-4- 記志の先走り

 午後。屋敷に戻る途中で、ルイから通信が入った。


『舞花様、申し訳ございません。記志くんが止めるのも聞かず、調査に飛び出してしまいました』

「どういうこと?」

『自分にしか出来ないことだと言って』


 舞花は詳しいこ話を聞くと頭を抱えてしまった。

 どうして男は先走ってしまうのか。

 ゼロナナの紙面名簿とデジタル名簿に差異があった。その行方をルイが検索やハッキングで追うも手かがりがない。

 そこで自分しか調べられないだろうと、屋敷を飛び出したのだ。

 行く先である風俗街に、ゼロナナのステアリングをそちらに切った。


《舞花、図塚がどうしたって?》


 ヘルメットの通信機から雫が話しかけた。

 舞花は前を向いたまま答える。


「ルイが情報収集に行き詰まっていたところを見てたらしくて、一人でダイイチ生徒のたまり場になってる風俗街に乗り込んだらしいわ」

《あのバカ。そもそも未成年だろ》

「それが、そうでもないのよね。ここは性に対する治安が本当にゆるくて、お金さえ払えば子供だって入れるわ」

《うわっ……。引くわ》

「記志くんに支払ったお給料なら、ボッタクリに会わなければせいぜい三件ってところね」

《ボッタクリにあったら?》

「丸裸にされて、最悪、売られるわ」

《男だぞ!?》

「セントラルシティに性別なんて関係あると思う?」

《あ……》

「とにかく、飛ばすわよ!」


 ゼロナナに口頭で指示を出し、今の交通状況で最も最短に向かえるルートを導き出させた。

 フロントカウル上に、空間ディスプレイとしてマップが表示される。

 舞花はそれを巧みなドライビングテクニックで、追従していく。

 近くまで来たところで、マップを広範囲に縮図した。

 すると、青い点滅がマップに浮かび上がる。

 記志が持っているスマートフォンからの位置情報だ。


「こういう言いつけだけは守るのよね、男って」


 マップを拡大に戻し、繁華街に入った。

 

§§§§


 記志は風俗店の一室で、正座で堅くなっていた。

 何度も聞き込みを断られ、泣きの一軒に訪れた店員からこう言われた。


「客でもないやつに話すことなんてない」


 それを聴いた瞬間、すぐに「入ります」と返事をしてしまった。

 目の前で財布を広げて、銀行から下ろしたお金を見せつけた。

 そっけなかった店員は打って変わって笑顔になり、丁寧な接客で働いている女の子たちの写真を見せてきた。


 それからしばらくたった。

 女の子がやってきた。

 その場の勢いで選んでしまった娘は、店一番の巨乳で童顔だった。

 身長はルイより低くて少し物足りないが、その分胸はアンバランスに大きい。

 女の子が笑顔で挨拶をして、名刺を渡してきた。


「こんにちは。ルイでーす」


 それから女の子は裸になって、風呂に向かおうとした。

 あわてて記志が手をふった。


「違うんだ。俺は聞きたいことがあって」

「何を言っているの。ここに来たら、やることは一つでしょ」


 手を引っ張られて、浴室に連れてこられた。

 手慣れた手つきであっとう間に裸にされた。

 衣服をたたんでいるとき、身体に似合わない乳房が、こちらを見上げるように垂れ下がれっていた。

  シャワーを浴びせられると、ルイと名乗った女の子は言った。


「お客さん、運がいいわよ。たまたま予約のキャンセルが立て続けに入っちゃって。今日はどうしようかと思ってたの」


 乳首が触れるか触れないか、絶妙な距離で身体を洗ってくる。

 これでその気にならない男はいない。

 記志の愚息がムクムクと膨れ上がって、反り返ってしまった。

 慌てて隠すと、ルイは上目遣いで見つめてきた。


「大丈夫よ。むしろ、私で興奮してくれて嬉しい♪」


 真ん中に一直線の溝が設けられた椅子に座らされると、お背中流しますねと言ってきた。

 まさか、と記志が振り返ろうとしたときには背中に、突起物とつきたての餅の感触が同時に襲ってきた。


 それが上下に動く。突起物がつるんと滑るたびに、ますます怒張が強くなっていく。心臓も五月蝿いくらいバクバクして止まらない。

 

 ――ヤバイ。天国だ。いや、地獄か拷問か。ルイさんへの想いを試すために神が与え給うた試練か? そうだ俺には心に決めた人がいるんだ。こんなオッパイスポンジごときで、果ててしまうわけには……!


「うっ……」

「え? やだぁ! うそ。これでイったお客さん初めてよ」


 腰タオルの下で、情けなく射精してしまった。

 メイドのルイへの後悔でうなだれていると、風俗嬢のルイが豊満な胸で優しくハグしてきた。


「ごめんなさいね。気持ちよくなってくれてうれしいかったよ。お客さん若いから、まだいけるでしょ? 今度は湯船に行こっか」


 先に立ち上がったルイは、程よく丸いおしりを見せながら湯加減を確認した。


「あれ? 私こんな真っ白い入浴剤入れたかしら? いつもは薄いやつなのに」

「どうかしたの?」

「ううん、なんでもないわ。お先にどうぞ」


 ルイがこちらに手を差し伸べたそのとき、湯船の湯から噴水のように溢れ出た。

 まるで白蛇のようにうごめいたお湯は、ルイの口に入った。

 これでは水攻めだ。

 もがき苦しむルイに、記志はどうしたらいいのか分からず、腰タオルが落ちたのも構わず、ルイの身体を揺すった。


「うわ!?」


 記志が見たものは、真っ白いお湯にうごめく白い魚の群れだ。

 いや。

 お湯そのものが魚の群れだった。

 ピラニアを思わせる、とげとげしい小さな身体が一匹の蛇となってどんどんルイに侵入していく。

 記志は洗面器で防ごうとしたが、手にまとわりつかれてあわてて離してしまった。


 どうすることも出来ないまま、全ての白魚がルイの身体に入ってしまった。

 すると、ルイの白いムチムチした肌がどんどん青白くこけていく。

 気がつくと、脚が薄く消えかかっていた。

 またも記志は悲鳴をあげて、今度は恐ろしさのあまり腰が引けて浴室から出てしまう。

 

 ルイの身体が浮き上がり、こちらをギロリと凝視した。

 その目に瞳孔はなく、真っ白だった。しかもひたいから角が一本生えていた。


「う……つ……わ……」


 ルイはうわ言のようにつぶやくと、目にも止まらなぬ速さで記志を抱きかかえた。

 さっきの柔らかで心地よい感触はもはやなく、ゴツくて痛い。オッパイすらフィギュア・ドールのようにカチコチだった。


「なんて力だ。まるで男みたい、いやそれ以上じゃないか」


 もがいてももがいても、がっちりホールドされて抜け出せない。

 角が生えたルイは、壁を突き破って外に出てしまった。


§§§§


 舞花たちが発振器の店に駆けつけたとき、大騒ぎになっていた。

 店員の静止を聞かず、記志がいるはずの部屋に入った。

 そこには大きな風穴が開いていた。

 雫が記志の衣類を見つけた。


「おいこれ、発振器じゃねぇか?」

「雫、こっち来て」

「風呂がどうした? うわ、魔骸蟲雙魚ふたさかなじゃねぇか。こんな大量に」


 頭がふたつあり、ピラニアのように歯がむき出しの、魚の姿をした魔骸蟲だ。水棲で、真夏によく現れる。

 見た目に反しておとなしい性格で、襲いかかることはない。

 飲料水や川・海に潜み、そこから雙魚が取り憑くので危険なことには変わりない。


「湯船いっぱいにこいつらが泳いでいたとしたら、一発で殃我になるわ」

「飲んだのか? 風呂を飲むってガキじゃあるまいし」

「詳しい検証は後よ。図塚くんの手がかり探さなきゃ」


 舞花は急いで八咫蝶を呼び寄せる。

 しかし、かなり遠くにいるらしくて、なかなか帰ってこない。他の式神と比べて飛行速度が遅いのだ。

 仕方がない、と雫に言った。


「八咫を召喚して」

「あたしが!?」

「術式は分かる?」

「ああ。やってみる」


 雫が八咫蛇を召喚している間に、通常の式神蝶を放った。

 能力を音に特化させた。これで、記志が何かしらの抵抗をしてくれていれば居場所がわかる。

 もしもそれが出来ない状態だったら、……雫の方を見る。

 雫は大汗をかいて、四つん這いになっていた。


「はぁ、はぁ……。きっつぅぅぅ」

「八咫蛇はどう?」

「出来たぜ。でももうわたし、咲装無理っぽい」

「休んでていいわ。後は私が追いかける」

「そうさせてもらうわ……」


 虹色に輝く、立派な大蛇が舞花をじっと見ていた。

 チロチロと舌をだすと、しゅるるっと外に向かって這っていった。

 すぐに舞花はあとを追いかける。

 

「すごい速度ね。時速五○……いや六○か」


 舞花なら咲乙女の衣で難なく追いつける速度だ。

 見失わないように、傍を飛ぶように式神蝶をつけさせた。

 パルクールで屋根上や道路を横断していく。

 街の人からみれば、黒い風が通り過ぎたように感じるだろう。


 それまで勢いよく進んでいた八咫蛇だったが、急に迷い始めた。

 右に行ったかと思えば、左に首を振る動作が多くなった。

 そしてとうとう、同じ地点をぐるぐる周りはじめた。

 このままでは見失ってしまうと思った舞花は、式神蝶をできるだけたくさん召喚した。

 そして、周辺の捜索を命じると、網の目のように広がった。

 この間隔なら、蝶から蝶へ情報をリレー伝達できる。

 余計なノイズまで拾ってしまうが、今は仕方がない。


 適度な高さの屋根上に飛び乗って、じっと耳を済ませた。

 関係のないノイズが一気に押し寄せてきて、鼓膜が痛い。

 それでも意識を集中して、記志の声を探す。

 必ず近くにいるはずだ。


 ――アリアレラバラカラ……離せ……カゼダヨメハリ。


「見つけた!」


 ここから西の方角、距離不明。

 ただちにその方角の蝶のチェーンをつくらせ、神速のスピードで走り出した。記志の無事を祈って。


 横に広い大きなアパートを飛び越える。

 その先に、記志とそれを捕まえている殃我の姿、そして中年男と若い女が二人いた。一人は成人した女性で、もう一人は中学生くらいの少女のように見えた。

 この勢いのまま飛び込むと、赤い光に阻まれて弾き飛ばされてしまった。


「これは、霊力の結界? 殃我にそんなことできるはずが」


 殃我は人の本能と欲望で動く。

 術を唱えるには、知識と理性が必要になる。アクションをしながら術を唱えるのすら困難なのに、ましてや殃我にできるとは思えなかった。

 

 記志が中年男に差し出されようとしている。

 とにかく結界を破るため、宝刀《万重乃煌》を顕現して振り下ろした。

 しかし、弾かれないのが精一杯であった。

 どうしても赤い光の向こう側にいけない。


「「無駄だよ。その結界は巫力じゃ無理なのさ」」


 少女と少年が入り交じる声で、舞花をからかう少女が、こちらに近づきながら不敵に笑った。

 そして、少女に赤い結界が収縮していく。

 今だとばかりに、舞花は神速で回り込む。

 しかし、少女がそれを阻む。同時に舞花の腹に蹴りが見舞われた。

 もろにもらって、吹き飛ばされてしまった。

 あの小さな体躯とはかけ離れたパワーに、舞花は驚きを隠せなかった。


「「パパ、ここはボクに任せて。これなら鍔凪乙女を倒せるよ」」


 中年男は、頼んだぞと一言言うと、女に肩を委ねてこの場を去ってしまう。


「待て!」

「「ダメだよ、無駄なことしちゃ」」

「くっ……」


 動きが速い。

 咲乙女の衣の舞花と互角か、それ以上だ。

 そして何より厄介なのは、パワーだ。

 見た目の幼さと細腕とは裏腹に、その威力はヘヴィ級だ。この衣を着れば、車にひかれても吹き飛ばされないはずなのに。


 舞花はひとつ息を吐く。

 そして、宝刀をゆっくりと鞘に収めて、眼光鋭く少女をにらんだ。

 その様子に笑う少女は、肩をすくめてみせた。


「「諦めたの? それとも、咲装する気かな?」」


 舞花は答えず、抜刀の構えをとった。

 その刹那、目と鼻の先に少女が飛び込んできて、膝蹴りが顎に飛んできた。

 舞花は避けきれず、空へ高く飛ばされてしまう。

 

「「咲装なんてさせるわけないでしょ♪」」


 間髪入れず飛び上がってきた少女は、ニヤつきながら踵落としを振り下ろした。

 舞花の身体は地面へ真っ逆さまに落ち、建物の外壁を一枚、二枚、三枚と破って床に叩きつけられた。

 

「……っくは!?」


 口から少し血を吹き出してしまった。内臓がやられてしまったのだ。

 少女は踵を揃えて落下してくる。

 舞花はそれを寝転がってかろうじて避けた。

 血をぬぐうと、唇がルージュのように赤くなった。


「「無駄だって」」

「そうかしら?」


 腰に帯刀している宝刀から、鞘が抜けていた。

 空を見上げると、太陽に反射して鞘がおくれて落ちてきた。

 突然舞花が飛び上がる。

 それに不意をつかれた少女が、舌打ちをして追いかけた。

 だが、舞花は落ちてくる鞘に刀身を軽く差して、すばやく引き抜いた。


「咲装!」


 戦いの意思を込め、鞘から剣を引き抜くことで咲装が可能になる。

 咲乙女の衣がはじけて花びらとなり、その花びらは渦となり繭となり、生まれたままの姿の舞花を包み込む。

 少女はそれを阻止しようと、渾身の力で両手を叩き込んだ。

 しかし、咲装の絶対防壁を貫くことが出来ず、吹き飛ばされて落下していく。

 

 繭渦の花びらが散る。

 花吹雪の中から現れたのは、ビキニ水着に手足を鎧で武装した剣士だった。

 ブラの大きな花を誇らしげに見せ、剣を大きく構えた。


「鍔凪乙女《万重》見参! 殃我を討滅する!」

「「ボクが殃我だって? ひどいなお姉ちゃん。こんなにかわいいのに」」

「ただ私が無抵抗のまま、殴られていたと思ったか?」

「「ん? うわわわ」」


 少女の右腕に聖炎が燃え上っていた。

 殃我でなければ、この炎に侵されることはない。

 いたぶられていたとき、少女のパワーを利用して、鯉口を切った剣の刃を当てていたのだ。

 これで霊力の防壁を切り裂き、身体に聖炎のための花びらを送り込んだのだ。

 それを理解した少女は、地団駄をふんだ。


「「舐めやがって! 許さないからな!」」

「見た目が少女だろうと、殃我は斬る」

「「どうせ、その見た目で男あさって、加えこんでハメてるんでしょ」」

「な!? 急に何を!」

「「あ、処女かー。顔真っ赤じゃん。じゃあ、下は子供筋なんだー」」

「こ、子供筋!? いいかげんにしろ殃我!」


 舞花は耳が熱くなるのを冷ますように、剣を振り払った。

 それは鋭さにかけ、少女に簡単にかわされてしまう。


「「オボコに負けるもんですか! それに私をそこらの殃我といっしょにしないでよ。私は死徒なんだからね」」

「死徒?」

「「コンビニに来たOLを殃我にしてやったのに、それをお前が殺しちゃうんだもん。もったいなかったよ」」

「OL? まさかオフィス街の」


 ルイに戦いの記録を分析してもらったとき、殃我の生前の正体が元上司だということを知った。

 ルイには嫌な思い出しかないから、気にしないでと言っていた。

 舞花はその時のルイの顔を思い出して、再び剣の握りに力を込めた。


「お前のやっていることは、卑劣そのものだ。人の人生を狂わし、そしてその人に関わる全ての思い出をなくしてしまう。私は死徒のような存在を見逃すわけにはいかない!」

「「あんただってすぐに殃我にしてやるんだから」」


 死徒と名乗った少女は、素早い身のこなしで舞花の死角に潜り込んだ。

 が、舞花はそれを見ずに剣の峰でそれを受け止めた。

 死徒はそれに構わず畳み掛けた。

 死角を必要に狙うも、すべて反射的に舞花は受けきっていく。


「「なんなんだよ、お前は。人間のくせに目が後ろについているの」」

「鳳凰院流受けの型、《影法師》。常に目の見えぬところへ剣が降りる。鳳凰院流に死角攻撃は通じない」

「「かっこつけやがって!」」


 霊力結界を右手に集中させ、赤い閃光のごとき一撃がブラの花飾りめがけて放たれた。

 舞花の受けが間に合わない。


 ――とった。


 死徒が勝利を確信したその時、花飾りにふれる寸前のところで青い火花が赤い閃光を入り混じり、互いに弾きあった。

 死徒が体勢を崩して転ぶも、すぐに構えをとった。

 舞花がいった。


「そちらが巫力を打ち消す霊力でくるなら、こちらも同じく霊力を打ち消す巫力の結界を集中させればいいだけのこと」

「「まさか、結界を集中させてたから、受けが遅れたのか?」」


 舞花はそれに答えず、死徒へ踏み込んでいった。

 死徒はボクサーのように構えて、霊力結界を増幅させた。

 これならばどこから打ってこようと、すべて弾く。

 舞花の身体が一瞬二人にみえた。

 残像か?

 今度は三人、四人、五人、六人……とうとう十人以上の分身体があられた。

 それらが全く違う角度から、次々と死徒に攻撃してくる。

 背中を斬りつけた。

 もう一つの残像が切りつけてくるも、それは消え去り、また背中にきりつけてる。

 

 何度防御しようと、何度カウンターを狙おうと、それはすべて消える。

 そして別の残像が背中へ一撃を当てていく。

 とうとう、背中の結界が砕け散ってしまった。


 それを見逃なさい舞花!


 残像が背中の傷めがけて一斉に、様々な斬り払いをしていく。

 袈裟斬り、唐竹割り、横一文字、逆袈裟、すべてがただ一点を斬る。

 そして、最後の残像が背中を貫き、死徒の目の前に剣先を見せた。


「「うわ……。ぷっは!?」」


 死徒から汚れた白い血が吹き出し、噴水のように流れていく。

 舞花は傷口を開くために、宝刀をひねり上げ、斬り裂いた。


「鳳凰院流《蝶迅》。全ての《巫影ふえい体》は実であり虚、それはただ一点を狙うのみ」

「「はははは」」


 人なら肺を殺られてしゃべることも出来ないはずなのに、死徒は勝ち誇るように笑って言った。


「「バーカ。時間稼ぎさえできれば、それで良かったんだよ。死んじゃうのは嫌だけどさ、これでパパの役に立てたから、私の勝ちだよ。鍔凪乙女のお姉ちゃん。あははははははははは」」


 死徒はそういうと盛大に笑った。そのまま聖炎が燃え広がり、身体が崩れ去っていった。

 手強かった。

 咲装を持ってしても、ここまで厄介だった相手は初めてかもしれない。

 

 そこへ巫術通信が入った。


『舞花様、大変です。お屋敷に殃我たちが』

「なんですって!?」

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