第4話
それから1週間、突然秋月さんは学校にも裏山にも来なくなった。
その間は裏山に行ってもなんとなく物寂しかった。
「今日も秋月さん学校に来なかったな...」
なんて独り言を呟くと誰かが近寄ってきた気配がしたので振り返ると、そこには秋月さんが立っていた。
「...影山君?」
「あ、秋月さん!」
「来てたんだね。」
「また一緒に空見ようよ。」
「うん。」
そうしてまたこの間のようにいつもの場所で空を見ながら寝そべった。
「どうしてここ一週間学校にも裏山にも来なかったの?」
「ええと、病気のことで病院に戻ってたの。」
「ねぇ秋月さん。」
そう言って空を向いてた顔を隣に向けるとすぐそばに秋月さんの顔があった。
「なぁに?」
「...僕、秋月さんのことが...好きなんだ。」
そう言うと秋月さんの顔が少し赤らんでいた。けれどどこか悲しそうにも見えた。
「ありがとう。嬉しい。...でも実は私ね、あと2週間でまた病院に戻らなくちゃいけないの。ここの街は夜空がよく見える街だから、ここで生活するならって一時退院が許されたんだけど...。」
「え?」
僕はそれを聞いて体が固まってしまった。
「でも大丈夫。まだ2週間はいるから。」
「...2週間」
秋月さんが僕のことをどう思っているのか聞きたかったけど、このことがショックで僕はなにも聞けなかった。
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