第9話 ハイ・マテリアル

クウロ「さあ、姿を見せるんだ!」



『見たいなら俺を引きずり出してみろよ。』



クウロ「上等だよ。」



そしてクウロは両手にフレイムを発動させる。



『君のマテリアルは火か。基本的なマテリアルだね。』



クウロ「バカにしてるのか?後悔させてやるよ!」



エリィ「待ってクウロ!」



エリィは止めたが、既にクウロは両手から炎を歪んだ空間に向けて放っていた。



しかし、その空間に炎が到達した瞬間に、クウロの炎はかき消されてしまった…。



クウロ「なっ…。」



『俺のマテリアルタイプはエアー。この空間の中では、どんなマテリアルも無効化される。』



ミユウ「どんなマテリアルも無効化…ねぇ。じゃあ学校に地震を起こしたのはアナタじゃないわね。」



『そうさ。一つ教えておこう。俺達は『ハイ・マテリアル』というチームだ。』



エリィ「だから何?」



『この世界を我が物にするために、高いマテリアル能力を持つ者が集まったのだ。』



ホノミ「エアー…だっけ?その程度のマテリアルで世界が手に入るかしら?」



『その程度だと?』



クウロ「もっと空間自体を操れるマテリアルかと思ったけど。限られた範囲内でマテリアルを無効化するしか出来ないんだ。」



ミユウ「守り専門ってワケね。」



『そうは言ってるがこのマテリアルは破れまい!』



ミユウ「破る必要はないのよ。」



と言ってミユウはためらう事もなく、歪んだ空間に足を踏み入れた。



『バカめ!ワザワザ自分から入ってくるとはな!』



ミユウ「アナタのマテリアルは、他のマテリアルを無効化する事しか出来ない。つまり、マテリアルを私が使う必要が無い場合、アナタの力は無意味よ。」



そう言って、あっさりジクウとバウトの元へ辿り着く。



『なっ…。』



クウロ「逃げたいなら逃げてもイイよ?別にハイ・マテリアルとかいうのと戦うツモリもないし。」



『許さんぞ…。』



その一言を残し、ソイツは気配を消した。



クウロ「許さん…って。自分からフッかけてきといてさ。」



そしてクウロ・ホノミ・エリィもジクウとバウトの元へ歩き出した。

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