第62話 山 ~09時39分発湯の山温泉行き普通~
斎宮さんの実家に行ってから数週間が過ぎた。連休明けは、ほぼ毎日大学の生活。まあ、これが普通の大学生の生活と思うが。大学と家の往復。と、休みは、まあのんびりというのか。家の事していたら、終わることもあったという感じで、普通の大学生の生活していました。はい。
そんな中。とある日の昼休み。いつものベンチで4人でお昼を食べていた時の事。今回の発起人は――柊だった。
「なあなあ、山行かないか?」
が、始まりだった。
そういえば、この前の連休中の柊と斎宮さんの怪しい雰囲気は、連休明けには、ちゃんとというのか。なくなってました。いつものように、余計なこと言って、柊が斎宮さん蹴られてました。そう、これが普通?のはず。
えっと、本題なんだっけ?
……そうそう。山だ。大学の一番近くにある山。ロープウェイもあり。山頂に行くのは、簡単に見えるのだが。駅から、ロープウェイ乗り場までが、少し離れているため。1年の時は、近くで見ているのに行っていない場所。
そこに、柊が行こうと提案してきた。
「そういえば行ってないよね。私も行きたいかも」
宮町さんが、その話に乗り。まあ、俺と斎宮さんも自然と乗る形に。
そして、4人が空いている休日に行くことになりました。もちろん、登山も可能なところだが、今回は、山登りはしません。はい。ロープウェイ使う予定です。まあ、今後登山の話は……このメンバーでは出ない気がする。多分。
そして、土曜日の朝。現在は、伊勢川島駅で電車待ち中の俺。
山の上は、気温が下がるというので、どんな服装か悩んでいたが。調べてみたところ、1枚羽織れるものなどがあれば、今の季節はいいらしい。
と、書いてあったのでそれを信じ。伊勢川島駅09時39分発の電車を待っていた。
ちなみに、金曜日は、講義の都合というか。6限で帰りが遅くなるから。みたいな理由で、ほぼ毎週俺のところにやってきていた宮町さん。
さすがに、昨日は「準備しないといけないから、残念だけど、今日は帰るね」と、自分の家に帰り……って、ほら、ちょうど今駅に入って来た電車に乗っている。
車内からこちらに手を振っていた。
そして、車内で合流。その後は、菰野駅で、柊と斎宮さんとも合流し。湯の山温泉駅09時56分到着。いつもなら、ここからは大学向いて歩いて行くが。今日は目の前のバス乗り場へ。この時間で来ると、ちょうど、ロープウェイ乗り場のところまで行くバスがあるので、そのバスに乗る。
バスを使っても10分弱はかかるので……歩いたら結構大変そう。でも、今はバスなので、どんどん山を登っているというのでいいのだろうか。バスは道を進み、ロープウェイ乗り場に向かってバスは走る。少しして、駐車場とかの看板が出てきたなと、思ったら。ロープウェイ乗り場のところに到着。
初めて来ました。こんな感じのところがあったのか。と、俺が周りを見ていると。
「こうなってたんだね」
そんなことを言いながら俺の隣に宮町さんがやって来た。
「うん。大学の近くなのに来たことなかったから全然知らなかった……」
「駐車場とかもちゃんとあったし。来る途中にホテル?旅館もあったね」
「近場にも、知らないこと、まだまだあるね」
「ホント、こういう近くもちゃんと見ないとだね」
宮町さんと話していると。今日も元気な斎宮さんに「2人ともー、置いてくよー」と、言われたので、柊と斎宮さんを追う。
それからは、4人でロープウェイで山頂へ向かう。
10分くらいだろうか。しばらく箱の中というか。結構な高さのところを移動していく。途中かなり目立つ白い鉄塔?があり。そこを通過するときは――なかなかの高さを移動していた。下見ると、全部が小さく見えた。ちなみに、俺は、高所恐怖症とかではないが……地上まで、一番高そうな場所を通過するときに、下を見ると――なかなかだった。ちょっと、風もあって揺れもあったし。まあ、そんな中、柊と宮町さんは、スマホで写真撮影。普段見ない景色だからね。うん。で、もう一人。
「……怖くない。怖くない」
「沙夜ちゃん?大丈夫だよ?ほら」
「海織ちゃん……タイム……タイム。自分の足で、立っている時は大丈夫だけ、こういう吊るされているのは――無理!」
「宮町さん。宮町さん。沙夜、こういうのはダメらしいから。まあ、いつも直前まで、忘れているというね。乗ってから騒ぐ」
「—―柊……黙れー」
斎宮さんが高いところ?が、ダメだったようです。
まあ、こういう高いところを移動する乗り物がダメみたいな感じで言っていたが……まあ、山頂に着いたらすぐ、元通りでした。何事もなかったように元通りのいつもの斎宮さんとなりました。
山頂に、着いてからは、写真撮ったり。物食べたり。展望台に行ってみたりと。思っていたよりかなり広い場所だった。また、リフトもあり移動できたが。斎宮さんが「こういう時は、歩く。歩く道もちゃんとあるんだから」と、リフトもダメ見たいです。で、4人で、整備されていた道を歩いて行く。ちなみに、ここは、冬。スキーもできるらしい。途中で、柊が「今年は、来れたら滑りに来たいな」とか、言っていた。
ちなみに、山頂。気持ちいい気候でした。服装も今のところ正解。
「海織ちゃん写真撮ろー」
「うん」
「楓くん少し荷物いい?」
「あ、うん。宮町さんも持とうか?」
「ありがとう。じゃ、ちょっとお願い」
宮町さん斎宮さんは、身軽になると、展望台の先というのか。景色のいいところを探しているのだろう。動き回っている。まあ、俺のいるここからでも、結構遠くまで今日は見えている。先ほど調べたら、愛知県?とかも見えているみたいだった。
そういえば、展望台とか、見晴台というのか。そうところは、斎宮さん余裕なのか。普通に写真を撮ったり、宮町さんと記念撮影してます。俺は、さっきからよく荷物持ちしてます。なんか最近は、荷物持ちが当たり前になった?まあ、それは問題ではないのだが。ちゃんといる意味があるというか。
ちなみに、もう1人の男は――。
「写真お願いしまーす」
「こっちもおねがいしまーす」
「あっ、あとで、一緒にいかがですか?」
「どこから来たんですか?」
柊は、展望台のところに来てから、何故か、他の人の写真撮影を手伝っていた。って、なんか、いろいろ聞かれてる?「……あれはあれで、大変そうで」と俺は思いつつ、展望台のところにあったベンチが空いたので、そちらに女の子2人の荷物と自分の荷物を持って移動し。柊を見ていると。ひっきりなしというのか。よく声をかけられていた。何故か、、、一緒に撮っている。もあったが……アイドルだったっけ?柊って。と、思いつつ。これ、また斎宮さんが機嫌悪くなるんじゃないかなー。と、思っていたら。正解だったようで――。
「……あいつ――」
「あ……おかえり。斎宮さん。宮町さん」
「うん。荷物ごめんね」
「……また、いちゃいちゃして」
「楓君、白塚君なんで写真家みたいになったの?」
「いや、気が付いたら、ああなってた」
「2人ともほっていこう。うん、見捨てよう。行くよ」
「沙夜ちゃんすぐだと思うから待ってあげようよ」
「いいの、行こう2人とも」
と言いながら斎宮さんは歩き出す。
それから少しして、柊が気が付いたらしく、追いかけてきて「いやー、参った参った」と、戻って来ると同時くらいに、斎宮さんに一発攻撃をされてから。再度、散策再開。
何というか。人気者も大変そうです。それから、ぐるっと一周。結構広いので、それなりにいい時間になった。
帰りのバスの時間とかもあるので、再度、記念にロープウェイ乗り場などから写真撮ったりしてから、帰りのロープウェイに、なお、斎宮さんは、しゅんと、小さくまたなっていました。まあ、ロープウェイ降りたら「楽しかったー」と、すぐに斎宮さんは戻り。ちょっと、降りたところの店などを、宮町さんとともに見に行きましたとさ。
にしても、この近場で、これだけ楽しめるとは、もう少し早く知っておくべきだったと、思っている俺だった。って、今?また、荷物持ちです。3人分、、、って、ちゃっかり柊も荷物置いてどっか行ったし。どこ行った。また、どこかで捕まっている?
――まあ、いいや。俺は、荷物の番しながら。のんびりと、下からの山の写真撮ったりしていました。ということで、とある休日の4人でした。
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