-2- 魔法結界

 昼間の廃墟ビルの一室で、舞花は宝刀《万重乃煌》を床に突き立ててしまった。

 たった今、聖炎とともに殃我が霧散したのだ。

 勢い余ってしまった剣を引き抜いて、刀身の花弁紋を見つめた。


「剣を突き立てるなんてやっちゃいけないのに、私もまだまだね」


 礼儀に欠けた行為を反省しつつ、邪気を振り払って鞘に収めた。

 先程の戦いを鍔凪に記憶する。


「それにしても、もう一週間で三体目なんて異常よ。作為的に生み出されているとしか、考えられない。それに……」


 言葉をいいかけたとき、虹色に輝く蝶が舞花に近づいてきて、指先にとまった。

 

「八咫蝶、また何か見つけた?」


 八咫蝶と名付けた式神は、ゆっくりと三回羽ばたくと主の周りを舞った。


「分かったわ、もう一仕事しましょ」


 三回の羽ばたきは殃我出現を意味し、二回の羽ばたきは異常なしと命じてある。

 このところ多発する殃我に、八咫鷲だけでは対応できなくなった。

 そこで舞花は殃我を探知できる式神を、一日の巫力を注ぎ込んで作ったのだ。

 三日ほど回復に時間がかかった。でも注いただ分だけ、期待通りの働きをしてくれた。

 ここ最近の殃我討滅には、八咫蝶の活躍によるところが大きい。


「賢い子なんだけど、すっごく巫力持ってかれるのよね。識子様はこれを一年中、しかも全国に飛ばしているんだから、ほんと凄いお方だわ」


 使役して二週間目で、そろそろ限界が近い。このままではいざというとき咲装ができなくなる。

 次の殃我を討滅したら、使役から解き放つ予定だ。


 ビルの屋上から屋上へ、飛翔して辿り着いた先は大きな敷地の大きな建造物だった。


「学校? ここは確か第一セントラルシティ学園」


 八咫蝶がビル二〇メートル下へ滑空した。舞花も飛び降る。柔らかく着地したとき、蒼閃が足からニーハイに向かって抜けていった。

 先導についていくと、そこにいたのはヤシの実のような胸をぶら下げた女子高生だった。

 周りには、生気を吸い取られて干からびた男たちの死体が無造作に転がっていた。

 舞花がすぐに立ち向かう。

 女子高生はそれを見て、唾を吐き捨てた。その中には、血に混じった肉片の吐瀉としゃ物があった。


「なんだ? わたし女の子もイケるけど、鍔凪乙女じゃんか! うえっ、まっずそ」

「それは奇遇ね。私も殃我をみて、いいかげん胸焼けがしてきたところよ」


 舞花はすぐさま斬りかかった。

 攻めの一手で、剣のラッシュを仕掛けていく。

 殃我に反撃を許さず、ヤシの実おっぱいの左側を切り落とせた。

 そこから聖炎が燃え広がり、殃我は本来の力を発揮することなく討滅した。

 邪気を払い、納刀する。


「ふう……。これで四体目。流石にきついわ。でも、やっぱり変ね。このところの殃我出現地点、全部ダイイチに集約している」


 フェンス越しに見える学校の校舎を見上げながら、舞花は深く訝しんだ。


§§§§


 翌日の午前十時過ぎ。

 咲乙女の衣を着た舞花と雫は、ゼロナナでダイイチの校舎前に到着した。

 すとんと降りた雫に、舞花は言った。まだあの日から間もない。


「ここに来る間も、めずらしく静かだったわね」

「黙ってちゃ悪いのかよ」

「まだ無理なら、帰ってもいいのよ。今回は調査なんだから」


 雫はヘルメットの額に手を当てる。すると形が開放されて、メカニカルに収納されていく。

 こちらに見せてくれた顔は、口角の上がった悲しいくらい眩しい笑顔にみえた。


「この任務に、あたしが必要なんだろ。鍔凪乙女のあたしが」

「それは違うわ」舞花もヘルメットを解除して、雫の肩に手をおいた。「雫が必要なの」


 行きましょう、と舞花は学園を囲うフェンスに向かった。

 なかなかついてこないので、舞花が振り返って声をかけると、雫は慌てて駆け寄った。


 フェンス下の外壁を触りながら、舞花はその上を見上げた。

 ゆうに十メートル以上はある。高すぎてここからでは上がどんな作りになっているかは分からなかった。

 

 舞花は見上げながら身をかがめた。

 そして勢いよくジャンプする。すぐに外壁を追い越し、だいたい十メートルあたりまで到達した。

 雫もそれに倣う。


 勢いがなくなったところで、フェンスを真下へ蹴った。

 そうやって軽快にジャンプを重ねていき、手を一切使わずにフェンス頂上を飛び越えていく。

 そのまま涼しい顔で身体を捻って、体操選手のように翻りながらシュタッと着地した。

 雫の着地を確かめてから、舞花は学園内に潜入した。


 もう学園の構内には人の姿がなかった。

 今二人は咲乙女の衣の効果で、ダイイチ生徒に見えているはずだ。

 窓から入れば逆に怪しまれてしまうだろう。

 堂々と、玄関口から校舎に入る。

 そのとき、雫が舞花を止めた。


「ちょっと待って」

「どうしたの雫」

「ここ、見てみ」


 雫の指先に視線を向けた。そこにはまだら模様のような、黒ずんだ汚れがあった。

 それを雫が指で追うと、玄関口の四方を囲んでいた。

 舞花はこれといって怪しいとは思えなかった。


「ここ、古いからじゃないの?」

「何いってんだよ、よく見ろ。規則性があるだろ。これは、間違いなく魔法陣だわ」

「それって雫の前世にあったっていう?」

「そう」


 雫がいうには、精神系の魔法陣で通ったものに何らかの作用があるらしい。

 頭を抱えながら思い出そうとしている。首元をさして、ここまで出かかっているというジェスチャーをした。


「ああ、ダメだ。魔法書で読んだ記憶あるんだけどな……」

「肉体的なダメージはないってことよね」

「あっても、原因が特定されないまま、妖怪のしわざにされているだろうよ」

「解除できないの?」

「ちょっと模様消したり、書き加えればいいだけだぜ」


 雫はそういいながら、月鋼石の短刀を取り出してまだら模様をこすった。

 そのとき、バチッ! と大きな音が鳴って剣先が弾かれてしまった。


「まいったなこりゃ。魔法陣を守るための魔法まで仕掛けてやがる」

「さっきの静電気がそうなの?」

「ああ。魔力を帯びた静電気だから、素手で触ると指が吹っ飛ぶぞ」

「じゃあ、素手じゃない私達なら行けるでしょ」


 舞花が咲乙女の衣の手袋を見せた。

 これならば、月鋼繊維の効果で大怪我はしない。巫力を込めれば弾丸すら弾き飛ばせるのだ。

 今度は舞花が雫のかわって、結界を削り落としてみた。


 短剣の切っ先をゆっくりと当てる。強力な磁石から弾かれるような圧力だ。

 両手をそえて、注意深く刃をいれる。

 激しい火花が散り、舞花の全身に飛び火するがかまわず刃を進めた。

 そして巫力を込めた筋力で一気に削った。

 四方に囲まれた魔法陣の中で、静電気が弾け合う。

 その現象が収まるのに、五秒もかからなかった。

 舞花はまた雫に訪ねた。


「これで解呪できたってことで、いいのかしら」

「ばっちりだ。ほら、模様もなくなってるだろ」


 舞花よりも魔法を知っている雫は、満足そうにうなずいた。それから、急によそを向いたかと思えば、頬を膨らませて笑うように吹き出した。


「なによ、急に」

「髪の毛、髪の毛、あはははっ」


 手鏡を開いて自分の顔を見てみると、ポニーテールが爆発したように逆だってしまっていた。おくり毛も逆だって、大きな魚のエラのようになっていた。

 舞花はむくれると、腕を上げて抗議した。


「もう! 誰のおかげで解呪できたと思ってるの! 笑うなんてひどいわよ」

「だって……、まさに妖怪だなっ」

「ふんっ。まあいいわ、こんなことで元気になってくれたのだから、良しとしますか」

「え? おまえ、まさか笑わせるためにわざと? すっげぇ! お笑い芸人に転職したらどうだ」

「そうなったら、日本中のお腹を破壊してしまうでしょ。お茶の間のためにもやめておくわ」


 と、舞花はウインクをしてみせた。


 それから舞花たちは、自販機を探した。

 一階階段前に設置されているのを、すぐ見つけることができた。

 溢れかえったゴミ箱を尻目に、ミネラルウォーターを買う。

 そして蓋を開けて、頭から豪快にあびた。

 多少冷たかったが、ようやく髪の毛が落ち着いた。

 でも今度はびしょびしょになって、おくり毛が一本の線になってしまった。

 水をハンカチで拭った。こんなものかと水滴が流れなくなったのをみて、甲高く指を鳴らした。

 すると巫術による風が巻き起こり、あっという間に乾かせた。


「こういうとき、巫術って便利よね」

「家電みたいに巫力を使うなんて、おまえが真っ先に叱りそうだけだな」

「戦場でそんな矜持にいちいちかまってたら、死ぬわよ」

「確かに」


 雫は肩をすくめた。

 すっかり乾いた髪を整えてから、まずは職員室を目指した。

 本で保管されている名簿を確認するためだ。

 電子名簿ならすぐに書き換えられてしまうが、活字はそうはいかない。

 殃我の被害者、もしくは殃我になってしまった生徒の手がかりになるかもしれない。


 このところ続く殃我出現は、ダイイチから起こっているのではないか。

 それが舞花の推測だった。

 作為的に殃我を作り出すなんて、魔骸蟲の繁殖でもしているのかとも考えたがアレの生態は謎の部分が多い。餌すら分からないし、そもそも普通の人に見えない。


 流止の研究機関が最新の注意を払って調べているが、千年以上たった今でも何も分からない。

 ただ、人に取り付き殃我にしてしまうというだけだ。

 たった一匹では、人が本来持つ巫力や霊力で浄化されてしまう。

 すくなくとも、一気に五匹以上の憑依が必要だ。


 もしくは全く別の、効率のいい方法があるのか?


 今回はそこまでわからないだろう。それでも調べる価値はある。

 案内板を見てから、一階にある職員室に向かった。

 職員室の中を、ドアのガラス越しに覗き込む。そこには暇そうにしている男性教師たちが談笑していた。

 舞花は、彼らを観察しながら言った。

 

「今担当がない先生たちかしら」

「どうする? いくら咲乙女の衣着てたって、授業中に生徒が入ってきたら怪しまれるだろ」


 思案しているところに、三人の女生徒が廊下からやってきた。ニーハイソックスや黒ストッキングなど、個性的な着こなしをしていた。

 とくに目立つのは、三人ともへそ出しルックで各々のやり方で胸をはだけていて、ぎりぎり見えそうで見えないラインを作り出していることだ。

 その中で、背がとても小さくて中学生になんとか見える女生徒が声をかけてきた。


「何? あんたらもセンコーに呼ばれたの」


 舞花はすぐに、うやうやしく受け答えた。


「いえ、私達はサボりで」

「そっ。どうでもいいけど、バーリだけは守ってよね」

「『バーリ』?」


 思わず雫が聞き返してしまった。

 舞花が愛想笑いでなんとか誤魔化す。

 すると女生徒がやれやれと、首を振った。


「これだから一年のガキは。バーリってのは縄張りのことよ」

「縄張りって何の」

「はぁ? ウリに決まってんでしょ。ウチらこれから、センコーとパコってくるから邪魔しないでね」


 まるでお菓子をもらうかのような笑顔を残して、三人は職員室に入ってしまった。

 舞花は、すっかり呆れ果てていた。

 しかし、雫は目を丸くしてびっくりしいた。


「『ウリ』ねぇ……」

「ちょ、マジだったかのよ! マジでこんなこと当たり前にやってんのかよ」


 ダイイチは女子生徒も男子生徒も、売春に関わっている。

 そんなう噂が、まことしやかに流れていた。

 舞花はなだめつつ、諭すように答えた。


「騒ぐ気持ちは分かるけど、私達は未成年売春の現場を抑えるためでも、ましては彼女たちを更正させるためでもないの。むしろ侵入するのに好都合よ」

「でもよ……、こんなの」

「どうしても気になるなら、札で耳をふさいで何も聞こえないようにしなさい。それも無理なら、私一人でも行ってくるわ」

「ごめん。あたし、ここで見張っているわ」

「分かった。何かあったら必ず通信してね」


 あのときのことが、トラウマになっていなければいいが。

 気にかけつつも、うつむき気味の雫の肩をやさしく叩いた。

 それから、舞花は職員室に入った。

 身をかがめて、見つからないように進む。


「あっ、あっ」


 先程の女生徒たちだろうか?

 様子を見ると、舞花の目がみるみる冷めていった。

 一番大人びいていた女生徒が、アソコを舐められて声を押し殺していた。性欲を持て余した教師たちが下半身のものを、夢中で加えさせていた。

 舞花はよくやるわと興味を示さず、すぐ近くの部屋に入った。ここは廊下からでは入ることが出来ない。

 中は本棚だらけで、テーブルと呼べるものはタブレット端末が置かれた小さなものだけだ。


「当たりね。生徒たちの個人情報が厳重管理されているわ」


 鍵のかかった本棚を見つけて、そこを指弾き一回で開いた。

 本を取り出して、スマホのビデオ通信をセットする。


「ルイ、聞こえる?」

『舞花様、大丈夫です。映像も届いています』


「図塚くんいる?」

『俺だ』

「今から名簿をめくっていくから、よろしくね」

『分かった。パラパラと早く流してもらっていいぞ』

「早すぎたら教えてね。じゃあ、いくわよ」


 本から風が吹くほど早くめくった。

 一旦記志の返事を待つが、何も言ってこない。

 舞花は感心すると、次々と本棚から名簿を開いてめくっていく。

 五冊で、過去五年分の名簿を全て開いてみせた。

 だがページの量は多く、人数も一学年でニ○○人は軽く超えるはずだ。


『もう終わりか?』


 と図塚がきいたときには、少々驚いた。

 つづいて、舞花は学校のデータベースにアクセスする。

 奥にパソコンが一台おいてあった。これを使うことにする。

 以前、ルイにハッキングをしてもらったが、ここはスタンドアローンになっていて、外部からのアクセスが出来なかった。


 パソコンには案の定、パスワードがかかっていた。

 スマホをつなぎ、ルイの端末とリンクさせる。

 するとものの五秒でロックが解除された。

 舞花は、またも感心するようにうなずく。

 パソコンの名簿一覧を探し出して閲覧する。

 ここでまた記志の出番である。


「データ受け取れた?」

『来たよ。今ルイさんのパソコンで見てる』

「名簿の違いがあったら、後で教えて。それから数もね」

『分かった』


 通信を終えた舞花は、記志の記憶力にあらためて驚いていた。

 彼でなければ、こんな方法で違いは発見できない。

 本来なら、ここにある名簿を盗み出し、データも盗み出し、殃我の影響をできるだけ受けないように、月鋼石が敷き詰められた地下で照らし合わせてやっとだ。

 そのうえ、バレないように名簿を返しに来なければならない。

 その手間を一気に解消してくれたのだ。

 これでさらに殃我頻発出現の謎が解明できれば、もっといいのだが。


 職員室に戻ると、女生徒と教師たちはさらに盛り上がりを見せていた。獣のような声で哭く背の小さい女生徒に、男性教師が三人囲っているところだった。

 またも舞花はあまり関心を示さず、見つからないようにゆっくりと通過していった。


 廊下を出ると、職員室の向かいの壁にもたれていた雫に声をかける。


「収穫あったわよ。ほら、聞き込みいくよ」

「……」

「雫? あ、本当に耳塞いでるじゃない」


 耳に貼り付けてある札を剥がし、もう一度声をかけると雫が蛯のようにビクついた。


「うわっと!? なんだ、舞花か」

「ここ、防音よくないのね」漏れる卑猥な会話を無視して「それはそうと聞き込みいくよ。時間的にそろそろ昼休みだし」

「おまえ、よく平気だよな。あたし、もう恥ずかしくて聞いてられなくて」

「鍔凪乙女やってれば、あんな現場しょっちゅうよ。いちいち顔赤くしてたらやってられないわ」

「それはそうだけどさ……」


 褐色肌に亜麻色髪の雫は、見た目以上に性に関して繊細らしい。あの夜のことはトラウマになっていくて、安心した。

 舞花は鍔凪乙女に選ばれた十二歳の頃から、任務でああいう現場を何度も見てきたのでもう慣れてしまった。

 今ではもう、動物の交尾と変わらない印象になっていた。


 念の為、魔骸蟲の探索も行うことにして、各々の式神を放った。今回も八咫蝶を放っている。

 雫はまだ、八咫の力を付与する大巫術を操れなかった。


 それから誰もいない屋上に登った。

 夕方の涼しい風が吹き、舞花のポニーテールがそよいだ。

 缶コーヒーを一口つけると、話題を変えた。


「雫って、売春とかの話は苦手のようね」

「なんだよいきなり」

「こういう任務は、人の欲望と深く関わることになる。売春だって例外じゃない。今からでも慣れていかないと、戦いで隙を生むことになるわ。特に私達は女なんだから、常に気を張っていないとね」

「言われなくても分かってるけどさ、前世のことが浮かんでくるとどうしてもすくんじまうんだ」

「何があったの?」


 雫は舞花の視線を避けるように、横を向いてオレンジジュースを飲んだ。


「……悪いけど、今はまだ言えない」

「ならこれ以上は聴かないけれど。男の人と話せないくらい苦手ってほどではないみたいだし、ゆっくり慣らしましょう」

「里じゃ、見ず知らずの男の話し相手を毎日させられてた。目を見て話せるようにならないと、鍔凪乙女になれないって」


 舞花は雫の肩に手を置くと、傍まで顔を近づけて微笑んだ。


「なら凄いじゃないの。そんなに頑張ってたなんて、偉いわ」

「そんなんじゃねぇよ。あたしは鍔凪乙女以外なかっただけだ」

「雫、それを誇りにしなさい」


「なんだよ、藪から棒に」

「自身の努力、積み重ねた経験、その時の想い。それらは何物にも代えがたい、誰も真似できない宝よ。それを誇りにすることが出来たなら、雫はもっと先へ進める。もっと強くなれる」

「舞花……、なんか照れてきちゃった」

「それでいいの。誇りって照れくさいものなんだから」


 二人の話は談笑に変わった。

 缶を飲み干すと、式神たちが帰ってきた。

 どうやら、魔骸蟲も殃我もいないようだ。

 ルイから通信が入ってきた。


『舞花様、先程の名簿ですが。消えているのは、全員が女生徒です。そして、器量の良い娘ばかりですね』

「全員売春やってるってわけ?」

『それは分かりません。足取りがつかめないか、やってみます』

「分かったわ。報告ありがとう」


 雫にそのことを告げて、そのまま帰宅することにした。

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