第45話 元気少女の誕生日 ~11時48分着ケーキ運び~

春休みに入ってすぐ。

雪が積もりました。大雪ではないが朝起きたら一面真っ白。久しぶりに銀世界とやらを俺は見ました。


ちなみに、初休みになったのに、実家に、帰っていないのは。1月の最後に、予定があるから。4人の中で、一番誕生日の遅かった。いつも基本、元気少女さん。斎宮さんの誕生日。試験が、終わった後からか、メッセージのグループの場所で、プレッシャー……圧力が始まってました。

斎宮さんから「誕生日、楽しみだなー」と、いう。短い文章だが、これはこれで。忘れるなよ。アピールが強かった。ちなみに、2月5日。が、斎宮さんの誕生日だが。誕生日会は、みんなの予定上。当日は、予定が合わなかったので、1月の最終日に行われることに。


宮町さんが、主に考えてくれたので、宮町さんの指示により、俺と、柊が動くという感じ。大学も休みなので、準備は、しやすかったが。ちょっと、当日まで、日にちが、なかったので、役割分担で、3人は動いていた。

プレゼントは、宮町さんに、俺と柊が、頼むという形。柊は、食べ物の調達。俺は、ケーキ担当。ということになっていた。ちなみに、食べ物担当でもよかったが。ケーキ担当は、自ら希望した。というか、食べ物担当より。斎宮さんが、喜ぶであろうケーキのお店を、すでに知っているので、そこで、買えばいい。と、考えていたから。ちなみに、すでに予約済み。当日取りに行くだけ。


斎宮さんの、誕生日会は、柊の部屋ですることに。斎宮さん曰く。柊の部屋なら散らかしても問題ないからと……柊、あとで、片付け頑張れ。散らからないようには……するが。どうなるかは、わからないから。


――――。


当日は、雪が降っていた。

今年は、このあたりでも、雪が珍しく多い方らしい。

冬休みということもあり。誕生日会の開始は――お昼からとなっている。


俺は午前中に、ケーキを受け取ってから。柊の家へ行く予定だ。

あっ、そういえば、危うくミスしかけたこともあった。大学が休みになり。曜日感覚が、怪しくなりだしていたみたいで、昨日の夜、電車の時間を、確認している時は、時刻表開き、平日ダイヤを、見ていたが。今朝、起きて、テレビ見ていたら、今日は、休日。つまり、休日ダイヤでした。と。まあ、偶然か。乗る電車の時間は、平日、休日ともに、同じだったので、問題はなかったが。危ない危ない。ケーキが遅れたら、斎宮さんに、何を言われることか。


11時前くらいに、家を出発。雪が降っているので、予定より、気持ち早めに、家を出た。

伊勢川島駅。11時10分発の湯の山温泉行きの普通は、定刻通り。

そこから少し電車に揺られて――今日は桜駅で下車。

そう、以前、斎宮さんと、行ったお店のケーキを、頼んでおいた。あの時、斎宮さん他のも食べて見たそうだったから。多分、大丈夫と思うのだが。11時17分桜駅到着。少し歩いてお店へ。買うのに、少し時間はかかったが。まあ、開店してすぐ。と、いうのと、お昼の時間だから、少し待つのは、予想していた。

無事に、予約したケーキを手に入れ。また、桜駅に戻る。どうも、雪は、やむ気配はないらしく。ずっと降っている。道などには、まだ積もってないが。草や土のところは、ところどころ白くなっている。


桜駅から、菰野駅までは1区間だが、歩くのは……なので……まあ前に歩いた気がするが。11時44分発の湯の山温泉行きの普通を待つ。


――寒い。待合室というのがないので電車が来るまで柱などに隠れていても……風や、雪は当たる。うん。寒い。

それから10分ほど、俺は雪と風の攻撃を受けながら駅で待機した。


――11時44分。やっと電車が来た。

車内は――そこまで暖かい。というわけではないが。外と、比べると天国。暖かい。まあ、乗っている時間は、たった4分なのだがね。

11時48分。菰野駅到着。なんか、降る雪が、強くなってきた気がする。

電車から降りたら、やはりだが、また、風と雪が、ぶつかってくる。こういう時は、足早に、柊のところに向かいたいが。ケーキを持っているため、慎重に、急がず。普通に歩く。そして、今までに、何度か来ている友人宅へと。


「お、楓遅かったな。沙夜がキレるところだったぞ。って、雪まみれだな」

「雪、結構降って来た。って、確か。事前に言って、あったはずだけど……これより早いと、店が、開いてないから。あと、そんなに電車ないからね」

「まあ、そうだな。1時間に、2本だし」

「まあ、まだ、2本もあるって思った方がいいかもだけど」

「あ、楓君。雪まみれ。私のタオル貸すよ」

「あ、ごめん。ありがとう」


柊の家に行くと、柊と、宮町さんが出てきてくれた。準備の良い宮町さん。タオル片手に出てきてくれたので、タオルを借りる。そして、奥からは、「あ、ケーキの入場?入場だよね」と、いつもの声が聞こえてきて、斎宮さんも登場。


そして、俺の持っていたケーキを見て――。


「あ!これ、あの時のお店の?そうだよね」

「うん。前に、他のも斎宮さん、食べたそうにしていたから……どうかなって思って。このお店にしたんだけど……」

「さすが楓くん!よく見てるね」

「なんか、俺の知らないところで、沙夜と楓が、盛り上がっている」

「いやいや、柊がクリスマスに、斎宮さん放置するから」

「……うん?あー。そうだそうだ。俺サークルかなんかで、沙夜にクリスマス無理だわ。って、言った、あの時か」

「クリスマスに、予定入れてる人がいるんだよねー、ここに。私の横に」

「すごいだろ?」

「褒めてないし。バカじゃないの」


――今日も2人は、仲良しです。はい。柊が一発叩かれてました。


「何気に、沙夜ちゃん楓君をよく捕まえてるよね」


すると宮町さんが会話に入って来て――。


「なっ……海織ちゃんに、マークされている――」

「してないよ。楽しそうだなー。って。楓君。もちろん次は、私も連れて行ってくれるよね?気になるなーそのお店」

「ほほー。楓。相変わらずだなー」

「……そろそろ、玄関から中入らない?4人で、ここは狭くない?あと、宮町さん。考えておくから。うん」

「約束ね」


何故か、玄関で、少し話すことになったが。それから、部屋に入ると、CMなどで、よく見るチェーン店のピザの箱があった。柊は、ピザを買って来たらしく。部屋は、ピザのいい匂い。


「さあ、楓も来たし。食うか」

「賛成―」


なんか。こういうのいいな。机いっぱいにピザや、サイドメニュー。で、みんなの飲み物があって、各々が、好きなもの食べていく。


「あ、そうだ、楓くんに、お礼まだ言ってなかったね。海織ちゃんと、柊には、さっき言ったんだけど。プレゼントありがとう」

「あ、いや、そういえば、プレゼントは、宮町さんに、完全にまかせちゃったから……って、もう渡してあったんだ」

「いや、あのね。私が持って、ここに来たら、すぐに、沙夜ちゃんが、気が付いて、開けちゃってね」

「沙夜に、待つは。ないからな」

「なんかー。2人に、子供っぽいって、言われている。気がするんだけどー」


そういえば、斎宮さんの荷物?と、思われる場所に、ラッピングされている袋があった。


「宮町さん。ちなみに、何買ったの?」

「あ、そういえば、何買ったか、言ってなかったな」

「全部丸投げで、すみません」

「いいのいいの。みんなで、分担しよう。って、言ってたんだから。それ言ったら、私も楓君に、ケーキ丸投げだよ?」

「まあ、食べ物担当の俺もだな」

「そっか」

「ちなみに、買ったのは服ね。前に、沙夜ちゃんと出かけたときに、欲しい欲しい言っていたのが、あってね。予算的に、私1人で買うのは――だったけど。楓君と白塚君の予算も、使えたから。ピッタリ買えたよ」

「いいお値段だったから、その時は、やめたんだけど。まさか、プレゼントでもらうとは、思ってもなかったからね。ありがと」


などと、話している間にもピザが消える。

相変わらず早いな。と俺は思いつつ。ポテトをつまむ。皮付きポテト。これ、美味いんだよな。って、1人思っていると。宮町さんが、勝手に頭の中のことを読んできたのか。偶然か――。


「私、皮付きのポテト好きだなー。楓君は?」


と、同じくポテトを、一口食べた宮町さんが、話しかけてきた。


「え、あ、うん。俺も、皮付きの方がなんか好きかな。あと、細いやつよりこういう太いやつ?これがなんか好きかな」

「あ、わかる。私も。こっちの方が、ホクホクしてる。っていうのか。好き」

「いや、細いのも良いと思うぞ?あれ、ずっと食べてれるし」

「太い方の方が、美味しい」

「……なんでポテトで、言い合いが始まるのか――」

「楓が、男側に、付かなかったからだな」

「なんで、そうなるんだよ」


いろいろ、話しながら、結構楽しみました。


そして、そのあとは、斎宮さん。お待ちかねのケーキ。前に、斎宮さんと行った時は、確か、売り切れで。プレートしかなかったケーキにした。記憶が合っていればだが……これなら、食べたことないはずだから、喜んでもらえるのでは……と。お店の時も、特に嫌いなものはないみたいに話していたので、フルーツがふんだんに、使われているものにしてみたのだが。どうだろうか。実は、買ってから、これで良かったのだろうか。と、結構気にしていたが――。


「おお、楓くん。良いセンス。私が食べたいの、当ててくるねー」

「—―よかった」

「うわー、美味しそう。あと、とてもきれいなケーキだね」

「でしょ、ここのめっちゃ美味しいから。海織ちゃんも、楓くんに連れて行ってもらいなよ」


女の子2人、目が輝いています。そして、一瞬撮影会が行われてました。すると、スマホをしまった、宮町さんがこちらを向いて――。


「楓君。楓君。さっきも言ったけど、私もここ、連れてってよ?実物見たら、さらに、行きたくなったから」

「……はい。財布が……軽くない時に……」

「大丈夫だよ?ちゃんと、私も払うからー」

「海織ちゃん、そこは、奢ってー。でしょ。あ。私、誕生日だから、大きくもらいまーす」

「おい、沙夜。普通に4等分でいいだろ」

俺が、また財布が、軽くなるのかと、心配している前では、柊と、斎宮さんが何やら楽しそうです。あ、宮町さんも、なんか楽しそうに、こちら見てました。


「今日の主役私!」

「ちょ、フルーツ全部持ってこうとするな」


今日も、このメンバーみんな楽しそうです。はい。

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