第53話 お花見 ~12時32分発近鉄四日市行き普通~
大学のオリエンテーションが終わってから、4人で駅に向かっていた。
「だからー、海織ちゃん。今は、まだ、秘密-」
「えー。つんつん。沙夜ちゃん首弱いねー」
「ぎゃー、海織ちゃんがいじめてくるー。楓くん助けてー」
「……いや、身の危険を感じます」
「なあ、楓、あの2人何してるんだ?」
「……そのうちわかるよ。多分」
「うん?なんだそりゃ」
女の子2人歩きながら、騒いでいます。宮町さんが、斎宮さんに、つんつん。でいいのだろうか。そんなことしています。まあ、理由は、先ほど何話していた?と、言う事なんですが――宮町さんそんなに、気になるのかな?
そんな感じで、結局駅まで来ました。駅に来る頃には、斎宮さん笑い疲れていて。宮町さんは、後で再追及。とか言っていたが……どうなることか。まあ、車内では騒がないようなので、それは良いこと。
電車は、ちょうど、12時32分発が止まっていたので、その電車に乗り。菰野駅まで移動。
花見はメッセージで言っていたように、斎宮さんが近くにいいところがあるというので。そこに行くことで決まっていた。
菰野駅には12時40分着。
そこから――コンビニに寄って、飲み物や食べ物を買いしばらく歩く。
しばらく歩くと、河川敷?でいいのだろうか。堤防の一部から、下に、降りれるところがあったので、そこから降りていく。先ほどから、見えていたが、桜が満開。いい感じに散って舞っている。
「すごい。綺麗だね」
と、宮町さんが言いつつ早速写真撮ってました。
でも、確かに、何本あるのだろうか。結構な本数があるし。あそこは――道?かな。そこも、両側に、桜の木があるのではないだろうか。少し風が吹けば、桜吹雪の状態だった。
そのため、すでに何人か。というか、結構な人が、レジャーシートとか敷いて、花見を楽しんでいた。
「あ、あっち空いてるよ」
と、宮町さんが、空いているところを見つけたので、そちらに移動。
「いやー、桜こうやって見に来るとか、なんか久しぶりだわ」
「うん、去年気が付いたら散ってたから」
「俺のところの高校めっちゃ桜あったから、高校時代は毎年教室から花見できたけどな」
「柊ところすごいね。うちのところもあったけど、そこまで多くはなかったかな。入り口に数本。みたいな」
柊と話しながら歩いていると……女の子2名に食べものとか持っているのだから、早く。という感じに呼ばれました。
それから乾杯。とでもいうのか。
まあ、お酒はまだのため……全員誕生日来ていません。ので、ジュース。そして、安定のコンビニ商品祭り。ホント、今のコンビニなんでもある。揚げ物とかも、すぐに買えるし。
そして、食べながらだが、結局、斎宮さんが宮町さんの攻撃に耐えかねて、
「もう白状しますー。楓くんに、4人で旅行行けるように予定考えてもらったのー。だから、はい、楓くんも含めて、今から日にち決めちゃいましょう。はい!」
と、言うことになったのだった。
「旅行?どこ行くの?沙夜ちゃん」
「それは、秘密。楓くんも言っちゃだめだよ?」
「あ、はい」
「俺、いつでもいいけどな。どうせ、春休みの残りは、何もないし。なければ、サークル顔出すくらいの予定だったから」
「私もとくに、何もないよ」
「私も。楓くんは?」
「特にないです。はい」
「じゃ、大学の授業始まる前に、行けたら行っちゃおう」
と斎宮さんの一声で決まりました。うん。決まったのだった。
「あっ、そうそう、3人とも、2日間ね」
「え。斎宮さん、予定的には……1日だけど……」
「だから、楓くんさっき見せたでしょ?あれ、使わないと」
「—―あー」
少し俺は考えて――先ほど、斎宮さんが見せてくれたギフト券を思い出した。
「—―なんか、2人怪しい動きしてるなー」
すると宮町さんがまた鋭く聞いてきたが――。
「いやいや、宮町さん、怪しいことはないから。ただ――秘密が好きなんだよ、斎宮さんが」
「ふーん。まあ、楓君が言うのだから。大丈夫かな」
「海織ちゃんから、楓くんは取らないからー」
「ホント、楓は、人気者だな。あっ、俺、2日間でも3日間でも問題なしな」
「……柊が一番平和に、でも、たまに、何かやってくれるトラブルメーカーだよ」
「そうそう、柊は、いつか浮気するから」
「確定かよ」
「去年でも、何回私が許してあげたことか」
「いやいや、あれ全部、沙夜が勝手に。だろ?」
「はいはーい」
ホントーーこの2人大丈夫だよね?これが普通なんだよね?
それからは、まあ、うん。宮町さんも納得したのか。ちょっと、4人で、桜並木?かな、そこをせっかくだから、ぶらぶら歩くことに、女の子2人は、写真撮りまくっています。たまに、俺と、周囲がカメラマン役にもなり。
まあ、俺と、柊も個人的に何枚かは撮った。周りもみんな結構写真撮っていたので、それにつられるように――いや、ホントキレイだからね。天気も良いし。
ぐるっと、というのか。まあ、しばらく回った後は、一度休憩。自販機で飲み物買ってきて座る。ポカポカというのか。ちょうどいい感じです。はい。
すると――。
「ところでさ。楓くん」
「うん?なに、斎宮さん」
「2人は、いつ付き合うの?いつ付き合うの?」
「は?」
斎宮さんがグイグイとこちらに寄ってくる。すると――。、
「もう、付き合っているようなもんだよね?楓君?」
「はい!?」
と、爆弾を落としたのは、反対側から寄って来た、宮町さん本人。いやいや、両側から来られたら俺、逃げ場ないじゃん。あっ、前があるか。って、動ける状況ではなく……。
「—―えっと――宮町さん?何言ってますか?」
「そうだったのかー。で、楓いつから。いつから?」
「柊、うざい。今私が聞いてる」
柊まで、斎宮さんの横から、なんか楽しそうに、突っ込んでくる。
「あの、そのような事実は、ございませんが――」
「うーん。流れでは、ダメか―」
残念がる宮町さんって――。
「……宮町さんいろいろと、恐ろしいことしないで」
「えー、違うの?」
と、斎宮さんが一気に不満顔—―いやいや、俺、何もしてないですからね。
「宮町さん……どうするのこれ」
「そこは、楓君が、うん。って、簡単に答えれば丸く収まると思うよ?」
「何を笑顔で、適当なことを言っているのでしょうか」
「えー。ダメかー」
宮町さん本人はとても楽しそうにしている。ナニコレ。ドッキリ?ワカラナイデス。
と、俺の頭の中がフリーズしかけていたら。
――もう1つ爆弾が落ちてきた。
「じゃ、楓くん。試用期間とかどう?絶対。2人は合うと思うよ?うん」
「斎宮さんも、いきなり、なにを言い出すのでしょうか……」
と、斎宮さんが言った言葉に対して……宮町さんが目を光らせた。と、でも言えばいいのか。何か思いついたような……悪い顔している気がした。
「そうだね。いきなりは、ダメだから。まず、練習から。お試しは、なんでも必要だよね」
「いやいや、宮町さんも、なんかおかしいですよ?あれ?俺が――おかしい?」
「楓。めっちゃ良いこと言われてるんだから、素直に受けるべきだろ。そこは」
「柊は、黙ることを要望します」
「なんか、楓も俺に対して厳しくなった―」
「まあまあ、楓君。いつも通りだから。私も、お付き合いしてます。の方が、周りから変なの来ないから」
「……宮町さんが、変なのに捕まっているのを見たことないような……あっ、海ではあったか」
「楓くん。早く、海織ちゃんの言いなりになることをお勧めするよ」
「……この雰囲気なんでしょうか――」
――結局。
「ほらほら、何も変わりないでしょ?今まで通り」
「……なんか、わからないまま……というのか。こうなったような……」
現在、お花見も終了して、柊と、斎宮さんと別れて、宮町さんとともに、菰野駅に、15時39分発の近鉄四日市行きの電車を待っている。のだが……なんか、居心地が……良いのか悪いのか。宮町さんは、ニコニコというのだろうか。俺の横にピッタリ。軽く服掴まれています。いや、嫌ではないんだけど……なんというのか。
「宮町さん、近くないかな?」
「うん。わざとだよ?だって、付き合っている。っていう、設定中だから」
だめだこりゃ。
笑顔すぎる宮町さんに、ほぼ確保された状態でした。にしても、なんで、そんなに、ニコニコしているのでしょうか。って――普通に、付き合ってるとか宮町さん言ってますが。どうなるのこれ?え?だった。
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