第2話

チャイムが鳴った。


もう外は真っ暗で、これから起こること、

これから通る道は暗くて黒くて躊躇するような

そんな予感を感じさせるような

冷たく乾いた風が

網戸から吹き抜けた。


「じゃあ行くね」女は悲壮の顔で言い放った。

これには当然一言には言い表せないであろうと

思われるような沢山の気持ちが入っていたので

あろうか。

普段その言葉には現実性があるが、

今回はない分

幻想的に感じた。


ドアは開いた。


「久しぶりです。  橋間さん。」


「ああ、久しぶりだ。美里」


「とりあえず、あがって。」


「ああ。」



始まった。






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男はカバンを置き、

メモ帳を机のうえに置いた。


そして喋り出した。



「何故呼んだ?あれか。

事故のことか?

もうあれは終わった話だろ。

それより

欲求不満なんだろう、、?

俺が癒してやるよ」





「・・・・・・・・ッッ!」

彼女は怒りを鎮めるのに必死だった。





「あそこが夫と子作りしてた部屋か?

今日はそこで俺と1夜過ごそうというわけか

はっはっはっ!!!悪い女め!」





「黙れ」





「おいおい俺にたてつくのは

どうなるのか分かっているのか?未亡人めが!」

男は馬鹿にするような声で言った。

すると、







女は胸ぐらを掴んだ。



そして吐き捨てるように言った。





「貴方は地獄に行くわ。


明日も、


明後日も、、解けはしない地獄にね!

そして無駄になりなさい。

あなたの存在も権利も剥奪された人生に!」


彼女の背中からナイフを刺した。すると橋間は下にこぼれている血に気づいた。

「なにをしてるんだ!?どういうことだ!?

俺と2人きりで・・・そうか、





冤罪か!!

だかな俺はナイフには触っちゃあいないしここには誰もいない!おまえは無駄死にしたみたいだなぁはっはっはっ!!!!………!?」




橋間は今、手に違和感を覚えたのだ。

そして気づいたのだ。












手に血のついたナイフが握られていることに。






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