第44話 学年末試験 ~2度目の8時21分到着必須~ 

三が日が、終わると、大学は再開。まだ、お正月気分だったのだが……早めに切り替えないと、今月末には学年末試験である—―。

講義は、お正月休みなんか、関係ない。と、言わんばかりに、年末の最後に、した講義の続きというのか。その流れで、始まった。再開初日は、昼休みまでで、十分疲れました。


「なるほどね。そういう意味だったか。あの返事は、いやー、いなくてよかった。楓。おつかれ、おつかれー」

「—―元気だったよ。2人とも」

「だろな。沙夜なら、馬鹿みたいに、元気だろうとは、思っていたが」

「柊は、平和な正月。だったみたいで」

「いやいや、初詣は、やばかったな。親戚が、集まるとかで、一緒に、行ったけど。まあ、すごい人。何をするにも、どこ行っても、すごい人。そのあとは、豪華な、おせち食えたから。チャラだけど」

「楽しんでるし、いい正月じゃん」

「まあ、楓よりは、振り回されては、ないか」

「ははは……」


すると、後ろから声がした。


「誰が、振り回したって?」

「あー、沙夜おつかれ、宮町さんも」

「おつかれ様。白塚君。楓君もおつかれー」

「あ、うん。おつかれ」

「で、誰が、振り回したのかなー?柊」

「なんも、言ってないから」

「おかしいなー?はっきりと、聞こえたけどなー」


大学内の、いつものベンチに、久しぶりに、4人が、揃いました。と。


「何、話してたの楓君?」

「え?まあ、お正月のことをね」

「楽しかったよねー。また、出来ると良いね」

「寝る時は、ちゃんと、寝ようね」

「あ、だね。1日だけだったのに、感覚戻すの大変だったー」


再開の日の、お昼は、こんな感じに。いつも通りの雰囲気だったが。それからすぐに、試験発表の日がやって来た。


「やっば。楓ー。この日の、ノート見せてくれー」

「いやいや、柊。講義違うから」

「あー、そうか。沙夜―」

「私も、違うから」

「だよな。宮町さんも……」

「うん、違うね」

「サークルに、誰かいたはずだから、頼んどくか」


こういう時、友人多いとやっぱりいいなー。とちょっと俺が思っていると。

斎宮さんが隣へと寄って来た。


「楓くんー。試験のレポート書いた?」

「斎宮さん。その白紙のレポート用紙をそっと近づけないで」

「—―バレたか」

「楓君。大人気だね」

「こっちは、こっちで大変なんだけど……」


試験発表があってから。数日後の休み。柊の部屋にて、各自が、いろいろやっています。というか、柊と、斎宮さんが、出来るところは、一緒にやろう。と、この勉強会?みたいなのが、始まったが。集中している。というより――にぎやかです。いろいろと。


「楓ー、レポート代わりに……ちょっとでいいから、アイデアをー」

「ちょ、私が先だから。楓くんのお助けは」

「2人とも……自分でしてください」

「やっぱり。大人気だね。楓君」

「宮町さんもなんか言ってよ」

「見てるのも楽しいよ?」

「—―ダメだこりゃ」


柊と、斎宮さんの、お助け回数が、多い気がしたが……まあ、何とか、なるだろう。こちらも、講義数が、前期と同じく、多い為。レポートと、試験対策両方をしているので、結構忙しい。が、2回目となると、レポートは、こんな感じで、というのがわかるので、前期よりは、早く進んでいる気がする。

宮町さんは、ところどころ会話に入りつつも、着実に自分の範囲を、終わらしている感じがする。うん。間違いない。


「楓ー、ヘルプ」

「だ・か・ら。楓くんは、私が、先にしてもらうの。何回言ったらわかるんだか。柊は」

「あの――お2人さん。もめている間に、自分で、少しでもできると、思うのですが……」

「楓君に、2人とも助けてほしいんだよ」

「そうそう。楓に聞けば、間違いない」

「そうだよー。一番講義真面目に聞いているのは、楓くんだからね。何度6限の、あの眠さの講義。助けてもらったことか……うんうん」

「普段、助けてもらってるなら。こういう時。俺が、優先になるんじゃないか?」

「なんで、柊、優先になるのよ」

「あの……宮町さんに、聞くというのもあるかと。多分、宮町さんの方が、真面目に講義受けて、今、この瞬間も、レポートとか、唯一ほぼ完成させてるかと、思うのですが……」


結局このような感じの勉強会というか。主に、柊と斎宮さんのレポートヘルプ。は、2回テストまでにありました。2回目ホントレポート手伝いで終わった気がするが。俺、自分の大丈夫だろうか。


――――。


学年末試験当日。


「—―忘れものなし。と」


前期の時と同じく。普段の1限の講義に、行く電車より、1つ早い電車に乗る。

08時04分発の湯の山温泉行き普通は定刻通り――伊勢川島駅へとやって来る。

そして、もう当たり前だから……触れなくてもいい気がしたが。触れないと怒られそうだったので、一応……。


「—―おはよう。宮町さん」

「やっぱり、楓君も、1つ早い電車だね」

「まあ、余裕を持って、前期と、同じようにね」

「沙夜ちゃんも、乗って来るかな?」

「多分、乗ってきそうだけど……」


今日も、何も話していないのに、宮町さん。俺の乗る電車に乗ってきていました。そして、菰野駅からは、柊と斎宮さんも乗ってきましたとさ。


08時21分。湯の山温泉駅に到着。高校生に、紛れつつ。4人で、大学へ。


「これ終わったら、2か月くらい、休みだよね」

「そうだね。春休みが、長いって、書いてあったからね」

「この寒さの中、大学来るのも……あと1週間……早く終われー」


大学に、行く途中。奥の方に見える山は……頂上あたりが、白くなっている。今のところ。このあたりは、まだ、積もるということはないが。それでも、初雪は、すでに見ている。実家の方だと雪見るとかかなり貴重なこと。その貴重だったのを――早々と、こちらでは見たのだった。


「スキーしたいなー。なあ、楓?」

「柊。今から一応、試験だから」

「だよなー。早く終わらないかなー。遊びたい」

「まあ、後1週間だから」


今日も、冷たい風に、吹かれながら、4人講義室へ。

そこから、1週間。学年末試験が行われた。個人的には……多分、大丈夫。持ち込み可の科目は……大丈夫。暗記が必要だったのは……微妙なところもあったが、出来るだけのことはした。

長いようで、短い試験期間も、先ほど、最後の科目が、無事終わり。チャイムが鳴ったところ。


「最後の科目。結構、時間ギリギリだったよー。楓君は、どうだった?」

「問題数が、あったからね。まあ、宮町さんでギリギリだから。そりゃ、俺しんどかったわけだ」

「楓君なら、大丈夫じゃない?」

「いやいや、マークシートは――怖いから」

「1段ズレたとか?」

「そうそう。それ、あると、終わりだから」

「試験終了間際で、気が付いたら、悲惨だよね」

「パニックだろうね。むしろ、終了間際なら、気が付かないままの方がいいかも。もう」


試験終了後。宮町さんとは、一緒だったが。他の部屋の2人が、違う部屋だったので、2人を、待っているところ。


「おー、いたいた。おつかれ」

「おつかれ、柊。どうだった?」

「勘は、当たるはず。最後、勘だわ」

「……大丈夫そうで」

「え?それ大丈夫なの?」

「柊は、何か持ってるから、大丈夫でしょ」


柊が来てから少しして……。


「寒い。寒い。あ、もうみんないる。お待たせ」

「沙夜ちゃん、おつかれ様。どうだった?」

「いい感じだよー」

「なんだと……俺が勘で沙夜がいい感じ!?」

「そりゃ、私、頑張ったから」

「いやいや、沙夜。前日まで、楓と、宮町さんに、ヘルプしまくってただろ」

「まあ、2人優しいから、って、柊もじゃん」


などなど、試験中も……結構にぎやかに、勉強会やら、だった気がするが。試験が終わった今。何かから、解放されたみたいで、いつも以上に、にぎやかな気がします。


ちなみに、レポート試験の方も、すでに、終わっており。こちらは、規定通りのことはできたと思う。2年次は、出来るだけ、レポート試験の科目探そうかな。とか、この時は、思ったりしていたが――。

とりあえず試験も終わり。

提出物も終わり。


……長い春休みに入りました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る