第180話 土曜日5 ~まだ2人は居ます~
「凄い雨だねー」
「うん。これはやまないね」
「で、お昼ご飯何かなー」
「この香りは……ケチャップライスかな?」
「なるほど!さっき何か炒めている音してたからそれかも」
「材料を切っている音もしていたからね。あとたまねぎは絶対使ってるよ」
「うんうん。私も玉ねぎは使ってると思う。たまねぎのにおいしたからね」
――何しているんでしょうかね。あのお2人さんは窓から外を見ながら。まあ理由を知ってはいるんですが……。
はい。まだ土曜日です。
そして時間はお昼過ぎ。午前中は何か海織と斎宮さんが楽しそうにしていました。はい。終わり。終わりです。
俺が集中攻撃されていた。質問攻めにあっていた。とかいうことはありませんでした。はい。何もなかったのです。何もなかったといったら何もないのです。はい。
――とりあえず現在。外は未だに大雨。これどっかに台風でも発生した。または既に真上にいるんじゃないだろうか?とか思ったが先ほどのニュースでは、このあたりにだけ局地的に発達した雨雲が連続でかかっているとか言っていただけだった。
お天気のお姉さん曰く。今日は夜までこんな感じの天気らしいです。
まあ雨ということで外にも出られないから女の子2人に質問攻めにあっ……出てません。はい。雨が降っているからその――ちょっといろいろ話していただけですね。はい。
そしてお昼になって「お腹空いたー」という斎宮さんのお声で俺が動いています。そして女の子2人が俺の方を見ないで窓の外を見ている理由は……。
「沙夜ちゃん沙夜ちゃん。楓くんが今から何を作るか見ないで考えようよ」
「おー、いいね。OKOK。じゃ当てた方があとでケーキ奢るとか?」
「いいよー、じゃ2人とも正解したら。楓君にどこか連れて行ってもらおうか?」
「あっ、いいねいいね。どこ連れて行ってもらおうかなー」
……とまあ……はい。そんなことが少し前にありましてね。
俺は話に入ることなく。何かが決まっていました。不思議ですね。目の前に居たのだが。自然とお昼ご飯を作ることになり……いやそろそろ作ろうかな。とは思っていましたよ?でも……何かこの流れ絶対2人とも当てて俺がどこかに連れて行くみたいな流れになるのではないだろうか……っか、なんで一言も声を発しなかった俺がお2人をどこかに連れて行くとか言うことが決められたのかが――謎です。
まあこれはすでにどこか連れて行くことが未来に見えつつも。俺はとりあえず冷蔵庫、冷凍庫をあさって作れそうなものを考えてお昼ご飯を作っている。
ちなみにすでに海織と斎宮さんにバレバレというか……わかるよね。外は嵐なので窓も閉め切ってるからにおいとか。まあ音とかもね。
……でも俺もちょっと抵抗と言いますか――確かに冷凍庫で鶏肉を見つけたからケチャップライスかなー。とか思いながら野菜室見たら。たまねぎ、にんじん。ピーマンもあり。完璧。だったのだが……うん。このままではめっちゃわかりやすいものを作っている。と玉ねぎを切っている時に気が付いて――。
多分バレるだろうが。追加で先ほど卵も出してある。
……うん。これ絶対負けるわ。というか当てられるわ。とか思いつつ。オムライスを作っている俺でした。はい。もうすぐ完成です。出来はいい感じですよ?
「……あのお2人さん。そろそろできるので……一応回答を――」
俺がリビングに居る2人に声をかけると……。
「待ってましたー」
「お腹空いたね」
「うんうん。じゃ海織ちゃん。せーの」
――。
「「オムライス!」」
はい。なんでこの2人まだ卵を割る前に俺が答えを聞いたのにケチャップライスではなく。オムライスって当ててくるかね。
「……正解です」
俺がそういうと2人がこちらにやって来た。
「おー、ホントだ。海織ちゃんの言う通りだ」
「でしょ?途中で冷蔵庫が開く音がしたからね。多分楓君私たちを騙そうと。ケチャップライス……と見せかけて。途中で卵追加したんじゃないかなー。って」
「—―完璧にバレていた……」
さすが海織さんです。はい。
「さすが海織ちゃんだね。一緒に住んでるだけはあるねー」
「でしょー。長年の経験だよ」
「長年って……そんなに長かったですかね?海織さん?」
「長いよー?」
海織は何か笑顔でそんなことを言っていたが……うん。海織がここに住み着いてからどれくらい経ったのだろうか。とか思いつつ。卵を焼いてご飯の上に置いていく俺。
「はい。1つ完成」
「沙夜ちゃん先にどうぞー」
「いいの?ありがとー」
「ケチャップはお好みで」
「はーい」
そのあとすぐに――。
「はい、海織の分」
「ありがと。楓君の分の卵作ろうか?」
「大丈夫大丈夫。ここまでしたからこのまま作るよ」
「そう?じゃハートマークたくさんケチャップで書いてあげようか?」
……ニヤニヤ海織さんが隣に居ました。
「—―普通がいいかな」
「えー。あっ、これ楓君のだねー」
「あっ、ちょ……」
はい。海織は自分のと。今できた俺の分のお皿を持って行きました。これは――。
軽く片付けてから俺が2人のところに行くと……写真撮影会が行われていました。ちなみにちゃんとハートマークで仕上げてあるオムライスが1つあり……斎宮さんがニヤニヤしつつこちらを見ていました。はい。アニメとか漫画でこういうの見たことがある気がするが。本当にされる日が来るとは――まさかですね。
ちなみに写真撮影会というのは。斎宮さんが食べている姿を海織が。海織が食べているところを斎宮さんが撮影していました。何かに載せるんですかね。作ったの……普通の男ですが……とか思いつつ。はい。いただきます。
「楓くんの料理やっぱ美味しいー。私の好み。ってかここに住みたい」
「でしょでしょ。ダメになっちゃうんだよねー。楓君の家に居ると」
とりあえず。女の子2人に好評でした。よかったです。
よくなかった――?のはこの後の事でした。はい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます