。解放されちゃダメだったんでは……解放されたということは後ろに居たはずのお方が自由になったという事。
とか俺が思った時には横から人影が……というか。海織がまわりこんできて――。
「はい。正解は……こちら――!えへへ」
とか言いながら俺の正面に海織がまわって来た。
って、待て待て、ダメだろう。と、思ったがすでに海織は俺の目の前で……ポーズ。ちょっと恥ずかしそうに……いや、かなり恥ずかしそうに……ポーズというか――うん。
……アウト?
「—―ぎゃあぁぁぁ」
――――――。
はい。カット。カットです。これはダメです。状況説明とかしちゃだめです。絶対にしちゃ駄目なやつです。
カットです。カットしましょう。カットです。
カット!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます