第9話 最寄り駅 ~11時21分着友人宅~

4限目が終わる。

それから駅向かう途中で、再度4人は集まった。

ちょっと講義が長引いたので。俺がすこし遅刻気味。一番最後に合流した。


「お待たせしました」


と、合流で、なぜ集まったかまだ分からないのだが。

まあ、柊の家に行くというのはわかっている。


「で、柊。なんかあるの?柊の家なんもない気がするけど」

「なかなかひどいこと言うな。沙夜は、いや、まあないときはないけど。まあ、それは着いてからで」


と、柊と斎宮さんが話している後ろを宮町さんとついていく。


「なんだろうね?」


隣を歩いていた宮町さんにも聞かれたが、

まあ俺もわからないので。


「全くわからない。何かはあるんだろうけど」


と、返すしかなかった。

それより友人宅とか久しぶり?小学生のころ以来かな?とか思ったりしていた。


それからいつもの坂道下り。この道もだいぶ慣れてきた。

駅到着。ちょうど17時17分の電車があったのでそれに乗る。


柊と斎宮さんの最寄り駅。菰野駅着は17時25分。数分の移動。

で、確かパン屋さん来た時に、アパートの場所教えてもらった気がするが。はっきり言うとあれ以来菰野駅降りてないので、あやふやなので、2人に付いていきアパート到着。


「ここの1階」

「柊。ちゃんと片付けてる?」

「いやいや、きれいだから、なんでいつも汚いみたいな言い方なんだよ」

「私行くとき結構いろいろ出てる気がするけど?」

「それ沙夜が置いていく物な」


そういえば、いまだにちゃんと聞いてないが、この2人は付き合っているのだろうか。なんか、今の会話的にも、よく出入りしているのはわかるが……。


「あ、どうぞどうぞ、楓に宮町さんも。狭いけど」

「あ、うん」

「お邪魔します」


柊と斎宮さんの後について、柊の家に入る。

斎宮さんが言っていたからどんなのかと思ったが。普通にきれいでシンプルなモノクロでまとめられている部屋だった。

部屋の作りは自分の部屋と似てるかな。やはり下宿とかに使われるところは似ているのだろうか。

で。なぜ呼ばれたか。気になっていると。


「いやさ、実家からケイちゃんが大量に着てさ。みんなにも食べるの手伝ってもらおうと思って。冷凍だからほっといてもよかったけど、小さい冷凍庫こればっかあってもだから。親睦会みたいな感じで、よろしく」


柊が言いながら冷凍庫からなんか真空パック?なのか。袋にケイちゃんと、書かれている。のが1つ、2つではなく。なんか……出てくる出てくる。冷凍庫にパンパン状態。


「どうしたのこれ?たくさん」

斎宮さんも知らなかったようで、冷凍庫一緒にあさっている。

「いやさ、この前帰った時に、最近食べないから。とか言ったら。少し前にクール便で大量に来たんだよ」

「何人分あるのこれ……」

「10人分弱じゃないかな?」

「多すぎでしょ」


斎宮さんが言っていたが、まあその通りだと思う。1人暮らしにどうしてその量と。


「楓は、ケイちゃん知ってる?」

「あ、うん。食べたことある」

「やっぱ近いから知ってるか。宮町さんは?」

「知ってるよ。何回か食べたこともあるし。それ美味しいよね。この量は初めて見たけど」

「また、私だけ知らないパターンじゃん。何?ケイちゃんって。何?見た感じ……なんか肉っぽいけど……」


と、斎宮さんが柊に聞いていた。


まあ簡単に言えば鶏肉がタレにつかっている。

それを野菜とかといっしょに炒めて食べる。かな。

実家でもたまにスーパーやらで買って食べた記憶がある。

本場ではわからないが。スーパーとかで見たことあるのは、今柊の家に届いたという。鶏肉とタレがすでにつかっていて、袋に入っているもの。


ということで。


それから、柊の部屋の真ん中にホットプレートを持ってきて、

カチコチに、凍っているケイちゃんの袋は流しで水に浮かべている。


俺と宮町さんは柊の家の配置を知らないのと、柊にお客さんは座ってて、やら言われたので。

準備する2人を見ているという状況。


「で、野菜は?」

準備している途中に、斎宮さんが言うと。

「あ、ない」

「ちょっ、肉だけ?もー、うちから持ってくるから待ってて、少しくらいあったはずだから。あ、あとで請求だからね」

「はいよ。サンキュー」


斎宮さん、一度自分の家に向かい。

しばらくして、キャベツや人参、キノコ。など。多分家にあったものをかき集めてきたという感じだった。


それからいざ。料理開始。俺と宮町さんは見学続くだが。

柊のざっくり切り野菜やらも出てきて、ホットプレートに。

ケイちゃんを入れたら、あっという間にいい匂いで包まれる。


「よし、食べるか」


柊の声とともに、いただきます。

やっぱりちゃんと作られているというのか。多分市販のやつだからか。味もしっかりしており。美味い。

そして、ちゃんと準備されていたご飯合うんだよなー。


で、何気に4人でこういうご飯というのは初めてだったが。ワイワイという感じでとても楽しかった。


4人で、ご飯とケイちゃんでいろいろ話しながら。

途中、飲み物買ってくると、柊が買ってきてくれたので、ちょっとしたパーティーのような感じだった。

で、それなりに4人であの冷凍庫パンパンのケイちゃん3分の2くらい消費した。


「食べたー」

早々と、柊は寝ころんでいた。

「食べたねー。太ったら柊の責任だからね」

「いやいや、なんで?」

「当たり前じゃん。柊がどんどん作るから食べちゃったし」

「つまり美味しかったと」

「そーだけど」


やらやら前で2人がやり取り。

俺の方は、


「みんなで食べるのって久しぶりだから楽しかったし。美味しかったね」

「だね。柊のこの部屋のにおいとるのは大変かもだけど」

「あ、確かに、大丈夫かな?」


宮町さんと話しつつ、前の2人を見ていた。すごく楽しそうにやり取りしていた。

それから少しして、女の子2人が片付け開始。

男子2名は部屋の換気やらやら。

気が付いたら21時を過ぎたころだった。


「いやー楓も助かったは、無事冷凍庫にスペースできたわ」

「いや、よかったのか?なんか結構食べた気がするけど」

「いいって、送ってきたやつだし。早く食べた方がおいしいだろ冷凍でも」


話しながら片付けして。

あまりいると、帰りの電車が、怪しくなるので、


「じゃ、柊。ごちそうさま」

「ごちそうさまでした。沙夜ちゃんまたねー」

「2人とも気を付けて」

「海織ちゃんまたねー」


柊の家を後にした。

駅まで、宮町さんと歩く。

駅前は静かだった。もう暗いし。電車が着かないと人もいない様子だ。

駅の中に入り時間を見ると、次は21時53分だった。


「ちょっと時間あるね」

「少し前に出たって感じか。でもすぐ来るね。宮町さん、帰り大丈夫?」

「うん。ありがと。駅前だから、駐輪場抜けてすぐだから。でも、久しぶりだなー。こんな遅くまで友達とワイワイしたの」

「俺は……初めてかも」

「そうなの?」

「いや、今までこういう機会がなくて……」

「そうなんだ。まあ、私も多くはないかなー。あまり友達多くないから」

「えっ、宮町さん結構、社交的な気がするんだけど、誰とでもって感じで」

「えー。そんなことないよ。大学では、楓君いて助かってるよ?」

「そ、そう?」


宮町さんいろいろなところですぐ馴染んでそうとか思ったのだが……。

そういえば、あまり宮町さんが斎宮さんや柊以外と話しているところ……見てない?いや、そもそも知らないだけだよな。講義違うのもあるし。


「あ、そうそう、楓君に聞きたいことあったんだよ」

「なに?」

「沙夜ちゃんと、白塚君って付き合ってるの?」

「……え?あ……うーん。どうなんだろう」

やはり宮町さんも知らなかった様子。

「あ、楓君も知らなかったんだ」

「う、うん。なんか仲いいなと前から思ってたというか、入学してすぐくらいから、近い関係の雰囲気はあったけど、聞いたことはないかな」

「そうだよね。ずっと会ってからいつもあんな感じだから、高校から一緒とか思ったけど、聞いてたら出身地全く違うし。だからどういう関係なのかなー。って。ずっと気になってたんだよね」

「まあ、同じところに住んでるからとかもあるかもだけど」

「よし。今度ちゃんと沙夜ちゃんに聞いてみよっと」


そんな会話をしていたら。

電車がやってきた。電車に乗りしばらく。


「じゃ、また大学で」

「うん。帰り気を付けて」

「はーい。おやすみ」


車内で、宮町さんと別れて、帰宅。


なお、服にはしばらくいいタレの匂いが残っていました。

いや、ほんと。なんか自分の部屋まで匂い運んできたみたいで。

電車内も匂っていたのだろうか……うん。大丈夫だろう。多分。

自宅でワイワイの際はご注意を。

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