本当に裸じゃないんです!信じてください!〔百体怪獣少女【マガ・バッカー】登場〕
華奈がベロスターが倒された現場から、イッタンモメン星人の子供たちが乳首と股間に貼りついて隠した姿で、急いで帰ろうとしていた華奈に声をかけてきた人物がいた。
「そこの痴女、ちょっと待ちなさい」
対怪獣少女&異星人少女組織……【ファジー《fuzzy》】の女性隊員、
『
華奈が蜜子の言葉を否定する。
「あたし、痴女じゃありません」
「あなたが痴女でも、変態痴女でなくても関係ない……あなた、コレが何かわかる?」
スカートの裾を持ち上げた、蜜子の片方の太モモには、鎖が付いた足輪のようなモノが付いていた。
「いつの間にか足に付いていたのよね、私生活に支障はないけれど……最近、記憶が欠落していたり。男性化したやたらとリアルな夢を見るんだけれど……何か心当たりはない?」
「あ、あたし何も知りません!」
華奈は急いで、その場から離れた。
ブロンズ星人の地下秘密基地──彫像のような姿のブロンズ星人たちは、モニターで炎に包まれるベロスターを眺めていた。
裸身像のようなプロンズ星人の一人が言った。
「所詮、酔っぱらいの人妻だな」
「サカナカナには、なかなか勝てないな」
その時──二脚歩行をするネコマタ星人の『三代目ニャゴ博士』が、ラグビーボール型をしたカプセルを持って、部屋に自動ドアを開けて入って来た。
カプセルを見て、慌てるブロンズ星人たち。
「博士、そのカプセルはいったいどこから?」
「倉庫の棚にホコリをかぶって放置されていたニャゴ、なんのカプセルか聞こうと思って持ってきた……このカプセルは何だ?」
「それは、Q生物『怪獣ペッタンコ』の未発達細胞です」
「にゃに、これが超古代文明人が封印した。惑星の文明を丸ごと滅亡させるという伝説の、雪ダルマ式粘着生物なのか!」
「この星の超古代人が制御できなかった、危険生物兵器です……波長が合う女の子にペッタンコとくっついて、転がりながら成長します……三代目、そのカプセルを倉庫にもどしてきてください……いいですか、変な考えを起こして基地から持ち出したらダメですからね」
「わかった、わかった、ちゃんと元の棚にもどしておくよ」
数分後──秘密基地内で。
「三代目ニャゴ博士が、ペッタンコカプセルを持って、一人乗り小型宇宙艇で基地の外に出て行ったぁ」
と、いう声が響き渡った。
基地から町へと小型宇宙艇で出てきた、三代目ニャゴ博士は、ペッタンコを貼りつける女の子を探して飛び回った。
やがて、レーダーが歩道を並んで、仲良く談笑して歩いている私服の高校生くらいの女の子に反応する。
「ペッタンコの細胞波長と同調した、脳波波長の女の子が歩いているニャゴ」
小型宇宙艇から発射された、ペッタンコカプセルは空中で割れて、中に入っていた紫色の粘液が、片方の女の子の肩に「ペッタンコ」……という音を発して付着する。
「いやだぁ、何これトリのフン?」
「大丈夫?」
知人の肩に付着した紫色の粘液を、ハンカチで拭き取ろうとした女の子の手が、ペッタンコと付着する。
「きゃあ!? 手が離れない?」
抱き合う形になった女の子二人に触れたモノが次々と付着して、粘液も広がっていく。
ペッタンコ……ペッタンコ……ペッタンコ。
自転車がくっつき、店の看板がくっつき、盆栽がくっつく。
雪ダルマ式に転がりながら成長していく──粘着雪ダルマ式増殖怪獣少女【ペッタンコ〔第一形態〕】が爆誕した。
華奈の家でニュースを見た、タマタマンが華奈に言った。
「出番だ華奈! 裸で戦え! サカナカナ」
転がりながら、家や自動車を付着させて巨大化していく、怪獣少女ペッタンコ。
光りの中から裸体巨大ヒロイン『サカナカナ』が現れる。
「カナァァァァァ」
転がるのをやめて、華奈とペッタンコが対峙する。
(こんな、触ったらくっついちゃう怪獣相手にどう戦ったらいいのよ?)
華奈が困惑していると。
「アマミィィィィィ」の声と共に『カンロアマオゥ』が現れた。
「華奈お姉ちゃん、ボクに任せて、バラバラに切り刻んでやる……二つの力をひとつに……宇宙探偵『ザ・ステン』……海中人『
アマオゥの刀剣が、ペッタンコを切り刻む……抱き合った女の子二人を中心に拡散する、ペッタンコ。
アマオゥが「また、つまらない怪獣を斬ってしまった」
そう呟いた次の瞬間──中心の女の子二人に向かって、拡散したペッタンコが集結して【ペッタンコ〔第二形態〕】に進化する。
周囲のモノを次々と、吸い寄せて巨大化していくペッタンコに、アマオゥもくっつき。
股間と乳首にトラックと自動車が付着して、視界から隠す。
「うわぁぁぁ、華奈お姉ちゃん! 助け……」
アマオゥの顔も付着する物体で隠され、ペッタンコは縦に伸びて鳥の翼のような主翼と、頭の左右に副翼が生えた怪獣少女【マガ・バッカー】に変わった。
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