第108話 餅つき ~お隣はチョコ作り中~

えっと……海織の実家に来てから何日経ったでしょうか……今日もまだ居ます。いや、正確には今日が最後みたいです。なんでかって?


「楓君楓君。今日の夜に帰ろうか?そろそろいい頃だと思うから」

「うん?」


今日の朝いきなり海織に言われました。そろそろいい頃とは何でしょうか?振り回されているというか。なんかわからないまま一緒に居たので……うん。わからない。


「沙夜ちゃんも私にまかせてね?」

「うん?どういうこと?楓くん海織ちゃんと今何の話してた?」

「いまいちわかってません。はい」

「今日の夜にはわかるよー」


斎宮さんもなんかわかっていない感じみたいですが……どうやら海織の中では何かが動いているみたい。


それが朝の事。そして俺は今は帰路。ではなく……。


「彼氏君。もち米入れてー」

「あっ。はい」


水を切ってあったもち米を機械の中に入れる。


「そしたら山の形に中でして……」

「これくらいですかね?」

「そうそう。できたらふたをしてスイッチ押して30分くらいかしら?ちょっと蒸しあがるまで待っててねー」

「あ、はい。大丈夫です。海織にこの部屋から出るなと言われているので」

「あらー、海織の言う事ちゃんと聞いているのねー。たまにはいじめちゃっていいと思うわよ?」

「ははは……」

「とりあえず、ブザーが鳴ったら。ボタンポチっと15分くらいまわしてあげて」

「はい。昔自分のところの実家でもやったことはあるので、多分大丈夫です」

「助かるわー。じゃ私もあっちに行ってきなことか準備してくるわ」

「はい。わかりました」


部屋から海織のママさんが出ていく。


そして、俺は1人。空き家の方でもちつき機とにらめっこをしている。いや今は蒸している?状態だからブザーが鳴るまでは、特に見てなくても良いと思うのだけど……することもないので。もちつき機のそばに座っています。


女の子たち?家の方でチョコレート?作っているみたいです。


「楓君。今からバレンタインのチョコ作っちゃうから見ちゃだめだよ?」


とか言われました。正確にはまだバレンタインは数日先なのですが……なんか昨日の夜。3名様が――「チョコ作ろっか」見たいな話しに何故かなり……今日早速朝から材料買いに行って、今作っているみたいです。


そして俺が何故。餅をついているかと?


理由。海織のママさんが年末前に買ったもち米が1袋残っていたらしく。そのうち作ろうとしていたもちがずっと先延ばし?みたいになっていて……なら。チョコを女の子たちが作っている間に俺はもちをお願い。みたいな話になりまして……なんでそうなったのかはわかりません。はい。いつも突然に何かが決まるところです。


昨日の夜。俺はもち米洗ってました。はい。そして先ほど洗っておいたお米をもちつき機に入れて……と説明している間にちょうど今いい感じに蒸しあがってきたようです。昔実家でも作っていたので何となく作り方はわかっていたので1人でやっているが……多分そろそろブザーが鳴るのでは……と思っていると。


――ブー。


もちつき機のブザーが鳴ったので俺はふたを開けてつくとか書かれているボタンを押す。蒸しあがったもち米がつかれていく。機械ってホント便利。たまに周りにくっついたもちをはがしてあげるくらいで、美味しいおもちができるとは……。


少しすると粒がなくなっていき。綺麗な表面に。くるくるとおもちが回る……すりすりと音がしているのだが。これがなんか癒される。気のせいかもしれないが。なんかこれ見てるのとっても良いです。


――すると。


「楓君。おもちどう?」

「えっとね。あと5分くらいじゃないかな?」

「おお、綺麗ー。そして美味しそう。こっちももうすぐできるからね」

「あ、はい」


海織が俺の横にしゃがんで機械の中でまわっいるおもちを見ている。そしてなんかもたれてきました。まあなんかいつもの事なので俺は倒れないようにバランスとりつつ海織る支えるって……これ慣れていいのだろうか。と思っていると。


「海織ちゃん焼けたよー!ってイチャイチャしてたー!お邪魔しました!ママさん!スマホスマホ!」


斎宮さん。スマホはいらないと思います。はい。


「あっ、沙夜ちゃん?」

「……行ってきた方が良いのでは?」

「そうだね。美味しいガトーショコラできたと思うよ?」

「先に言うということはなかなかのできなのですね」

「ふふふ。ちょっと待っててね」


海織はまた家の方に。俺1人でもちとにらめっこ。すると。


「どうかしら?できた?」


海織のママさんが交代で登場。手に持っているお盆には、小豆やきなこなどが乗っている。このあといろいろ作ると言っていたのでその準備をしていてくれたみたいです。


「こんな感じですかね?」

「あらー。いい感じ。そろそろ出しましょうか?」

「わかりました」


おもちを粉を広げておいたところに出す。するとちょうど海織と斎宮さんもやってきて――「できたて食べないとかダメでしょ!」という斎宮さんのお声から……出来立てのおもちを食べる。になりました。


「のびるー」

「沙夜ちゃん。粉だらけだよ?」

「あー!」

「海織はほっぺに粉ついてますが……」

「わざとです!さあ楓君拭いて」

「—―」

「あらー。沙夜ちゃん。これも写真ね」

「シャッターチャンス!スマホスマホー」


言いながら立ち上がる斎宮さんだが……。


「あー。沙夜ちゃん粉粉」

「うわぁ!」


斎宮さんが立ち上がると粉が舞う。机にも床にも。そして本人の服も粉まみれになっていました。掃除大変そう……である。


まあなんやかんやありましたが。楽しくおもちを食べましたと。なんでも出来立てが美味しいですね。はい。そして余ったおもちは海織のパパさんがそのうち食べるらしく。のしもちって言うんだっけか?四角に伸ばしておきました。


そしてその日の午後。現在帰る準備中。いや、斎宮さんがいろいろやらかしてくれたので部屋の掃除で結構時間がかかりました。なので、チョコ?は帰ってからになりました。掃除してたらいい時間になり。チョコまでたどり着かなかった。いや待っていたわけではないですよ?おもち食べる量減らしたりは――してないです。はい。


「沙夜ちゃん大丈夫?」

「OK!」

「楓君は」

「大丈夫」

「じゃ、ママー。駅までお願い」


準備ができると海織のママさんにまた駅まで送ってもらった3人でした。ということで、突然帰ることになりました。うーん。海織の考えが全くわかりません――はい。


――――。


「3人ともどうしたんだー?俺ガチで……なんかしたか?ちょっと誰でもいいから反応してくれ。っかなんで3人とも留守なんだよー。楓ーどこ行ったー」


――ピコン。


「うん?おっ、久しぶりに楓から返事ありっと。どれどれ……」

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