第13話 過去編 覇王との出会い 後編

■side千夜


 バレル帝国でリリアーナを手にいれてから約2カ月がたったころ


「魔王様は、【覇王】という存在を知っていますか?」

そうリリアーナが俺に聞いてきた


「【覇王】?聞いたことないな」


「【覇王】かの者は噂によれば【魔王】様と

同等の力を持っていると言われております」


「ほう?俺と同等の力とな?」


「はい、あくまで噂ですがそう聞き及んでおります」


それを聞いて俺は戦意を滾らせた


「フハハハ!!!そうか!!!なら確かめねばならないな!!!!!」


「すでに居場所はつかんでおります」


「ほう?さすがだなリリアーナ、お前を手にいれてほんとうによかったぞ」


「もったいないお言葉です」


「それで、居場所はどこだ?」


「魔王様の生まれ故郷である日本です」








ーーーーーーーーー日本ーーーーーーーーー


■side防衛庁


「はあぁ……平和だ……」

そう呟いたのは防衛大臣の深海秋水だった


「まあ平和なのはいいことだが……魔王が来れば大変なことになるだろうなぁ……」


そうこの男、平和がときに苦痛を感じることがあるほどの戦闘狂なのだ


「魔王が来れば退屈しなくてすみそうだ……

まあ、来たら来たらで困っちゃうんだけど」


その時、外からダッダッダという足音が聞こえた


「ん?これは全力で走っているなあ、何かあったのか?」


そう言うと、一人の男が部屋に入って来た

おそらくは軍の兵士だろうか、歳は二十くらいの若者だ


「ほ、報告します!!!!!」


「ん、どうしたんだ?」


その様子からただ事ではないことがおこっていると長年のカンがそう言っている


「ま、【魔王】がこの国に配下の女たちと共にやって来ました!!!!!」


「…………はあぁ……マジでぇ?」


「ッッ!!はい!!」


「それで、魔王の目的は?」


「はい!!【覇王】と戦うためにやって来たようです!!!」


「はあぁ……やっぱりかあ……よりにもよって【覇王】かあ……」


「それで、【覇王】は今どこにいる?」


そう秋水が聞くと


「現在、東京都の新宿区にいるもようです」


「新宿かあ……【覇王】に連絡だ、【魔王】がお前と戦いに来たとな」


「はい!!!!了解しました!!!!!」

そう言って兵士は部屋から出て行った


「はあぁ……来いとは言ったがまさかほんとうに来るとはねえ……」

そう言いながら、溜息をはいた


「さてさて、どうなることやら」


そう言ってニヤァと嗤った







ーーーーーーーー新宿区ーーーーーーーー


「【覇王】様」


「んあぁ、なんだ?」


「防衛庁から連絡がありました」


「はあ?防衛庁から?」


「なんでも【魔王】がこの国に戻って来ているそうで」


「ほう?【魔王】が戻って来たねえ……」

そう言って男は、いや【覇王】は、ニヤァと嗤った


「戻って来た理由は、【覇王】様と戦うためだとか」


「へえ……そうかぁ……クックック」


「いかがなさいますか?」


「当然、受けてたとう」


「【魔王】お前は、俺を楽しませてくれるのか?」

そう言って【覇王】は戦意を滾らせた








■side千夜


「さてと、【覇王】をさがしますかねえ?」


「その必要なございません」


そうリリアーナが言った


「どういうことだ?」


「かの【覇王】は【魔王】 様と似たところがあります」


「ほう?」


「【覇王】はあまりにも強すぎるため敵となる相手が【魔王】様以外いませんでした」


「ほう?つまり……」


「待っていれば向こうから連絡ないし、案内が来るでしょう。それまでこの国を楽しむべきかと」


「……たしかに一理あるな、いいだろう!

【覇王】が来るまでデートとしゃれ込むとしようか」


「「「「「はい!!魔王様!!!」」」」」


「ん?……どうやらデートはまたの機会になりそうだ」


「「「「「……はい……」」」」」


「貴方が【魔王】か?」


そう黒髪の女が問いかけてきた


「ああ、俺が【魔王】だ」


「【覇王】様がお待ちです、こちらにどうz……」


「ああ?くだらねえことやってんじゃあねーよ。大道芸か何かか?」


「ん?それはどういうことでしょうか?」


「姿を誤魔化しているようだが俺にはわかる……お前が【覇王】か?」


そう俺が問いかけると


「クックック……フハハハ!!!やはりばれてしまったか!!」


姿が変わった


さっきまでは、黒髪の美女だったが今は

黒い髪に後ろ髪の毛先が銀色で、きりっとした紅い瞳、服ごしでもわかる隆起した鋼の肉体、身長は180センチを越える巨体、そして体中から絶大な魔力を迸らせる男


この男こそが【魔王】と同等と称された最強の存在【覇王】なのだ


「さてと、試すまねをしてすまなかった。

俺が【覇王】だ!!!!」


そう言うと、さらに魔力を高めた

高める、高める、高める、高める、高める、高める、高める、高める


すると、周囲の空間が軋み、大地は割れ、

空は曇り、重力に押しつぶされるようなすさまじい覇気にリリアーナたちは体を震わせた



「こ、これがは、【覇王】の力……」


「なんてこと……」


「う、嘘……こんなの……」


「ッッ!!」


「こ、怖い……(震え)」


「はあぁ……お前らこんなものでそう怯えるな……まったく仕方のない奴らだ」


そういうと千夜も力を爆発的に高めた


高める、高める、高める、高める、高める、高める、高める、高める、高める、高める、高める


するとさらに、空間が軋み、大地は割れ、空は嵐のごとく雷鳴が鳴り響き、風が吹き荒れる


「ほう?さすがだな【魔王】」


「そういう貴様はこの程度か?」


「ハッ!!ほざけ!!!」


そう挑発するとさらに魔力を高めた


「ふん!お前ら、邪魔だからとっととどっかに行け」


「さてと、そろそろはじめるか?」


「ふん!いいだろう。せっかくここまで来たんだ、楽しませてくれよ?」


そう言って二人は、ぶつかった


後に終末の三日間と呼ばれる戦いの幕開けだ




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

最強の殺し屋魔王 学園にて君臨する ~異能者たちが現代を生き抜く!!~ 影山阿輝 @1181027210

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ