第189話 土曜日から日曜日2 ~買い出し中~
海織と夜のドライブ中と言えばいいのか。なんかちょっと違う気がするが現在海織と買い出しに向かっている。ちなみにあたりは真っ暗。車通りもかなり少なめである。
あと――もうすぐ日付変わると思うんだが……ホント何しているんだろうか。
「あっ楓君。おばさんからね。焼き鳥は必ずだって」
「……楽しそうな事ですね。ホント。うちの親は何をしているのか……」
「沙夜ちゃんも楽しそうにしてたよ?」
「……帰ったらどんちゃん騒ぎとかないよね?」
「多分大丈夫だよ。あと楓君が二股疑惑も出てたけどね」
「ちょっと。なんで俺の居ないところどんどん俺の評価が下がっているのでしょうか。おかしくない?おかしいよね?って向こうではそんな話してたわけ!?」
「それはもちろん。楓君が沙夜ちゃんといちゃいちゃしていたからね。報告だよ?」
「ないない」
「えー、電車の中でいちゃついてたよー」
「—―」
うん。あれは……斎宮さんが原因です。はい。とか思いつつ。コンビニが見えてきた。
話は変わるがコンビニってやっぱりすごいな。24時間365日。4年に一度366日。いつでも開いているって。そしてほとんどの物がここで揃うという……すごい。感謝感謝である。
コンビニに到着後。車から降りて店内に入った。海織は普通に入り口の横にあったカゴを手に取ったので――7これは大量買いでもするのだろうか……とか思いつつ。俺は海織に付いていく。いや普通コンビニであまりカゴは使わない派。なので。はい。
「楓君楓君。結構いろいろあるよ」
「確かに……結構コンビニの中って知っているつもりだったけど――あまりおつまみがあるところは見なかったか。知らない商品も多いかな」
「私チーズ欲しいかなー」
「そういえば焼き鳥言ってたけど……焼き鳥は揚物のところの方だよね?」
俺はちょうど目の前に缶詰の焼き鳥缶を見つけたので手に取りつつ海織に聞いてみると……。
「せっかくだから両方買って行こうよ」
「—―まあ、こっちがよかったとか言われなくて済むか」
「うんうん。あっ、枝豆は沙夜ちゃんが言ってたかな」
「おつまみ。って後何買えばいいんだろう……」
「おじさんはメンマとか言ってたよ?」
「メンマってあるの?」
「あっ、あった」
「……」
海織さん見つけるの早いっす。はい。ホント早いっす。っかかごの中がそこそこいい感じに埋まっている。話している間に海織なんやかんやとほりこんでいた。
「海織カゴ持とうか?」
「あっありがと。じゃお願い」
ということでカゴを持つのを交代。すると海織はスタスタとアイスコーナーへ移動していった。
「楓君楓君。アイス食べてから帰ろうよ」
「—―まあうん。良いけど」
「決まり!私この棒アイスにしようかなー。あーでもでもこっちも――うーん」
結構真剣に海織はアイスを選択中。
「俺は……手前のカップのにしようかな……」
「りょうかーい」
「あっ焼き鳥とか先に見てくるよ」
「うん。よろしくー」
ということで俺はレジの方へ。タイミングよくというのか。ちゃんと焼き鳥は売っていた。ホントコンビニさんすごいです。
俺が店員さんに焼き鳥などを頼んでいると海織がアイスを持って隣にやって来た。
「夜に揚げ物とかってなんかいけないことしているみたいだね」
「まあ何となくわかるかな」
「だよねー、あっ、楓君コロッケとかも買って行こうよ」
「いけないこととか言いつつ。めっちゃ食べるのね」
「いろいろあった方が盛り上がると思うよ?」
「いやいや、この時間から盛り上がられてもな……」
俺がそんなことを言っている中。海織がどんどん追加注文をしていた。というか。コンビニの店員さん海織から注文を受けると――えらくご機嫌というか。ニコニコですね。俺の時は……こんなんだったかな?気のせいかな?気のせいだね。うん。
「あっ楓君お支払いお願いねー」
「……やっぱり俺もちだったか。わかってはいたが」
「おばさんも言ってたよ?楓君が全部払うからって」
「……しばらく節約生活かな?」
「ふふっ」
ということで、俺の財布どんどん軽くなる……今日1日でどんどん減っている……何という事か。って、なんで俺は参加していないのに俺の財布がどんどん使われるのでしょうか……不思議なことが多いですね。ホント。
会計を終えて買ったものを持って俺と海織はコンビニを出て車に戻った。そして座席に座ると海織は早速アイスタイム。袋からアイスを出していた。
「楓君も食べようよう」
「そうだね。持って帰ってたら溶けるよね」
「そうそう、今ちょうどいい感じだよ?」
ということですぐにコンビニを出発ではなく。コンビニ駐車場でアイスタイム。駐車場も数台しか車が止まっていないから大丈夫でしょう。はい。
「うーん。冷たい!楓君楓君こっちの食べたい?」
とか言いながら棒アイスをこちらに向けてくる海織。ちょっと考えてから――。
「……こっちもあるから大丈夫だよ?」
「えー、ほらほら。美味しいよ?」
そういいながらさらに近づけてくる海織。これはこのままだとアイスが溶けるということが起こるので……。
「じゃ――ちょっと」
「うん」
はい。いいバニラの味でした。はい。そして海織さんが悪い顔をしています。
「次は楓君の食べているアイスをもらわないとなー。ねー」
「……どぞ」
俺はカップのアイスなのでスプーンとアイスを海織へ……と思ったのだが。海織はすでに片手で自分のアイスを持っているため……受け取り拒否。
うん。俺がすくって食べさせるらしいですね。
「—―はい」
「ありがとー。はむ」
うん。効果音付きで食べてくれた海織でした。
「うん!楓君の選んだアイスもなかなかだね。ってわわっこっちのアイス溶けてきたー」
「お気をつけて」
カップの俺はそこそこ溶けても問題ないが……海織はちょっとバタバタしていました。
それからアイスを食べ終えてからコンビニを出発。俺と海織が家に帰って来たのはちょうど0時を過ぎたところだった。
正確には0時02分。なのだが――玄関のドアを開けて中に入っていくと……家の中はめっちゃ楽しそうな声が聞こえていました。はい。
――なんかめっちゃ嫌な予感がしている俺でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます