第138話 七夕祭7 ~湯の山温泉駅05時25分発~

お疲れ様会。打ち上げ。と、これは言うのだろうか。七夕祭よりその後の方が……うん。個人的には疲れた気がする。周りは――めっっちゃにぎやかでした。


そして現在は……一応解散になったので、少し前に帰って来たのだが……俺の家にはまだ着いていない。何故なら――。


「ふにゃー」

「楓君とっても気に入られてるね。沙夜ちゃんがかわいい」


海織はそんなことを言いながらスマホで撮影中……。


「……はぁ……どうしようこれ。斎宮さん。斎宮さん。ちょっとでいいからしっかりして」

「ふにゃー」


少し前に、お店からタクシーで斎宮さんの家までやって来た俺と海織、そして斎宮さん。柊?柊は難波先輩に「2件目だ!」みたいに言われてそのまま連れ去られました。どうなっているかは知らない。

そしてなぜ俺が今困っているかというと――。


「楓くんいい香りー!」

「斎宮さん!くすぐったいから!」


お店から出る際にすでにほろ酔い。というのか。いつの間にか酔っぱらっていたお方を俺は運んできた。お店では普通に海織と話していたから2人とも大丈夫かと思ったら……うん。全然大丈夫じゃなかったみたいです。タクシーを呼んで乗ったら……今の状況。何故か隣に座っていた俺にめっちゃくっついてくる斎宮さん。海織はそれを見て……タクシー内でも写真を撮って楽しそうにしていた。

ちなみに、海織は普通。うん。いつも通りです。酔ってない。大丈夫みたい。ちなみに俺はウーロン茶のみだったので全く問題なし。で、本当は斎宮さんをアパートの前で降ろして、俺と海織はそのままタクシーで帰る。という予定だったのだが。タクシーで移動中に完全に夢の世界になった斎宮さん。到着しても――「ふにゃふにゃ?」しか言わない為。さすがにこのままでは……ということで、結局俺と海織も斎宮さんのアパート前でタクシーを降りて。そのまま斎宮さんのお部屋に入場した。それが今である。ちなみに……02時34分とかスマホの時計は表示していた。そりゃ眠いはずだ。朝も早かったし。2軒目行った人たちが……すごい。


っか、先ほどから斎宮さんが俺の腕にしっかりしがみついて……おやすみ中なのですが……って、斎宮さん。浴衣のままだから大胆な姿やめて。お願い。あまり足を動かさないで!


「海織。とりあえず、俺外出てるからさ。斎宮さんを着替えさせるかなんかできない?」

「そうだね。もうちょっとかわいい沙夜ちゃん見ていたいけど。このままだと私が甘えれないからね」

「……何か嫌な予感がしたんだけど……それは置いておいて。とりあえず、斎宮さん。海織ところに、はい。移動。移動」

「ふにゃー」


いやさ。かわいいよ。うん。でも、甘えるなら柊に甘えてください。


何とか斎宮さんを海織にパス。そしてしばらく俺は外で待機。何か。真夜中にお仕置きで外に立たされている人みたいになってますが……誰も居ないから大丈夫か。


「楓君、もう大丈夫だよ」


少しして、海織に呼ばれて部屋に戻ると、斎宮さんは着替えており。気持ちよさそうに就寝中。そして海織も斎宮さんの服を帰りたのか。浴衣から着替えていた。って、まあ浴衣じゃ動きにくいから先に自分が着替えてから、斎宮さんを着替えさせたのだろう。っか今気が付いた。


「海織ももう遅いからこのまま斎宮さんところに泊まらせてもらえばいいんじゃないかな?」

「あっ、それもそうだね。でも楓君は?」

「ゆっくり運動?」

「それはダメだよ。楓君もお疲れだから、沙夜ちゃんところに止めてもらったら?」

「いやいや、さすがにそれは本人の許可ないし……」


♪♪~


すると俺のスマホが鳴る。斎宮さんを起こしてはいけないのですぐに電話に出るって……柊からだった。


「もしもし」

「あー、よかった。楓まだ起きてたか」

「少し前に海織と誰かの彼女さんを家まで運んだところ」

「悪い悪い、騒いでたから楓たちの事忘れてた」

「おい。って、どうした?」

「あー、そうだそうだ、楓今から出て来れるか?」

「どこに!?」


その後の事を簡単に話すと――俺は深夜3時過ぎに柊に指定されたお店へと歩いていた。たまにちょっと走ったりした。海織は斎宮さんのところに置いてきた。というか「柊に先輩たちが……やらで呼ばれたから。とりあえず海織は斎宮さんところで休ませてもらうように」と言い。出てきた「はーい。楓君無理しないでね?」とか言っていたから……多分大丈夫だろう。大人しく女の子2人で就寝中のはず。


すでに斎宮さんの部屋。家から約1時間ほど歩いたのですが――めっちゃいい運動してる俺。眠気も飛んだよ。ホント。


「ここか」


こんな時間なのにまだお店の明かりがついているところがあり。俺がそっと入ると……うん。柊と、難波先輩と、その他学生?が数十人いた。未だにテンション高い。元気すぎるよ。みんな。


「あー、来た来た楓ー。こっちこっち。俺、もう相手するの疲れたからさ」

「……来なければよかったと思ったが。家に帰るよりこっちの方が近かったという悲しさ」

「まあまあ。先輩が楓を呼べって言ってたんだから」


ちなみに現在3軒目?とか言っていたか。ここも七夕祭に協力してくれた地域の人のお店らしく。臨時営業中?らしい。っか先輩たち元気すぎる。その相手というか。話し相手に呼ばれた俺。まあご指名か。俺と話したいという。それからは、海織とのことを何かたくさん聞かれましたとさ。まあ、確かにね。気になるよね。なんでこの組み合わせで……と、まあ大変大変。って、気が付いたら柊は1人、座敷でくつろいで寝てたから、2度ほど叩き起こした。


そして……まあワイワイというか。なんかしていると時間は早い。


結局のところ。湯の山温泉駅05時25分発。近鉄四日市行きの始発電車に乗ることになるとは……予想もしていなかった、とりあえず眠い。


柊は先輩のアパートを知っているから送るとか言っていたから今はいないが――うん。他を気にするほど元気はない。柊みたいに何度か仮眠をしているとああやって動けるのかもしれないが。って俺、こういうの慣れてないからね。めっちゃ疲れた。とりあえず川島駅を寝過ごさないように帰ろう。


そして俺はほぼ意識ない状態で。伊勢川島駅にはちゃんと降りて、自分の家まで帰り……そのままその日の夕方まで爆睡しましたとさ。


まあ、稀にはこういうことがあっても良いかと思うが――数十年はもうこの経験はいいかな。うん。そんな事を多分夢の中でも思っていた俺だった。

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