04 ただの嫌味
「ヨルンが俺達の事心配してくれるのは分かるけどな」
「そうね。ちょっと言いすぎちゃったかしら」
お昼ご飯を食べるために、いつも三人でたむろっている屋上に行くと、幼馴染ズの会話が聞こえてきた。
それが分かってるならもうちょっと自重してくれ。
屋上への扉を開けて声をかける。
「おい、お前ら。昼ご飯もう食ったのか」
「食った食った。購買で売ってる新商品、すごいうまかったぜ」
「私はいつも通りお弁当だけど、もう食べたわ」
屋上に取り付けられている時計で時間を確認する。
もう、残りのお昼休憩の時間は十数分ほどしか残っていない。
生徒会の手伝いを行っていたため、お昼時間が少なくなってしまった。
「ヨルンは生徒会の活動もしなくちゃならないから大変だよな」
「そうね、何か手伝える事があったら言ってね」
その言葉を聞いた僕は、ジトっとした目を二人に向けた。
生徒会にもちこまれるごたごたの八割はほとんどこの二人関連なのだから。
手伝うというのなら、何もしないで平穏に学園生活を送っていてほしい。
「えぇ、本当に仕事が減る手伝いをしてくだされば、文句はない」
「ふーん、大変そうだな」
「お疲れ様、肩こってたらもんであげるわよ。上手って評判なの」
けれど、何もきずかなかったらしい幼馴染ズは、きょとんとした顔して、そんなセリフを吐いた。
嫌味だよ、気づけよ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます