第216話 ナローゲージ3 ~八王子線制覇~

四日市あすなろう鉄道に乗りに来た俺と海織。


現在は車内へと移動しました。


「おー、はじめて乗ったけど。やっぱり電車が小さいから車内も普通の電車と比べると狭いね。でも車内綺麗だねリニュアルとかしたのかな?外観も綺麗だったから」

「うん。あとこの車両は昔の車両みたいにロングシートじゃなくて。1人用のクロスシートなんだね。あっこれ固定だから……固定クロスシートとか言うのかな?」

「昔の車両?」

「そうそう、前にネットとかで見ていた時の車両は湯の山線みたいなロングシートの車両でね。あー、中間車だけだったかな?あとは今と同じ形だったかも……」まあとりあえずロングシートの車両もあって向かい合って座ると前の人と足がぶつかるくらいの感じだったんだけど。この車両は1人席だから狭い車内なりにも通路が広く感じるかなって」

「へぇー。あとでその時の電車も調べてみよっと。まずはとりあえず座ろうか。って1人用だから楓君と一緒に座れなーい」

「海織、空いているんだから、ちゃんと1人ずつ座りましょう」

「えー」


ということで前後の椅子に座る……のが普通だと思うが。海織が何故か許可をしてくれなかったので海織が座席に座り。俺は海織の横で立ち席となった。謎である。車内は空いているのだが――。


あっ、通路とか塞いでいませんし。他の人の邪魔にはならないようにしています。はい。多分大丈夫です。


海織が座ると同時くらいに発車のベルが鳴りドアが閉まる。そしてあすなろう四日市駅11時43分発の西日野行きの普通電車が駅を出発した。 


ローカル線ぶらぶら旅というのか、とりあえず開始です。


そしてあすなろう四日市駅を出てしばらく。


「これぞローカル線だね。ガッタンガッタンの音が似合うね」

「だね。単線でこの良い揺れ。いい感じだね。私結構好きだよ?」

「あと車窓の雰囲気もいいね。なんか電車は新しいけど、駅とかは昭和のままって感じがあるから」

「うんうん。さっきの赤堀駅?だっけ、あの駅もいい味出てたね。どれくらい前からあるんだろう?」

「うーん。どれくらいかはちょっとわからないけど……四日市出てすぐだからまだ街中。って感じなんだけど。ちょっと離れただけで変わったというか。面白い。うん」


海織と話している間も電車は進んで行く。


ちなみに先ほども言ったが。

あすなろう四日市駅から西日野駅までは途中の駅が赤堀駅と日永駅しかない。なので海織とちょっと話していただけだが。すでに赤堀駅は過ぎており。今は日永駅に到着するところ。この駅で電車の行き違い。と言えばいいのかな?内部方面からの電車が隣のホームで待っていた。ちなみにホームは3つあるので四日市あすなろう鉄道の中では一番ホーム数は多い駅かと思う。


あとこの日永駅の西日野方面?あっ四日市方面もこのホームか。1本しかホームがないからね。まあとりあえず今電車が止まったホームのことなんだけど。このホーム結構なカーブをしているので――足元に注意である。電車とホームまでの距離が結構離れているところもあった。


ってそんなことを思っていると電車は日永駅を出発した。


「楓君楓君、今の駅のホームの真ん中あたりに車輪?展示してなかった?」

「なんかあったね。あれかな?線路幅の紹介みたいなやつかな?レールが何本かあったからそんな気がしたんだけど……」

「帰りに見てみようか?」

「だね。ちょっと気にもなるから」


ドアが閉まってから気が付いたが。先ほどの日永駅のホーム中央?あたりに何か車輪が展示?されていた。すでに電車が動き出していたのであれが何かはもうわからなかったが……はい。もう見えません。


「ってもう次終点だね。早ーい。あっという間に制覇だね」

「ホント何分乗ったっけ?まだ――10分乗ってないよね?」

「うん。乗ってないと思うよ」


11時51分西日野駅に到着。はい。四日市あすなろう鉄道の旅。西日野線バージョン。10分かからずに終了しました。海織の言う通りホントあっという間でした。


「到着。おー、ここの駅も良いね。にしてもホント早かったー」

「あっという間だったね。とりあえず……改札出てみようか?」

「そうしようか」


海織と一度改札を出てみる。

うん。ローカル線の終点駅という感じの駅だった。改札を出て振り向いたときの感じがとっても良かった。

今は無人駅?になっているので建物の方は使っていないみたいだったが。自動改札とかいうものが西日野駅は無くほぼ出入り自由。という感じの改札。そしてその奥には今乗って来た電車が止まっている。うん。これは写真スポットかと。なんかここだけ昭和の雰囲気が……ちょっと車両がきれいすぎるかな?でも今と昔の融合みたいな感じでそれはそれでいいかも。

ちなみに駅前は綺麗に整備されたらしく今風の感じだった。


「で、楓君終点まで乗って来たけど。このあたりで見たいところある?」

「えっ?えっと……まあ来るだけというか。乗ってみるが目的だったから――とくには」


はい、西日野駅まで来たが。ここから先の予定は無しです。


「じゃあさ。今乗って来た電車で日永?駅まで行こうよ。さっきの駅が気になるから」

「そうだね。そうしようか。このまま電車見送っても……行くところが無いと。だからね」

「うん。次は何分発かな?」

「えっと――次は12時ちょうどだね」

「じゃすぐだね。じゃ切符買って行こう」


はい。ということで西日野駅滞在時間も10分弱です。あと5分ほどで出発する先ほど乗って来た電車に乗るために券売機で切符を買って再度改札を抜けた。


「なんか電車乗ってるだけだけど。知らないところ行ってみるのは楽しいね」

「だね。これならフリー切符買ってもよかったね」

「あっ、そういえばあったねフリー切符。この駅の券売機にもなかった?」

「うん。あった気がする」

「じゃ、今度乗る時はフリー切符で全駅降りるとかいいね」

「じゃ、内部方面行くときはそれかな?駅数があるから途中で降りてみたりするかもしれないし」

「じゃ決まりだね」


はい。また1つ未来の予定が決まりました。さてさて、いつ決行されるのか。


あれ?今日はこのあと日永駅に降りるから……そこから内部方面に行けそうな……あっ、海織はたい焼きを食べたいのか。それにお昼まだだしね。なるほどなるほど。


そんなことを俺は勝手に思いつつ。前を歩く海織についていく形で先ほど乗って来た電車に再度乗車した。

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