03 優しさ
一応止めた。
でも無駄だった。
僕の幼馴染達は、無駄に正義漢が強くて善人だった。
教室の備品を投げあうような大喧嘩をとめにいった幼馴染達は、その後教師に見つかっれ怒られた。
それで現在、廊下に立たされていた。
「……」
その前を通りかかった僕に無言の視線で訴え。
僕?
僕は巻き込まれないように離れたところにいたからな。
なんで一緒に罰をうけてやらなくちゃいけないんだよ。
「「…………」」
すどおりしようとすると悲しそうな表情が二つ。
そんな顔するなよ。自業自得だろ。
放っておくからな。
不満そうな顔になった幼馴染(馬鹿)が「ヨルンから、俺達は悪くないって説明しといてくれよ」と言う。
幼馴染(お嬢様)の方も「私達はぜんぜん悪い事なんてしてないわ」とのこと。
お前らが悪くないってことくらいは分かってるけどな。
たまにはこうやって理不尽な目に合う事も必要だ。
だってこいつら、放っておいたら際限なくこういう事しでかす。
デメリットについてきっちり誰かが教えてやらないと、いつか身を亡ぼすぞ。
世の中良い奴ばっかじゃないんだから。
「そんな調子で考えなしに首突っ込んでたら命がいくつあっても足りないだろ。誰かを助けてやったって、そいつが律義に恩をきてくれるかどうかわからないんだぞ」
けど、お嬢様は正論。
「恩を返してくれるとか、返してくれないとかそういう問題じゃないわよ。喧嘩をしてたらとめる。それが普通でしょ」
僕だってそれが正しいってことくらいわかってる。
けど、どんな調子であちこち首を突っ込んでたら、絶対いつか痛い目に合うにきまってるんだ。
そうなった時、周りの人間はどう思う?
絶対、後悔するにきまってるだろ。
なんでこうなる前に止めてやらなかったんだって。
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