第107話 温泉に行こう!2 ~荷物持ちでもしようかな……~
斎宮さんと海織のママさんが出てきたのは、俺と海織が特産物を扱うお店をほぼ見終えたころだった。
海織のスマホに斎宮さんから連絡があって。少し前に合流した。っか斎宮さん。ちょうどいいときに連絡をくれた。助かった。何故なら連絡が来る少し前から海織はというと……ちょっとおしゃれな雑貨のところで動かなくなっていたから。
普通なら。はい。プレゼント。とか言う流れになるのかもしれないが――ちょっと……0が1つ多い気がしまして……あのままもう少し居たら海織に「楓君楓君。これ買ってほしいなー。ダメかな?」みたいなことが起こるのではないかとちょっと危惧していたところに斎宮さんから連絡。うん。ナイスタイミングです。いやほんと、0が1つ多かったので。
そして今は4人でお昼ご飯を食べるために施設内のレストランに来たところ。お昼の時間だからか。少し案内に時間がかかりそうだが。まあでもここまで来たら海織もさすがにご飯の話になるだろう。と俺は思っていたのだが――。
「楓君楓君」
「なに?」
「さっきの雑貨とてもよかったね」
うーん。なんか隣に居る海織がとってもいい笑顔でこちらを見ていますね。これは――大丈夫かな……?
「えっ――あ、うん。とっても細かくて綺麗だったね」
「うんうん。ああいうの私好きかなー」
「好き……そうですね」
「—―ニコッ」
「えっ!?新しいタイプ」
「ニコッ」
「いやいや、なんでニコッ。を言いながらとってもいい笑顔しているのでしょうか……」
「楓君ならこれで通じるかなーって」
「……プレゼント希望とか言わないよね?」
パチパチパチパチ。
拍手をしてくる海織。おいおいマジですかい。あれ。0多いからね?気が付いてる海織?0が1つ多いの。わかって。
「—―—―その拍手の意味は……」
「さすが楓君!」
「海織。今すぐは……」
「大丈夫。いつか。楓君がくれるんだよね?うれしい!楽しみにしておくね」
「……ははは……」
なんか未来に大きなお買い物を俺はすることになったようですが……数年数十年後になるかと思います。はい。大学生には無理です……うん?ってことは……海織が言いたいのは――。
「楓くん!海織ちゃん!呼ばれたよー」
「あっ。ごめん。ごめん。ほら、楓君行こう」
なんか俺が思った時に斎宮さんにちょうど呼ばれたため。店内へ移動。
「さあ食べるわよー」
「おー!」
席に着くと海織のママさんと斎宮さんが食べまくる宣言をしていました。そして本当に食べまくっていました。
お昼ご飯を食べたあとは。先ほど斎宮さんと海織のママさんを待っている時に見ていた特産物などを扱っているお店に再度来ていた。
海織と斎宮さん。海織ママさんがお買い物中です。俺?3人が買うと言ったものを預かってかごに入れて持っている役です。はい。次々お菓子とかが入ってきます。カゴ1つで大丈夫かな?とか今は思っています。
「見て見て海織ちゃんこれ珍しくない?」
「あっホントだ。これ買ってみようか?」
「うん。帰ってから試食だね」
「決まりだね」
女の子2人が楽しそうに会話しながら商品見てます。えっと――もう1名様は……。
「彼氏君」
「あっ、はい」
「これどっちがいいと思う?」
お酒?地酒?だろうか。の箱を見せてくるのは海織のママさん。本当好きなんだなお酒と思いつつ。
「あいにく飲まないので……どれがいいかとは――」
「大丈夫よ。彼氏君の直感を信じるわ」
「えー……」
「ほらー、どっちがいいかしら?」
「……悩んだら……両方でいいのではないでしょうか?」
「なるほど!じゃ、両方買いましょう」
「—―お持ちします」
「ありがとう彼氏君」
こちらも楽しそうにお買い物しています。はい。俺はカゴ持って3名様が終わったらレジまで運ぶ。お会計終わったら車まで運ぶ。ということをしていました。
その後は海織の実家に向けて車が走る。渋滞もなく順調に帰ってきました。
部屋に帰ってきてからは、女の子2人が先ほど買っていたお菓子を食べながら楽しくお話しています。海織のママさんは――自宅の方で飲んでいるのでしょうか?海織曰く。多分準備していると。ということはそのうちこちらに来るのでしょうか……。
「温泉。気持ちよかったねー」
「だね。たくさんのお風呂入れたし」
「うんうん。岩盤浴よかった。また行きたいなー」
「それ!うん。なんか海織ちゃん所に来てからすごくいい生活してるー。幸せー」
ホント楽しそうに話しています。俺は、のんびり眺めてますというか。2人のお隣に座ってます。何でかって?まあ……。
「楓君どうした?」
「いや、なんで俺は捕まっているのでしょうか?」
「楓君もお話入りたいかなー?って」
はい。俺は何故か海織に手を掴まれています。だからか、斎宮さんがめっちゃニヤニヤこちらを見て話しています。はい。
「ラブラブ見せつけてくるー」
「楓君は寂しがり屋だからね」
「いつからそんな設定増えたんですかね?」
「えー?違うの?」
「なんでこうなっているのか……」
とか俺が思っているとドアが開いた。
「あらー。なんか楽しそうなことになってる?」
「—―なってないと思います」
「あらあらー」
海織のママさんも入ってきて、なんかもう……またこの後いろいろありそうなのですが……俺の取り調べ?とか。ホントそろそろ帰りたいんですが……ダメかな――?うん。無理そう。と、海織に捕まり続ける俺でした。逃げないからとりあえず解放を求めたのですが――今のところ受け入れられていません。
――――。
「なんでグループも誰も反応しないんだ?楓?宮町さん?沙夜?既読は付いてるぞー」
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