2
「貴方とアンジェリカ嬢との婚姻は、国の安寧の為なのですよ!?」
まぁ、そうですね。
説明させていただきますと、私の家、ザラーク家は王家への輿入れを幾世代かごとに繰り返してきました。
というのも、我が家にはある固有の能力があるからなのですが。
……何故王家に重宝されるのか、定期的に婚儀を結ぶべきと思われているのか、彼の方は分かっていらっしゃるのでしょうか?
「≪解析≫など、職人や術師連中が持っていればいいではありませんか!何故それが国の安寧に繋がるというのですか。いくら母上とて……」
「大馬鹿者が!」
あらあら。流石女王陛下、『女性の武器は知性と心身の美貌、そして扇子』と事あるごとに仰っていたのは伊達ではなかったと。
「アンジェリカ様……」
「あら、マリアンナ。良く気づかれずにこちらに来れたわね」
「あの状況で私のことも見ていられたら馬鹿とは、失礼、少し頭が弱くていらっしゃるとは言われなかったと思います」
「それもそうですわね」
振り向けばそこには先ほどバ……もう馬鹿でよろしいですか?馬鹿に肩を抱かれていた少女の姿が。
普通ならここで『この女狐!』などと叫ぶのが様式美というものですが。私たちの場合は少し違うのですよ。
「女王陛下、そこまでになさっていただけると幸いですわ」
そろそろ説明をいたしましょう。予想より大事になってはしまいましたが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます