4話 お婆ちゃん護衛

お婆ちゃん護衛




「大丈夫かい、お婆ちゃん」


僕は、お婆ちゃんを追いかけ、脅かさないように、前から声をかけるため、先回りして待っていた。


「おや、あなたは、さっき婆を助けてくれた子じゃないかい。どうしてこんなところにいるんだい」


「その質問をそのまま返すよ。お婆ちゃん。今外に出るのは危ないよ。だから、今すぐどこか安全なところに……」


「そうしたいのは山々なんだけどね。でも孫娘が、家出したって聞いてねえ、あの子から話聞かないとと思ってね今、我が子の家に向かっているんだよ」


「そうなのかい? 分かったよ。じゃあ、僕が送り届けるよ」


「いいのかい?」


「うん、駆逐艦に乗った気持ちでいてよ」


「ありがとうね」


そうお婆ちゃんが微笑み、僕はお婆ちゃんの後に付いて行った。


「話は変わるけれど、あなたも自分のこと僕っていうのね。うちの孫娘も言うのよ。今は僕っていうのが流行っているのかしらねえ」


「う~ん、僕の場合、憧れて使っているから、分からないな」


「そうなのね。誰に憧れて使ったのか教えてもらってもいいかい?」


「うん、いいよ。と言っても知らないと思うけど、紀光 希和って人だよ。僕を育ててくれた、凄い博士だよ」


「そうなんだね。大切な人なんだねえ」


「うん」


「じゃあ、ここのマンションに住んでいるからちょっと行ってくるね」


「いってらっしゃい。お婆ちゃん。無事来れてよかったよ。けど、お孫さんの話を聞いたら、そこから離れないようにね」


「ありがとうね」


そう言うと、お婆ちゃんは、マンションに入り、エレベーターのボタンを押した。実を言うと、ここに来るまでも、マンマルちゃんに襲われかけていた。けど、ホログラムを生成、それを僕たちと逆に走らせて、回避していた。これが僕の能力、ホログラム作成と操りだ。


「でもどうしようもなくなってきたね」


すでに囲まれている。こうなったら、ホログラムを使って、できるだけ時間を稼ぐしかない。だって、マンマルちゃんは僕には破壊できないから。

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