第179話 土曜日4 ~補給中です~
えっと、この1週間は何だったんでしょうかね。
うん。俺は……まだ完璧には理解していないのだが……もういいや。みたいな感じです。はい。これ以上なんやかんやと起こると大変そうですからね。ホントに。
ちなみに女の子2人のお話は――。
「楓くん楓くん。楓くんは海織ちゃんが置いていってる着替えさ触りもしないのホント?」
斎宮さんいきなり何を言いだすのでしょうか。
先ほどから「朝ご飯の準備朝ご飯準備っと」という感じで女の子2人さんはそっとしておいて1人で朝ご飯の準備をしていたら急に斎宮さんからそんな声がかかりました。
「楓君ホントに私の物は触らないで置いといてくれるよね。ちょっとでも触ったらわかるようにしてあるんだけど今まで一度も形が変わったことないんだよねー。ニヤニヤー」
海織が――うん。久しぶりにニヤニヤしている海織と見たというか。ちょっと待って。何か罠が仕掛けてあったのか……うん。怖い怖い。まあ触らないですが。ってうん。この表情の時の海織はダメだ。もう声にも出ているが……危険。うん。俺が危険ですね。
「なんで、なんでー?こんなの触りたい放題じゃん。見てみて、海織ちゃんこんな下……」
「ちょ、沙夜ちゃんそっちのは恥ずかしいから!」
「えー、海織ちゃん楓くんの部屋に置いているのに恥ずかしいとかあるの?洗濯も一緒って言ってたじゃん」
「それはね。ちょっと」
「あー、わかった。なるほど。これは――そっち用か」
……うーん何か女の子2人が午前中から元気と言いますか。また賑やかな部屋が戻ってきたというか。うん。急にここまで戻らなくても……とか思いつつ。このままにしておくとどんどん俺が恥ずかしくなってくる状況が見えてきたので。ささっと朝食の準備をして――。
「はい。海織も斎宮さんもお腹空いたでしょ?一回落ち着こう」
俺はそう言いながらなんとか家にあった材料。まあ食パン焼いて……とかのレベルしかなかったんですが……急だったのでこれで我慢してください。はい。ジャムは4種類ほどありますから。あとちょっとサラダは葉物があったので準備してみました。的な……「いいよね?これで」とか思いつつ準備したものを2人の前に。
「うん。ありがと楓君ー。やっぱり楓君と居ると……楽!ご飯出てくるし」
「おー、いい香りすると思ったー。いただきまーす」
よし、いい感じに話が切れたと思います。うん。
そして土曜日の朝から何故か俺の部屋は賑やかな朝食タイムとなりました。まあ、うん。話が変わったから良し。
ちなみに室内は女の子が2人も居るので華やかと言いますか。明るい感じなのですが……外は大嵐……ですね。ちょっと忘れていたが。雨風すごい。でもまあ……今は気にしなくていいか。俺もいただきます。
ご飯を食べると落ち着いたというか。うん。先ほどまで話していた話題を2人はすっかり忘れてくれたらしく。今度は……うん。久しぶりに俺の枕元に置いてあったあの子。抱き枕が斎宮さんと海織にもふもふされています。あれならほっておいてもいいかな。とか思いつつ。俺は一度洗面所へ。
海織と斎宮さんの姿が見えなくなって。ちょっと洗面所で一息というか。うん。落ち着きました。
――が。この数十秒後。落ち着かなくなりました。
「……」
俺あるものを見てしばらく停止。のち……部屋の方へ。
「—―あの、斎宮さん」
「うん?どしたの?楓くん?」
「……お着替えどうしましょうか?」
「ほえ?」
うん。斎宮さんは全く気が付いていない。というかもう忘れているらしい――。
斎宮さんよ。あなた――うちに来てからシャワー浴びましたよね?で、今海織の服着ていますよね?ってことは、脱いだ服は?
――。
しばしのシンキングタイムというか。変な間がありまして……。
「—―はっ!」
はい。斎宮さん気が付いたみたいです。海織が不思議そうに斎宮さんを見ている中。斎宮さんは立ち上がっています。
そして――あれ?なんだろう……何か思いついたみたいな……にやりとした斎宮さんの表情が見えましたね……あの……俺は、ちゃんと隠したと言いますか……配慮?はしたかと。と思っていると。
再度にやりとした斎宮さんが――。
「楓くんが私の下着見たー」
「ちょちょ言い方!」
とニヤニヤしつつ斎宮さんが洗面所へ移動していきました。すると俺の横に――。
「楓君?何ニヤニヤしているのかなー?何を見つけたのかな?」
「ニヤニヤしてないから。むしろニヤニヤしているの海織だよね?って斎宮さん自分でばらしたよね?」
「ふふふー。楓君はエッチだなー」
「なんでさらっとそういう話になったのでしょうか……」
「おまわりさん必要かな?」
「いりません。って海織。楽しそうだね」
「うん!」
どうやら海織が一番。我慢をしていたというか。いろいろ頑張っていたみたいです。今現在俺の横でちょっとニコニコしつつ……脇腹あたりをつまんでいる海織。何でしょうかね。このつままれているのは――あまりこのことは触れない方がいいのかな?って、うん。海織さんつまむのはやめましょう。
って、何だろう。海織のしている行動と表情が全く合っていない気がします。
「どしたのかな?楓君。私の顔何か付いてる?」
「いや、ホントご機嫌だなって」
「そう?ふふふっ」
海織とそんなことを言っていると。
「楓くん楓くん。どうせ雨降ってるからしばらくは帰らないからさ。洗濯機貸してー」
洗面所のところから顔を出した斎宮さんがそんなことを言ってきた。
「えっと――ご自由に」
「ありがとー」
――何だろう。斎宮さんも居座るつもりなのでしょうか。
まあ――外は大雨だからしばらくは仕方ないか。
って、海織さん。痛いです。横わき腹つままないでください。とか思っていると再度……。
「楓くんー。洗剤どこ?」
斎宮さんの声が洗面所から聞こえて来て……。
「えっとねー。洗剤は洗面所のねー」
はい。俺ではなく。海織が洗面所に向かって行きました。はい。解放された俺は……うん。大人しくリビングにでも居ようかな。はい。そうしましょう。
しばらく洗面所の方から女の子2人の楽しそうな声が聞こえていましたとさ。
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