3話 違うところ
3話 違うところ
はい沈んでました。羽田空港沈んでました。
「ねえ、空港、何処?」
「な、ない、よ」
「そうね、無いわね」
「あ、あれ、確か私の世界ではあの辺り、全部埋め立てられてて、空港のはずなのに!」
「あ、あたしの最初にいた、せ、世界では、し、沈んでなくなってたし」
「僕の世界でも、式の指している位置にあったよ。多分この世界だと、あそこじゃないかな」
と指をさす方向に、確かに空港があるわね。けど、
「ここからは、行きづらいわね。時間も無いし、どうしようかしら」
「あ、あたしなら、戦闘機出せるけど」
「あ、なら、今から飛行機、キャンセルできるかい?」
「え、ええ、出来るけど、でもキャンセル料はかかるわよ」
「じゃあキャンセルして。そこの空港の夜中に戦闘機で飛ぶのはどうかな?」
「成程、それいいわね。出来そう?」
「だ、大丈夫。そ、そんなことしなくても、機工内で滑走、発進できるから、だ、大丈夫だよ。ただ、すごいGを受けるけど」
「いや、そのすごいGは受けたくないから、滑走路から飛ぶわよ」
「わ、分かった」
「でも、滑走路に勝手に侵入してもいいのかしら」
「真井の意見も尤もだけど、でも、すごいG、受けたくないわよ」
「まあそれはわかるけど。後の時間に搭乗できる飛行機を探すとかで、なんとかならないかしら?」
あ、確かに忘れていたわ。それなら。
「いいわよ。ちょっと予約見て……ああ、全部明日まで埋まってるわ」
「じゃ、じゃあしょうがないよね。戦闘機で行く、よ」
「しょうがないわね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます