第54話 Uターン ~15時58分発湯の山温泉行き普通~
宮町さんと、謎なお試し?試用期間?設定中?なんなのか。はっきりとは、わかっていない俺ですが。なんか、柊と、斎宮さんも認めている。というのか。謎な関係に、宮町さんとなりました?
――いや、俺わかってない。理解してないのですが……。
帰りの電車の中でも、宮町さんは「今までと何も変わらないよ?今まで通りだよ。今まで通り。ただ、設定が付いただけだから」とか、言っていたが、どうなんだろうか。っか。なんでこうなったのか――わからない。
伊勢川島駅で、宮町さんと別れてから、ぼーっと、先ほどの数時間で何があった?と、再度1人で、考えながら歩いていたら。スマホが鳴った。
♪♪~
はじめ、宮町さんかな?と、思いつつ画面見たら。違った。
「……斎宮さん?」
電話だったので、通話のボタンを押すと。すぐに、声が聞こえてきた。
「あ、楓くん。もう帰ったかな?」
「え、あ――今、川島駅着いて家向かって歩いているけど……」
「よかった。じゃ、Uターンしてきて?あ、海織ちゃんいないよね?」
「……居ないけど……」
「よかった。バレると大変だから。じゃ、待ってるね」
「ちょ、ちょ……」
そこで、電話は切れた――いや――俺って――周りから凄い扱いされてる?だった。
とりあえず俺は、そこでくるりと向きを変える。
いやね、言われたのに無視して行かないと……こちらも、大変なことになりそうですから。
伊勢川島駅に戻ると、ちょうど、1分後に、電車があった。定期券があるのでそのまま改札を通過して早歩きでホームへと移動した。
――15時58分発の湯の山温泉行きの普通に乗り……戻る。
……っか俺はなんで、呼ばれたのでしょうか――これは……取り調べ?かな。とかいろいろ考えていた。
約10分後。
16時07分。菰野駅に戻ってきました。おかしいな。少し前までここに居た気がするが――俺はまた同じ駅に居た。
――どこに行くとか、来てとか。全く指定がなかったのだが、まあ家に来い。ということだと俺は思い。斎宮さんの家へと向かった。
それから斎宮さんの家の前まで歩き――インターフォンを押すと……。
「おっ、早いね。海織ちゃんの彼氏さん」
斎宮さん登場。先ほどあった時と何も変わっていない。
「……それに関しては、触れないことにします」
「えー。まあ、入って入って」
「……えっと、俺は、なぜ戻されたのでしょうか――」
「いや、だって、お出かけのこと決めないと。ホテルとかも見ないとだし」
「……なるほど、それで呼ばれたのか」
「もしかして、海織ちゃんとのこと、あーだ。こーだ。聞かれるとか思っていた?」
「まあ――少し」
「なるほど、なるほど。じゃ、終わったらそうしようか?」
「ご遠慮します」
「えー。楽しそうなのに」
とか、話しながら、部屋の中に入れてもらうと、準備をしていたらしく。パソコンやらが、机の上でスタンバイしていた。
「で、楓くん。私。このホテル行きたいんだけど」
「いきなり、希望から始まった」
「いやいや、絶対みんな喜ぶから、あっ、で、これね。旅行?ギフト券かな」
と、斎宮さんが引き出しから、封筒を出してきた。それを見せてもらうと――。
「……5万円分もあるの?」
「そう、だから、あと、各自で5000円くらい出してくれると、夕食朝食付き。個室露天風呂付になります!」
そんなことを言いながらピースする斎宮さん。ホント……無邪気というのか。明るいキャラクターですよ。いい笑顔だった。
「ーーってか。斎宮さん、これ、ほぼ決まってない?」
「うん!でも、なんか1人で決めると怖いから。すでに、流れを知っている楓くんを巻き込んだの」
「……そういうこと。でも、個室露天風呂?とか付いてるとかなりの金額しない?」
「でも、4人での利用の合計ここに書いてあるから」
俺も画面を見せてもらう――確かに、斎宮さんの言ったくらいの値段で泊まれるらしい。うん。マジか。だった。
「どうかな?」
「いや、うん。いいと思うけど、食事つきだし。これなら、ホント行くだけでいいからね」
「でしょ。で、あと、これは、旅行代理店かな?行かないと、ギフト券使えないよね?」
「あー、どうなんだろう……電話で、聞いてみたら?」
「うん。聞いてみる。で、勝手に、2日間にしちゃったから……楓くんには悪いんだけど……2日目も――どこかないかな?」
「えっと、鳥羽だよね」
「そう。なんかあるかな?」
「いや、あるのはあるけど……うーん。パッと出てきたのは、石神さんとか?」
「何それ?」
「えっと、パソコンいい?」
「うん。使って使って」
俺は斎宮さんのパソコンを借りて――検索。該当ページを出して斎宮さんに見せた。
「えっと――神社?—―うん?これは……女性の願いを叶えてくれる――」
「—―1つね」
と俺が補足すると――すぐだった。
「楓くん!」
「—―はい?」
「いいじゃん。行きたい。行くから。決定」
「……はい。あっ――でも、鳥羽からは、結構離れてるから、バス移動か――レンタカーか」
「じゃ、2日目は、そこって、ことにしとかない?なら、他には何も予定なし。その時の時間とかで移動方法決めれるじゃん。で、時間余ったら、途中どこか寄れるかもでしょ?で、ゆっくり見れたら、それはそれで、良い旅じゃん。何お願いしようかなー」
……斎宮さんはすでにお願い事考える方が忙しくなったようです。
いや、俺はふと浮かんだのが、この前テレビでしていたここだったので、言ってみたら――なかなかいい反応してくれてよかったです。
って……男性は、ここどうなんだろう?俺と、柊は、単なる付添になるのかな……?だった。
それから斎宮さんと、しばらく予定の話をしていたら。
「楓くん」
「はい」
「今から代理店行っちゃおうよ」
「—―はっ?」
「まだ、17時前だから、電話とかより、お店開いてるみたいだし行った方が早いよ」
「……えっと――今から?」
「うん。善は急げだよ。決めちゃって、2人に連絡した方が、2人もいいでしょ?」
「いや、うん。だと思うけど」
「じゃ、レッツゴー」
はい。俺――元気少女に振り回されています。
それから小走りで俺達2人は菰野駅へ戻り。って俺今日菰野駅何回目?だった。
――菰野駅、16時47分発の近鉄四日市行きの普通に乗り込み移動。
そして、17時05分近鉄四日市到着—―からのそのまま、お店へと向かった。
しばらく俺たちはお店で、あーだこーだと相談—―相談。
そして少しすると――運よくなのか。斎宮さんの言っていたホテルに、空きがあり。そのまま予約。あっという間に決まりました。うん。
「やっぱり、パッと行動が早いね」
「斎宮さんの行動力がやっぱりすごいです」
「でしょー、褒めて褒めて」
そんなことを話しながら斎宮さんと2人駅へと向かって歩いている。すると――。
「楓くんご飯食べていかない?せっかく出てきたんだから」
「あ、うん、いいよ。どこか行きたいところ……」
「ここのラーメン屋さん」
と、斎宮さんすでに指さしていました。
「—―はい」
うん。こちらも即決。まあすぐ決めれるっていいですね。はい。
斎宮さんと夕食食べてからその日は帰りました。で、家に帰ってから、斎宮さんに、宮町さんへの連絡を頼まれたので、連絡をしている時に、ふと、花見でのことを思い出し……またしばらく、どうして、こうなったんだっけ?と、考える俺でした。
とりあえず、春休みは、まだあります。
そして、4人での旅行が決まりました。
あと、俺と、宮町さんの関係は――何に、なったのでしょうか――?誰か教えて状態だが――まあ本人がわかってないから誰もわからないか。うん。
――付き合っている……設定中?なんといえばいいのか、わかりません。はい。謎が多いです。
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