2話 入界手続き

2話 入界手続き




「へ~、ここが横浜なのね。って観覧車が水上にある! てことは、最近になってこの辺は沈んだのかしら?」


そんな考察を口に出していると、皐月が機工で調べながら、


「いや、これが沈んだのは500年前みたいだよ。その後、戦闘に巻き込まれたり、工事で解体にはならなかったみたいだね。後、どうやら100年ぐらい過ぎた時に、錆が発生しないことから、この世界には劣化が起きないと立証する物となったみたいだよ」


「へ~。って劣化が無いって何よ。劣化あるじゃない」


「劣化はあるわよ。水を入れすぎで、じょうろが壊れたり、薬品で、鉄が錆びたりしたわよ」


「それが、海水、空気では劣化しないようになっているみたいなんだ。どうしてかは分からないけどね」


「それって、何処がおかしいの? 空気と海水は薬品じゃないわよね。それに海水は、水とは少し違うからかしら?」


「う、うん、そうだね。あ、あたしも調べたけど、理由原理は不明。空気中には、そ、そう作用する物がないからいいけど、水や、塩はそういう作用がある筈なのに、そうならない、みたい、だよ」


「ん? あ、ま、まあ、それが事実なんだからそれでいいんじゃないかしら?」


あ、そういえば、真井もいたのよね。っとなると、この話はまずいわね。その事実に二人とも気がついたみたい。


「そ、そうだね」


「うん、解ったよ」


「そうね」


私たちは、役所に向かって歩き出した。




「はい、では、渡航許可証と、IDを提示してください」


「ええ、分かったわ」


端末に保存している渡航証明書のアプリを立ち上げ、手首に埋め込まれているチップをかざす準備をしてっと、


「ここにかざせばいいのね。後渡航証明書よ」


「はい、確認しました。では、良い旅を」


「ありがとう、で、インドまで行きたいのだけれども、どう行けばいいかしら?」


「ええっと、そうですね。先ず新羽田まで出ていただき、そこから、飛行機ですね」


「飛行機ね、ありがとう。じゃあ、行くわよ」


新ってなんだろう? まあいいわ。待ってもらっている3人に言うと、受付のお姉さんが、


「あ、そちらの3名は、まだ許可証の確認が取れてません。少々お待ちください」


「あ、いい素材落ちたよ」


「あ、こっちも」


「あ、あたしは、お、落ちなかった」


って勝手に3人で何ゲームしてるのよ。私も入れなさいよ。


「うん、分かったよ今提示するよ」


「あ、あたしも」


「え、一人じゃダメなのね。しょうがないわね。私、絡繰世界の人間だから、IDしか提示できないけど」


3人ともゲームを片付けたわね。でも、


「IDだけでいいのかしら?」


「ええ、それで構いませんよ。絡繰世界では、発行されませんので。では順に提示してください」


「分かったよ」


「は、はい」


「はーい」


3人は順番にならんで、準備してるわね。じゃあ私は、飛行機の空きを確認しとかないと……。あ、4席開いてるわね。時間も大丈夫、間に合う範囲ね。じゃあ予約してっと、


「式、終わったよ。で、飛行機どうする? 予約取ったほうがいいかな」


「取ったわよ。じゃあ行きますか」


忘れ物は無いわね、よし、行こうかしら。

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