第79話 報告と試験 ~08時04分発湯の山温泉行き普通~

冬休みが終わり。大学2年生の授業。講義もあと数週間となった。


そして今は休み期間中メッセージでこちらのことを気にしていた斎宮さんに、冬休み中の出来事を話していた。


まあ、斎宮さんだけに話すつもりが。なんか上手に話を聞きつけたのか。その場に居なかったはずなのに突然現れた柊も加わり。年末年始の出来事を斎宮さんと柊に話していたところ……まあ笑われたというのか。ほのぼのされたというのか……なんというのかわからないが。2人はかなりほのぼのとした感じで今前にいます、はい。


「いい。年末年始じゃん。俺なんかまた親戚の人といつも通りの正月だったんだけど毎年同じって感じの。そんな中。知らないところでいい感じの事が起こっているとはな」

「楓くんに海織ちゃんホント仲いいね。2人で風邪ひくって」


柊と斎宮さんがニコニコというのか。うん。ほのぼのした表情で言われた気がします。


「いや、まあ俺の風邪はその油断と言いますか。はい」

「でも、看病してもらえるっていいじゃん。風邪ひいて1人ってなんか寂しいし。俺はまだ経験ないけどうちのは……まあ何もしてくれないだろうし。沙夜も風邪ひかないだろうが――ぐはっ」


無駄なことを言った柊がまた斎宮さんに1発食らっていた。ちなみに今ここに居るのは3人だけ。宮町さんは提出物があるからと。先生の部屋に行っている。それを待っている時の3人の会話。


「馬鹿は風邪ひかない。ってどういう事よ!」

「そこまで言ってないし……っか日に日に力が強くなっている気がする。楓パス」

「……まあうん。お断りします。今のは柊が悪いと思うよ」

「だよね。楓くん。ほら。だからもう1発」

「ちょ、おかしいから」


なんかコントみたいなことをしている2人を見ていると。宮町さんが戻って来た。


「お待たせー。うん?どうしたの沙夜ちゃんたち?喧嘩?」

「……まあ。いつものこと」

「いつもの……あー。なるほど」


少しの間柊と斎宮さんのやり取りを、俺と宮町さんはほのぼのとその光景を見ていて。その後はいつも通りの大学生活だった。もう柊と斎宮さんが揉めている。バトルしているのも当たり前。俺の家に宮町さんがやってくるも当たり前。そんな感じだった。いや、どれも当たり前になっていいのか微妙なんだが……。


そして冬休みが終わりしばらくすると。あの時期がやってくる。


「よし。レポート終わらすぞ!」


――柊の掛け声なのか。決意表明なのか。そんな感じでレポート。勉強会?が俺の部屋で行われていた。

実は冬休みが始まる前には、学年末試験のレポート課題は発表されていた。のだが。まだ時間があるからしてなかった2人と。仲良く風邪ひいたことで年末年始をお世話に回した2人の合計4人の大学生は……レポートに何も手を付けていなかった。


数は多くはないが。ちゃんとしたものを作らないとなので「1人でしているとサボっちゃうんだよ」とか柊が言い出したのが始まりだったか。それなら短期集中型でみんなでやろうになり。一番部屋の中に誘惑の物が無いと言われた俺の部屋で行われていた。


まあ、来てまずすぐに斎宮さんが宮町さんゾーンを何やら漁ろうとして、2人わいわいしてましたが。それを見た柊が「いつ正式に付き合うんだ?実はもう?」とかなんか言ってきたが。まあそれは置いておき。勉強会。


さすがにずっと集中はやはり難しかったが。それでも4人とも1日でレポート課題をほぼ作り終えた。


……柊が何度も何度もヘルプをしてきた気がするが――。


「疲れたー」

「だね。一気にすると疲れるよね」

「にしても。この抱き枕。最高ー」


女の子2人は壁にもたれながらくつろいで……。


「楓。揚物くらい買ってきたらいいか?」

「うんそれでいいと思うよ。サラダとかなら。家にあるもので何とかなりそうだから」

「OK-。ってなんで俺らがパシリなんだよ」

「柊が斎宮さんとのじゃんけんに負けたから」

「だよなー」


お腹空いたから晩御飯となったのだが――。

斎宮さんが「じゃ私と柊でじゃんけんして、負けた方がコンビニゴー。ね」とか言い出したので……まあ斎宮さんと柊がじゃんけんしました。すぐ柊が負けました。はい。


そして男子2人で晩御飯……そして、俺の家にも少し材料があったのでそれを使うことにしたので、柊に揚物系をコンビニに買いに行ってもらい。俺は台所で準備をしている。


女の子2人は……まあ先ほどの感じで……斎宮さんが前に俺が宮町さんからプレゼントしてもらったカピバラの抱き枕を抱いています。はい。あれ、ホント気持ちいいんだよ抱き心地が。って、前もなのだが……あのように斎宮さんが使った後は……ちょっと斎宮さんの香りというのか。まあうん。いいか。


「これ幸せー。気持ちいい。私も欲しくなってきた」

「私も抱かせて抱かせて」

「うん、ってこれ楓くんのだよね。勝手に抱いてるけど」

「大丈夫だよ基本私が抱いてるから」

「で、夜は楓くんが抱いていると」

「あー。それは私がいない時は……どうなんだろう?また聞いとこっと」


とかなんか声が聞こえたが……まあいいか。ちなみに今も聞こえていたが宮町さんもこの家に居る時はテレビを見たりとか。くつろいでいる時などはほぼ抱きしめてます。ってみんなが使っている…・・・これ、みんなにそれぞれ誕生日にプレゼントしたら……喜んでくれるんじゃないだろうか?とかちょっと思いつつ。


そんなことを思っていると柊が帰ってきたので、食べものを女の子2人の前へ、。そして4人でわいわいとした夕食にんばりました。


そしてあっという間に試験初日。

試験の日は1年の頃からだがいつもより1本早い電車で行く。これは変わっておらず。今日も伊勢川島駅08時04分の湯の山温泉行き普通電車を今待っている。そしてもう毎度のことなのでさすがに予想していたが。今日も当たり前のように宮町さんは乗ってきていた。


「楓君。おはよう。もう試験だね早い早い」

「おはよう。宮町さん。うん。ほんとにまあ今回は持ち込み可が多いからちょっと助かってるかな」

「レポートは完成したもんね」

「まあ見直しとかちょっといじっていたら結構ギリギリな感じだったけど。おおまかには4人でしたからね」

「みんなですると楽しいよね。ちょっと脱線することもあるけど」

「ははは……まあ、とりあえず早く試験は終わってほしいよ」


そんな感じに宮町さんと話しつつ移動。そして08時21分湯の山温泉駅到着。そこから大学へ向かった。講義室へ行くと――すでに柊が来ていた。


「おー。お疲れ」

「今日は柊。早いな」

「いやさ、うちの馬鹿が早く起きたからって、朝から乗り込んできてもう8時過ぎにはここいた」

「なるほど……って斎宮さん居ないけど」

「飲み物買いに行ったが……」


と柊と話していると斎宮さんも登場。


それから試験が始まる。大学の試験も4回目。でも4回目だろうが試験の1週間は大変だった。マークシートはホント気を付けましょう。うん。危うく1段ズレて提出するところでした。いやいや、ホント油断禁物。見直し確認はちゃんとしましょう。


「やべー。裏とかやった記憶ないぞ!?俺やったか?えっ?これマジでやばいやつ?」


――うん。試験終了後にそんな柊の声が聞こえた気がするが……まあ大丈夫だろう……多分。


そして、無事に試験期間が終わると春休みが始まったのだった。

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