第178話 土曜日3 ~部屋で女の子2人が騒いでいます~
「ところでさ。沙夜ちゃんは……なんで朝から楓君の部屋に居たの?それも……どうみてもお風呂上がりだよね?」
「あっ……」
海織の種明かしというか。この1週間していたことを何か簡単に聞いた後。うん。先ほどの話で「そうだったんだね」みたいな感じで終わらしていいものかと思ったんだが。
まあ大きな問題は……多分起こっていませんからね。はい。まあ斎宮さんがちょっと騒ぎましたね。斎宮さんは本当に心配してくれていましたから。って、そういえば、海織るの話には続きが少しあり。どうやら柊は昨日?かその前くらいから海織がやっていた事を知っていたとか「ちょっとね偶然バレちゃった」みたいな感じで海織は話していたが――。
なるほど、柊がちょっと笑顔というか。確か……今週のはじめは多分まだ知らなかったから。俺と海織が一緒に居ないことに対して疑問?みたいな感じはあったが。そういえば昨日とかはそんな感じなかったかな。なんか笑顔だった気がするし。
斎宮さんが心配しているというのか。うん。俺に対していろいろ言っている時でもいつものように柊が過ごしていたというか。何も言ってこなかったのは知っていたからという事か。と、ちょっと勝手な想像。みたいな感じだが。うん。柊は共犯者だった。でいいか。
――って、そのことは置いておいていいか。次は海織の疑問というか……うん。これこそちゃんと話さないと。こちらの方がえらいことが起こりますよね。はい。斎宮さん説明しましょう。
「—―えっとね。それは……」
斎宮さんがゆっくりと俺の方を見てくるが――って斎宮さん。俺が説明するんですか?
「……」
「……」
――はい。俺がしないとみたいなのですることになりました。無言で見られてもね。どうしろというのかなんだが。説明は早い方がいいかと。というか。俺もなんで斎宮さんが朝っぱらからやってきたのか。少し前に聞いたばかりというか。ちゃんと理解してないかもしれないのだが。大丈夫だろうか。とか思いつつ説明開始。
「えっと、斎宮さんが朝っぱらから居るのは――ってこれも海織に関係してるんだけど」
「えっ?私?」
うん。不思議そうな顔を海織はしているが。海織に関係してこうなっています。はい。
「うん。だって、斎宮さん昨日海織に連絡したのに返事が来ない。嫌われた。って言って、雨の中。豪雨のなか?うちに朝っぱらから来たんだから。って、正確には海織の家に行こうとしたらしいけど。海織の家に行って海織が出てくれなかったら……で心配になったからとかで……うちに来たんだよね?斎宮さん」
「えっと……そ、そんな感じかなー。あはは……あっ、で、雨に濡れちゃったから。シャワー借りて……その勝手に……海織ちゃん服借りちゃった」
「服は――――いいんだけど。沙夜ちゃんからの連絡って昨日は来てないよ?」
「「—―—―えっ??」」
俺と斎宮さんの声が重なる。斎宮さんはバタバタと自分のカバンのところに行きスマホを取り出して……。
画面を操作している。そして――。
「あ――!」
またちょっと近所迷惑がありまして……皆さんホントごめんなさい。土曜日の朝っぱらから。ホントごめんなさい。
「—―柊に送ってた」
「……斎宮さん……マジですか」
「マジっす。楓くん」
そんな感じで斎宮さんが恥ずかしそうにメッセージの画面を見せてくれた。それは確かに柊宛だった。そして、まだ既読が付いていないという……うん。
斎宮さんは画面を俺たちに見せた後。高速で何かしていた。あれは……抹消しているというのか。うん。何かしているのでしょう。触れなくていいよね?
そしてなんやらかしていた斎宮さんがスマホをカバンにしまって――うん。とりあえずこれで丸く収まった?のかな。とか俺が思った時だった。
「あっ。そうだそうだ。あとさ。沙夜ちゃんと楓君2人に聞きたいんだけど」
海織はまだ聞きたいことがあったらしい。何以下を思い出したように話し出した。
「なに?海織ちゃん」
「うん?なんでしょうか?」
俺と斎宮さんが海織の方を見ると……。
「私が楓君と距離をとってみていたのが原因だと思うんだけどさ……何か今週沙夜ちゃんと楓君2人の目撃情報がすごく多いんだけど――どういうことかな――?」
「えっ――?」
「—―俺と斎宮さんが?」
俺と斎宮さんが顔を見合わせて考える。というか。今週の記憶を思い出す――。
「まあ今もだけどね?」
海織に言われて……再度考える。
そういえば――海織の様子がおかしいからやらで、今週は大学内でも斎宮さんとよく話していたというか……放課後とかも大学内の売店で……うん。結構人の目につくようなところで2人でいたかもしれない。それに木曜日だっけ?うん。藤井寺先生とのお出かけ。という謎な日になったあの日も午後は斎宮さんと居たか。みたいな…うん。いろいろ当てはまることがありますね。
って、気が付いたら。海織の顔が俺の目の前にあった。
「—―何でしょうか?海織さん?」
「まさか。楓君が沙夜ちゃんと浮気とはねー」
ヤバイ。久しぶりにニヤニヤ海織が数十センチ前に居る。
これは――怒っているとかではないのはわかるのだが……うん。ダメな海織ですね。良からぬことを考えている海織です。ニヤニヤしてます。はい。
「ちょ、タイム。海織近い。近いですよ?」
「海織ちゃん違うから!ちょっと!」
「ふふふっ」
俺の部屋では海織がいつものように。今までのようによく見せてくれていた笑顔で居るが……俺と斎宮さんは今週の事を説明するののしばらく時間がかかりましたとさ。
なお海織は――俺と斎宮さんがなんやかんや頑張って説明している間終始笑顔でして……はい。そして話が終わると――。
「仲良くなったね。2人とも。でも、沙夜ちゃん。楓君はそう簡単には渡さないよ?」
「だからー、海織ちゃん違うからー。2人の事を心配したからで、って、そうだよ!海織ちゃんが変な事しちゃうから。こうなったんだよ?私の行動普通だよね?ねえ!?」
うん。斎宮さんが言っていることもわかるとか思っている俺でした。はい。
それから何か女の子2人は笑顔で――わちゃわちゃしていました。はい。深刻な……とかは全くなく。仲の良い姉妹—―ではないか。でも見ているととっても仲良しさんでした。はい。
少しして――。
――お腹空いた。うん。朝っぱらに起こされて、いろいろあって。現在09時前。何という土曜日の始まりでしょうか。
ちょっと心臓に悪いことが多々ありましたが。まだ土曜日は午前中です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます