記憶改竄

「ねえお姉ちゃんどうかな。」

私は服装を見てもらった。…公開処刑のようだ。

あと何個か文句がある。

「ねえ伴音、何で私よりも大人な感じなのよ。」

「たぶんお姉ちゃんもこんな服着ればそうなると思う。そんなことよりも、何でワンピースとかスカートなの、普通にズボンで良くない。」

「だって可愛いんだもん伴音。それに私だって着たいし。」

「はあ、普通に恥ずかしい。大体寒くない。」

実際問題かなり寒く感じる。あと動きづらい。こんなことになるのだったら最初の甘い罠に引っかかるんじゃなかった。

「さてとじゃあ会計しますか。」

そうして店から出た。のはいいのだが、外見は完全に女の子となってしまった。どうしよう。

「ねえ恥ずかしい。歩きづらい。」

着たことがない服に身を包んでいるから。

「はあ、慣れよ慣れ。いつかは慣れるよ。」

この笑顔本来なら一発殴りたい。そんなこんなで家に帰った。

「はあなんか疲れた。」

「あらおかえり。」

げっ。母さんだ。どうやって誤魔化そう。ていうか誤魔化せなくない。あ終わった。変な女装が趣味と思われる。

「伴音、お姉ちゃんに買ってもらったの凄く似合ってるよ。」

…へ。いやいやあなた産んだ子の性別逆なんだけど。お母さんが二階に上がった隙に疑問を聞いた。

「ねえこれどういうこと。」

「あ、これだから言ったじゃない。記憶を改竄してくれているから。今日から伴音として生きていくんだよ。」

…本当だったのか…災難だ。




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