第80話 春休み ~07時44分発近鉄四日市行き普通~
無事に2年生の学年末試験を終えて2回目の長い長い春休みに突入。
春休みは今のところ予定なし――と、数時間前までは思っていたのだが……予定が決まりました。
それは先ほどやって来た宮町さんが。
「楓君。春休みこそ。お出かけ行くよ!年末年始は体調管理が出来てなくて初詣も行けなかったからね。一緒に初詣も行こう!」
なかなか高めのテンションで宮町さんが言いだしました。はい。
「今日の宮町さん。テンション高めだね」
「そう?でも早く楓君とお出かけ行きたいからね。あっそうそう。お出かけのアイテム時刻表……時刻表あった」
もう慣れているというか。ほぼここで生活しているからだろうか。この部屋にあるものの配置はすべて覚えてますという感じで。普通に時刻表を棚から迷うことなく見つけて机の上に持ってきた。
「去年の春休みだっけ?楓君とベッドで寝ころびながら考えたのに、やっとだね」
「そういえば、なんかあっという間に2年生終わったね」
「まだ終わってないよ?春休み中は2年生だよ」
「まあ、そうか。進級発表もまだだし」
「そうそう、じゃ、早く決めて早く行こう!」
宮町さんが時刻表をめくる。
って、そういえば最近は時刻表を使う機会があまりなかったので久しぶりに開いた気がする。このあたりの電車の時間はほぼ覚えたのと、遠出も……あったが斎宮さんとの時のように急に連行だと。まあ予定を考えるとかはなくだったから。あの時は電車の中でなんか検索して行き当たりばったりだったような……って、おかしいな。久しぶりに時刻表を見る気がするのだが……なんか付箋がところどころにあるような……確かに前に宮町さんとあれこれこれから行きたいところ。みたいな感じで話した時にも少しメモはした気がするが――なんか多くない?
「宮町さん」
「なに?」
「こんなに時刻表って付箋付いていたっけ?」
「あー。これ。楓君がお風呂とか入ってる時に少しずつ考えてたんだー」
いい笑顔で宮町さんが言う。って。宮町さんずっと考えてたんだと……。
「ってことは……もう予定が出来ている?って感じだったりするの?」
「ちゃんとは出来てないけど……とりあえず、楓君が前に行きたいとか。乗りたいって言っていたのは。入れてあるよ?」
「—―なかなか完璧なことで」
「でしょ?見て見て」
時刻表のページを開いていくと――。
宮町さんの字が書かれているメモもいくつかあった。
そしてこの時俺は知らなかった――。
まさかこの後の春休みに宮町さんに連れられて。あんなにいろいろなことのある。4日間になるとは……。
――なんでそんなことになっているの?と、いう大変大変大きな驚きがあったのですが……それは……もうすぐわかります。宮町さんスゲー。っていうか、うん。すごいです。周りから固めているというか。
もうこの時に俺の未来は決まっていた様子です。はい。
まあ、このことはそのうちわかるので置いておいて――。
現在です。
「で、楓君!」
「はい」
「4日間くらい。予定空けてほしいなー?ダメ?」
「4日間……も、行くの?そんなに遠出する予定なの?」
「えっと、こんな感じで考えたんだけど……ダメかな?」
宮町さんが時刻表に挟んであった紙を4枚見せてくれた。
「えっと……」
宮町さんの手書きの紙には大きな丸が4つほどあり。見てみると……。
1日目に南大阪線、吉野線を走っいる青の
「—―うん?空白?」
何故か2日目……いや3日目?に当たるところが空白だった。
「あっそこは気にしないで大丈夫」
「—―気になるでしょ。これ」
「いいの。ほらほら最後まで見た?」
「……まだです」
大変――3日目が気になりつつも。多分4日目?には、大きな文字で「伊勢神宮初詣!」と、書かれていた。
「宮町さん」
「見てくれた?」
「一応見たけど――これなかなかの移動距離だよ?また日を改めるとか……で、「行くことも」
「ぶー」
――うん。なんか頬っぺたを少し膨らませている宮町さん……いや、えっと。
「……あの宮町さん最近いろいろと……いや、いいや」
これは変なこと言うと……な気がしたので。大人しく従うことに。うん。それが安全。安全第一。
「うんうん。で、私したいことがあるんだ」
「何を?」
「ホテルは現地で空いていたところにしたいなー。って」
「はい?」
「テレビとかであるよね?この前もしていたあれ。旅して。着いた町でホテルを探して入る。あれ面白そうじゃない?」
「えっと……スリリング?っていうのか。決めてそこに向かうというのもありかと……」
「ここと。ここに行く。っていうのだけ決めて。いろいろまわろうよ。ホテルももしかしたらあまり知られていないところがあるかもしれないからね」
今日の宮町さんはテンションが高いからか――なんか、すごい予定を言ってきましたが……まあ1週間後。この旅行は決行されましたので――。
そこまでのことは……はい。飛ばしましょう。
旅行までは宮町さんが毎日楽しそうに「早く当日にならないかなー」という感じで大変ご機嫌でした。
ちなみの旅行までに1度遊びに来た斎宮さんに「楓くん海織ちゃんどうしたの?すごく機嫌がいいけど何かしちゃった?」とか。ニヤニヤ聞かれたり。いや、俺は特に何もしてないんですよ?はい。
あっ。斎宮さんがうちに遊びに来た。遊びに来たのではないか。乗り込んできた。斎宮さん曰く「海織ちゃん!休みだから。パーッと。遊ぼうよー!」って連絡したら「今楓くんところに居るよ」って言っていたから遊びに来ちゃった。とのことでした。最近この部屋女の子が集まる率が高い気がします。はい。
そして、4日間ほどの旅行?俺的には結局3日目の空白をいまだに教えてもらってないのだが……あと、本当にホテルは何も決めないで。当日を迎えました。どうなることか……。
ちなみに……今日は朝06時起きです。
春休み中ですが――早い。
ってか大学あるときでもこの時間はなかったような……と思いつつ。電車に乗り遅れるとなので。本当はもうすこし寝れたが予定時間より早めに目覚ましをかけておいた。なので06時起き。そして眠い中着替えやらの準備してから。昨日のうちに準備しておいたカバンを持って。多分数日帰ってこないので、戸締りをちゃんとしてから家を出発。
伊勢川島駅07時44分発の近鉄四日市行き普通を待っている時に宮町さんからメッセージが来た。
「おっはよー。ちゃんと起きてるよね?もし寝坊していたら……お仕置きだよー。覚悟ー!」
「……」
――なんか朝から……元気そうな宮町さんが浮かぶメッセージが来ました。そのメッセージに返事をしていると、ちょうど電車が来たので乗り込む。
そういえば、春休み中は宮町さん。よくよくうちに泊まっていたが。昨日は午前中?だったかに帰りました。珍しいな。と思い聞いてみると「旅行は待ち合わせも楽しいでしょ?」と、言われました。楽しそうです。本当に。
宮町さんとは近鉄四日市駅集合。というのがお出かけの予定でも一番はじめに決まったこと。
そして、07時53分近鉄四日市駅到着。それから大阪線ホームに移動すると。
「あっ。楓君こっちこっち」
大阪方面のホームに着くとすぐに声を変えられましたが……いやいや、これ声かけられなくてもすぐに見つけれたと。今日の宮町さん。すごくおしゃれでした。お出かけ用?普段もちゃんとしてるな。と毎回思っていたが――。
今日はこれが本当のお出かけ用なのか。綺麗でした。はい。
俺大丈夫かな?でしたよ。はい。
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