19話 石との戦い
石との戦い
追いかけていると、海に出たみたいで、
「潜水艦だせるかしら!」
「残った二人は!」
「それは自分が何とかする! 4人で行くんだ!」
「わかったよ~」
飯野の言葉に従い、潜水艦が泡の外に出る。そこから出たことによって、浮力を得てどんどん上へと上がっていった。
海上に出ると、ヘリコプターが、飛んでいるのが分かるわね。あれに乗っているのも解るわ。
「皐月!」
「うん、機工出港! 文月!」
対空砲火を開始。
「よし当たったよ!」
もうあたりが暗くてわかりづらいけど、ヘリが落ちてくる。煙も噴いているし。
「なに? 地震?」
波の感じではなく揺れが小刻みに来ている。そして、ヘリが地上に落ちた。
「あれ、ここって、海よね?」
「そうだよ~、ってええ~!」
なんで、なんで回りが、陸になっているのよ!それもさっきの都が後ろに見えるわ。
「ど、ど、どういう事、ってそんな事? より、白衣の男たちは? あ、あのヘリの残骸の中に……。って、あれ何?」
なんか中から出てきたわ! 何あの不気味な石! もっと不気味になっている! 薄暗く光り、死体を吸収しているのが分かる。どうなっているのよ!
「ふふふ、これは、賢者の吸石というものだ。無限の魔力を持ち、非金属を金属に変え、その変えた金属を吸収する。そして、その能力を吸収する。ただし、生物は死なないと金属にできないがな、だが私の死でこの石は完全な者となる! 私の能力は、記録保持なのだ。そしてこの記録を保持して、私がこの石の意思となる!」
あ、血を吐いたわね。そしてどんどん石に、怖いわね。石による人間の捕食。怖すぎるわ。
「ふっふっふ、私の完成だ。これで、俺様も完全体というわけだ! これで誰も私を止められないわー!」
語尾、一人称、意志がぐちゃぐちゃね。ってちょっと待って、なんか人の形を模してきているわ。そして、手に足、胴体、そして頭、けど中性的な、イケメンになったわ。そして、もしかして、真井は殺された?
「まずは、吾輩の作った、機工を掌握すべきかしらー?」
「待ちなさい! まず、真井の仇を取らせてもらうわ。そして一つ聞き捨てならない言葉、吾輩の作った機工ですって? どういう事かしら?」
「そのままの意味だ、私は、兎と呼ばれる、機械も吸収しているのだ!」
「あんたを潰すわ!」
こいつは放っておけない! 潰さないと、でも、潰したところで、吸収された人たちが帰ってくるとは思えないけど、でも仇だわ。苦無射出! 魔力を奪い取る!
「ふーんこの攻撃、成程。そういう事ね」
突き刺さった苦無を見つめているけど、動きはしない。どういう事? って、魔吸がカタカタと揺れているわ。なんか危なそうね。リールを巻いて、手元に戻す。魔力量が、すごく多い。許容量を超えそう! つまり、
「あなた、魔力量が半端ないわね」
「そりゃそうだ。元は賢者の石よ。魔力量は無限だ」
「なら、これでどうだい!」
皐月が斧を振り上げ突撃する。
「ん、あの武器、成程。なら」
え、今度は分身した! 成程、真井の能力ね、でもよし! 片方は、斧で左腕を斬られて、修復不能。動けなくなったわ。ん? その斬られたほうが消えたわ。なんで? まあ後一人倒せば!
『式! これどういう状況!』
「雛? 御免置いて行って。何故が大陸が浮上して、その後、石が人間になって、私にもよく解らないのよ。分かることはその石だった人間は、兎と真井の仇って事。そして、機工を操ろうってしている事」
『って事は、この周りにいる固い人間は元石ってことでいいのかな? こっちはピンチだよ。敵が、大量に沸いていて、てんやわんやだよ、あ、因みに大陸が浮上したのは、太陽神が目覚めたからだね』
「! 今すぐ応援に行くわ!」
こんな通信をしているうちに、皐月と光は石を倒していてくれているわね。で、さっきの都に戻りたいけど、山があって戻りづらいわね。
「二人とも! さっきの都に戻りたいのだけど、何かいい方法ない?」
「え、海の中だよね」
「いいえ、浮上したらしいわ。あの山の向こうだと思うのだけど、そこに、今倒してくれた石が大量発生しているらしいわ」
「分かったけど、山越えできる能力は僕にないかな」
「あたしは~、空飛んでいけるよ~一人なら、負ぶってて飛べるかもね~」
「じゃあ、お願い!」
「いっくよ~」
「お主はこちらでござる」
「あ、ありがとう」
皐月は、光の背に負ぶってもらって、私は、エルピスの人に背負ってもらって飛んだ。
「拙者はお主を戦場に送ってすぐに、結界を張りに行くでござる」
「? どうして」
「あの石、分身する人間を吸収したのでござろう?」
「そうだけど、本体を倒せば倒せるわよ」
そう、真井の能力では、分身は本体が寝たり、気絶すると消える。それなら、本体を倒せば、
「今大量発生しているのだろう? なら、本体は何処にあるかわかるでござるか?」
「……あっ。……そうね。分かったわ」
ん? 通話? 文からね。
『……あ、式? あれ、光もいるの?』
「うん~共闘中だよ~」
「ちょっと今急いでいるから御免」
「ちょっと待って~。文さん~、御免ね~、兎が殺された~。で、文さんの判断を聞きたいんだ~。君たちの作った機工、全部の乗っ取りってできるの~?」
『……そっか、しょうがないね。その方法を調べるために、人工衛星『美菜』にアクセスする。ちょっと待ってね。……ってそうか、この人工衛星だ。この衛星を乗っ取れるなら可能かな?』
「そっか~、けど~、そんなセキュリティ低くもないんでしょ~?」
『……そうなんだけど、可能性はあるね。例えば、紀光の誰かが裏切った、または、記録を乗っ取られた、もしくは利用された場合、次に、機械への乗っ取り能力を持っている人間がさっき言ったことをしている場合は要注意だね。で、心当たりは?』
「まず~、兎は吸収されているんだ~。だから~、記録は乗っ取られていると思うよ~。で、機械への乗っ取り能力を持った人間には会ったことが~、あたしあるよ~でも、死体が消えちゃったんだ~。ってことは~もしかして、あの博士っぽい人も吸収されているのかな~だとすると、あたしたちにも責任あるよね~」
「そうでござるか、だとすると、まずいでござるな。っとついたでござる」
「じゃあ~降りるよ~って気持ち悪い光景だね~」
確かに気持ち悪い光景ね。同じ人間っぽい石が、大量にいるわ、そしてその中をかき分ける様に、二人が戦っている。早く助けないと! ん? あの侍、投げたわ! 私の事投げたわよ! すっごく怖い! そのうえで、少し離れた山に陣取っているわね。
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