第8話 往復 ~8時23分発、稀に09分発。17時35分着~

宮町さんと出かけた休日。買い物からしばらく。

大学生活は無事進んでいるので近況報告。


講義も何回か出てやっとなんとなくだがやり方。進め方も理解してきた。

高校の時とかと比べると。うまくは説明できないが。今まで、小中高では課題。問題などを与えられていたというのか。一方大学は自分で課題。問題を見つけるとでもいうのか。なんか今までと違うんだな。というのはやっと感じ出した。まあざっくりだが。自分で決めることが多くなった気がする。


その1つというのか。大学は自由といえば自由な気もする。講義も出たいか出たくないかは自分次第。高校の時のように出席日数が足らないと進級ができない卒業できない。ではなく。中には出欠を毎回とる講義もあるが。出欠をとっていない講義では周りを見ていると、授業はじめ前などに、あとでノートよろしく。などの声が近くで聞こえてくるようになった。バイトやサークルメインの人もいるのだろうと。

ちなみに余談。今のところ俺は選んだ講義は皆勤である。ちゃんと理解できているかは別であるが……。


あと、ちょっと驚いた事。というかびっくりしたのは、テキスト。

分厚い。重い。地味にいいお値段。

少し前に、テキスト購入日?まとめてテキストを購入できる日があったのだが。

その日はまあ大変だった。

受ける科目が多いということは、それだけテキストも多くなる。

テキストのない講義もあったが。使うところは2、3冊あった。


あの日ほどエコバックというのか。もう一つカバン持ってくればよかったと。

紙袋に入れてもらえたが、どうも心もとなく。破れるのではないかと。特に持ち手が。

あれでもし天気が雨だったらと思うと……。

来年からは注意しようと決めた。

あと。もう少しテキスト代安くなりませんか?と、言いたい。

あれよく見ると何人かの先生は自分で書いている本だったような。あれで収入があるのだろうか。

まあ、それはいいが。優しいお値段を希望する。


と、そんなことあり。今は基本大学と家の往復がメイン。特に何かがあったとか。出かけるというのも今のところなかった。というか、講義を詰め込んだ自分の責任でもある気がするが。ほぼ大学生活。


ちなみに、ちょっと言っておくと。

やはり俺はストーカー、ストーキング?いや、付きまとわれてるというわけでもないが。いや付けられているのか。偶然か。


何もない中で、宮町さんとよく大学内では行動をしている気がする。いや、偶然と思うが、よく一緒になるというか。

向こうからくるというか。なんと言えばいいのか。


会うときは、朝の電車でも宮町さん会い。

講義もなんやかんやで結構な確率で同じ科目をとっていたみたいで同じ。だからかそのまま講義終わりにお昼も自然と一緒に食べている。


この前も、週1回ある講義。一番初めに柊と会った講義で柊に。


「最近、宮町さんとよく一緒じゃん?ちょっと噂になってたぞ。宮町さんとよくいるあの男の人どういう関係って。いいなー。楓。人気者で」


とか恐ろしいこと言われた。いやいや噂って何。と。

柊は楽しそうに話していたが。個人的に、このそれなりの規模のある大学で噂とか。かなり困るのですが。

と、いうことがあったり。


そういえば、柊はあれからいろいろなサークルに顔出し。いろいろとつながりを作ったらしく。

講義とかで一緒だと、よく話かけられているところ見る。

まあ俺はというと、連絡先でいえば3人から増えてないが……。

いや、3人もいるである。


にしても、宮町さん的に俺との噂はよいのだろうかと思ったが。それでも宮町さんは変わらずよく隣にいる気がする。気にしてないのだろうか。

なお、斎宮さんだけちょっとだけ取った講義が違うのか。会わないことはないが講義ではあまり一緒にならない。お昼とか放課後は一緒になるが。

本人曰く。


「大学の陰謀だー。私だけ仲間外れにされてるー」


と、笑いながら言っていたが。


まあ、一緒の時は一緒。というか。休み時間とか空きコマで、斎宮さんよく宮町さんといるから。その宮町さんが俺といれば、斎宮さんも基本いる。で、そうすると、柊も集まると、そんな感じになっている気がする。

つまり普通に目立つ女の子2人と、イケメンさんいれば。まあ目立つよね。と。

俺大丈夫かな。場違いじゃないかなー。と。ちょっと心配の最近。


けど、時間は止まらないので、いろいろとありながら過ぎていく。


今日も朝から講義室に。

いつも通り朝の列車に乗り大学に来たが。

今日はいつもとちょっと違う。


電車の中も空いていたが、講義室も空いている気がする。

理由としては、今日は本来は祝日。

世間ではゴールデンウイーク中。なのだが。講義日の確保のためかこの大学、祝日の日に何日か講義日がある。今日もその1つ。


なので、時刻表を見てみると、少し平日と時間が違ったため、早い方と遅いほうどちらでも間に合うが。たまにはと、起きていたこともあり。早い方で行くかと、早い電車で大学まで来た。

ちなみに高校はちゃんと休みらしく。高校生がいなかったので、はじめて朝の大学行く電車で座ってきた気がする。


「あ、楓君もういる。おはよう。今日は早いね」


座って待っていたら隣にいつもの声が聞こえた。


「おはよう。休日ダイヤだったから早いほう乗ってきたから。ちょっと早く着いた」

「だから、電車の中いなかったのか。楓君も休日はさぼるのかなとか思ったけど」

「まだ一度も休んでないんだけど……」

「あ、そうだね。私もまだ休んだことないけどね」

「ちなみに、柊は寝坊したから朝の講義よろしくってさっき連絡あった」

「休みだからね。沙夜ちゃんは来るかな?」


もう当たり前というのか。講義始まる前の宮町さんとの会話。

普通なら講義が始まる前くらいにあとの2人も同じ講義の時は来る。

ちなみにこの講義は4人がそろう講義の1つ。


すると、噂をするとなんとやらか。


「あー、なんで休日。それも、ゴールデンウイークに講義あるのー」

斎宮さん登場。宮町さんの横に座る。

「おはよう沙夜ちゃん」

「うん、あれ?柊は?まだ来てない?今日まだ会ってないんだよね」

「寝てるみたい。楓君ところに連絡あったって」

「あー、柊。さぼりだー。私頑張って来たのに。あの時まだ家にいたのか……」


などなど隣は楽しそう。というかこれが目立つのか。

目立つよな?普通に美少女2人といるという時点で。

などと思っていると、いつもの先生いつものように時間ぴったりにやってくる。


それから90分の講義が始まる。

それから部屋を移動して90分。

昼があって、1限90分。空いてからの90分が今日の時間割。


2限までは宮町さんが一緒。3限は空きコマ。4限は1人だ。


ちなみにお隣の2人講義中は、結構真面目というか。おしゃべりなしのレベル。

で、終わったら斎宮さんがバーッと話し出す。がいつもの流れ。

柊は、今日はいないが。要領がいいというのか。たまに休むがちゃんと翌週には理解しているという。もしかしてこの3人高校時代かなり成績良かったのでは、と最近感じている。ちなみに俺は中間をただ走るみたいな。高校時代でした。


そして、お昼休み。


「あ、ねえねえ、海織ちゃんって実家帰ってる?」

「えっと、こっち来てからはいろいろあるから連絡するくらいかな。近いんだけど、なかなか行けない。時間ないって感じかな」

「そっか。私のところは一度帰ってこい言われてるんだけど。どうしようかなーって」

「時間あるならたまには帰りたいけどね。ご飯作らなくていいから」

「あ、わかる。一人だと作るのなんか面倒な時あるよね。で、結局簡単なのになる」


これは俺の横にいる2人である。

宮町さんとはいつも通りというか。2限が同じだったので、そのままの流れで一緒にいたが。

お昼休みになるとすぐに斎宮さんも再度来て、いつものベンチに3人で移動し。お昼となったのだが。

女2に男1会話がない。というか楽しそうに話す2人に入れないというか。

こういう時柊もいると話し相手というか何とかなるのだが。

よくよく考えたらこのパターンは初めてか。

どうしたものかと。特に行くところもなく。今のところ会話にも……と、思っていると。


「おっ、いたいた。やっぱりここだったか」

「あー、柊ー。もうお昼だよー」


柊登場。

それに斎宮さんがすぐに反応していた。俺的には、救いだ。と思っていると。


「楓―。午前中のノート見せてー」

すぐにこちらに来た。隣で無視したー。と斎宮さん騒いでますが……いいのかな?

まあ、とりあえず俺は……。


「こんなんで良ければ」


午前中の柊と同じ講義の、ノートを見せる。


「ほんと祝日に講義とかおかしいよな。いや、助かる」


スマホ出しノートを撮っていた。すると。


「そういえば、海織ちゃん誕生日っていつ?」

「え?6月だけど」

「えっもうすぐじゃん。なんかお祝いしない?」

「お、いいね。楓ももちろん参加するだろ?」


なんか唐突に、誕生日聞きの会話が始まった。

さっきまで実家に帰るやら話してなかったかい?お2人さん。

そして、さらっと、その会話に入れる柊、何者……。


「ちなみに、俺は12月17日な」


柊は聞かれてもないが言っていたので……。


「はいはい。覚えてたらねー」


斎宮さんに軽く流されていた。すると宮町さんが。


「沙夜ちゃんは?」

「私2月なんだー。めっちゃ先。だから、海織ちゃんの誕生日で、ケーキを食べよう!」


もしかして、斎宮さん甘いもの好きなのかなと。

確か、この前宮町さんが送った言ってたパンケーキ?の画像にも食いついてたし。

と、思っていると。


「沙夜は、甘いもの好きだよなー。この前もコンビニで買いまくってたし」

「な、あれは、海織ちゃんが食テロ。スイーツテロしてきたからでー」

「あー、あのパンケーキ?」

「そうそう、あれどこにあるの?めっちゃおいしそうだったー」

「四日市の駅近くだよ」

「今度行こう!」

「うん、行こう」


と、話していたのだが。ふと、斎宮さんが。


「そういえば、あの時、海織ちゃん、誰かと行ったの?」

「えっ?」

「だって、写真に、反対側の机にも、お皿置いてある感じだったから。もしかして……彼氏?彼氏?」

「ち、違うよー。あれは……」


宮町さんこちらを見るので……って、それはバラしているではないのかい?

宮町さんよ。2人の視線も俺に来たじゃん。


「もしかして楓くん?」

「おっ、楓、やっぱり」

「ちょちょ、待て、待て。ただ買い物行ったら会っただけで」

「そうそう、で。あのあたりはじめて言ってたから、いろいろ場所教えてあげたりした後に、どうせならって、帰りにお昼食べたんだよね」

「ま、まあそういうこと」

と、話したのだが。

「へー、へー」

「ふむふむ」


柊も斎宮さんも楽しそうにうなずいているだけなのだが……。

と、思ったら、宮町さんも、なぜか、笑っているというか、普通に笑顔。

あれ?うーん。どうなんだろう。俺がなんか感覚おかしいのか。うーん。


と、ちょっと少し前の休日の行動が2人にばれた後は、

いろいろ雑談になり。

雑談に入りながら、柊はノートの写真撮りやら。それが終わったら、ちょっと売店と。講義で配られた資料の印刷に行った。


で、柊が印刷に行ってるとき。


「あ、そうだ、楓くん。楓くん」


と、斎宮さんが話しかけてきた。


「なに?」

「今って時刻表持ってる?」

「いや、さすがに、最近は持ってないよ?っか、あれは、事故というか、たまたまで」

「なんだー、じゃあ、調べてほしいことあるんだけど、いいかな?」

と、スマホの画面を見せてきた。

「これ、実家に帰るときに乗る予定の電車なんだけど。楓くん的にどうかな?」


と、乗り換え案内のアプリ?を見せてきた。


「えっと、どうとは」

「これアプリで見ると、10時08分に菰野駅。あ、知ってると思うけど私の最寄り駅ね。で、奈良の榛原ってところまで乗るんだけど。そしたら、4つも出てきて、どれがいいのかなーって。そのうち2つはなんか同じ時間に出て同じ時間に着くのに乗り換え回数が違うとか出るから、せっかく詳しい楓くんがいるから意見をと思ってね」


スマホを見せてもらうと。確かに乗り換えの回数や金額が違うのやら4つ出ている。見てみると。


「あー、そういうことか。榛原駅だから、名古屋発の特急は止まらないからね。あ、特急使ってもいいの?」

「うんうん。帰るときは、支給されるからね」


斎宮さんピースサイン。いや、はい。かわいいです。

斎宮さんの見ていた時間では……。


休日ダイヤ。10時08分に、菰野駅を出るのは同じだが、そのあと四日市からの乗り換えが違うというものだった。


1つは四日市からは特急で一度乗り換え伊勢志摩方面からの特急で榛原まで。

2つ目が、四日市から急行。途中特急。また急行と3回乗り換えるもの。

3つ目は、急行で行き。途中で特急乗り換え。

最後が急行のみ。で最安値で行けるというもの。


「まあ、特急使ってなら、1番目が一番早いし。乗り換えも少ないから楽だと思うけど。2つ目と3つ目は途中乗り換えで結構待ってるか。急行で少しでも先まで行くかの違いかな。特急区間が短くなるから値段は安くなるけど。4つ目は特急乗らないから安いけど」

「急行だけの安いけど1時間以上ほかより時間かかるからね。それはしんどいかなー」

「待ち時間も長いよ。乗り換えの」

「あ、ほんとだ。見てなかった。ってことは、1番目のルートが一番?」

「うん、多分乗り換えもスムーズだし乗り換え回数も少ない方だから。ちなみに四日市、伊勢中川間は伊勢志摩ライナーだね」

「あ、あの黄色い電車?」

「そうそう、赤も今はあるけど」

「それもいいなー、あまり乗らないからちょっと乗ってみたいし。よし。じゃあ楓くん推薦のにしよう」

「推薦というか。アプリの一番早いってやつだけど」

「いいのいいのー」

話がちょうど、まとまった時に、柊が帰ってきた。

「楓―。サンキュー」


プリントが帰ってきた。で、柊は、次は、斎宮さんに、何か見せてやら、頼んでいた。

すると、宮町さんが。


「やっぱり、楓君は、鉄道の話は、スラスラ出てくるね」

「そ、そう?」

「うん。見てて楽しそうだったよ?あ、そのうちみんなで、楓君の考えたプランで旅行とか楽しそうだね」

「え、えっ?旅行?」

「そうそう、楽しいと思うよ?」

なんかとんでもないことになりそうな気がしていると。

「あ、そうだそうだ。忘れてた」


柊が何かを思い出したらしく。俺と宮町さんを呼ぶ。


「楓と宮町さん今日の講義って4限終わり?」

「俺は4限までだけど」

「私も4限だよ」

「じゃみんな同じか。ちょうどいいや。2人も都合よかったら今日うち来ない?沙夜はいるよな?」

「うん。いるよ」


ただ大学と家の往復のくりかえしと思っていたら。

突然、大学入学後初めての友人宅訪問のお誘いが来たのであった。

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