5話 皐月救出

 皐月救出



日が暮れてかなり時間がたった、と思う。周りを見ると、光はなく、ただ、月だけは、私たちを照らしていた。そんな中私たちは虐殺を行っていた。空から逃げ下りてきた敵を狙い撃ち、殺していた。怖いけど、自分のやっていることが恐ろしいけど、でも、殺さないと殺される。その事実が私を突き動かしていた。しかし、何人か敵が下りてこない、それどころか、空に上がるものが現れだした。


「どうして! 空は、皐月が抑えてくれているはずなのに!」


そう作戦では、駆逐艦皐月と駆逐艦文月のコンボで、空の敵を恐怖状態にして、地上に下ろす作戦だった。要の皐月に何かあったのか、それとも、駆逐艦がやられたのか、分からないけど、まずい状況であるのはわかった。


『すまない、あたしの作戦ミスだ。皐月がマンマルちゃんと悪魔憑きにやられたよ。敵は気づき次第空に上がるだろうね。だから、式、君はマンマルちゃん退治をお願い。今までは、全機皐月を狙っていたから、皆の所に来なかったけど、皆のほうにも行くと思う。だから、気を付けてね』


「了解。って私一人? あと悪魔憑きって?」


『そうだよ、ここからは、君との個人回線だけど、まず、君の率いている部隊のリーダーは、伊和に変更。そして、式は、マンマルちゃんからの皐月の救出。皐月を捕獲した敵のデータを送る。後悪魔憑きは13年前の戦いの残滓だ、基本、意識を失って誰彼構わず攻撃する厄介者だ。ちなみに悪魔から死に至るダメージを受けると死なずに、悪魔になる。だが、もう奴はその場を離れている。今は戦わないだろう』


「悪魔って本当にいたのね、了解。でもなんで私なの?」


『君が、魔吸のレプリカを持っているからだね。適任は君しかいないよ』


「どういう事よ。魔吸のレプリカの話になるのかしら?」


『物理障壁と魔力障壁を無効にするには、魔力を消す又は、魔力を吸収する武器が必要なんだ』


「分かったわ」


機工からの通話が切れる。


「伊和、あなたに此処の指揮を任せるわ。私は、皐月の救出に向かう」


「りょうか~い」


急ぐ、送られてきた座標に、皐月を捕獲した、マンマルちゃんの破壊のために。


走り出して、数分、急な通信が入った。


『あ、式。ごめん、今、知らない人たちに助けてもらったんだ。今から、対空射撃をするために持ち場に戻るから少し待っていて』


「え、そうなの? 大丈夫? 怪我はない? とりあえずそっちに向かうから、とりあえず船で待っていて」


『いや大丈夫だよ。さっきは囲まれて、悪魔もいたからだけど、今は、助けてくれて人たちといるし』


「とりあえず、私は、マンマルちゃんを壊して回るわ。また、誰か捕まるかもしれないし」


『うん、お願いするよ』


通信を終わり、私は近くにいるマンマルちゃんを攻撃開始する。助かってくれてうれしい筈なのになぜか心が晴れない。何? この気持ち。


「なんで、なんで! こんな、私が助けたかったって思ってしまうのよ!」


破壊して破壊して破壊した。中から人は出てこず、安心して破壊していた。そしてこうなっていることに気づかなかった。周りを大量のマンマルちゃんに囲まれていたのだ。

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