第5話 訓練航海 〜下調べ〜

銀河暦468年6月21日

帝国士官学校シャーリア分校男子寮


時を少し遡り、訓練航海が発表された日の夜、エインはについて調べていた。

「やはり帝国と連合の小競り合いは激化してたか…練習航海は明らかに連合への牽制と、シャーリア星系付近の警備をさせるためだな」

帝国と連合は常に小競り合いを起こしているが、ここ最近過激さを増していた。しかしながら帝国の厳しい情報統制により、前線からの話が回って来なくなっていたのだ。

「仕方ない。親父のツテを使うか。あまり使いたくなかったんだが」

逡巡した後、エインは電話をかけた。

「もしもし?ダランおじさん?」

『おぉ!エインか!久しぶりだなぁ』

「少し頼みたいことがあるんだけど」

訓練航海のきな臭さと練習艦のエンジンの話をすると、

『なるほどな。確かにその訓練航海とやらは胡散臭い感じがあるなぁ。…よし!任せとけぇ!重力放射エンジン四機分用意して待っといてやる!流石にシャーリア宙域内で逃げ出さなきゃならんことは無いだろう』

「助かる!流石エンジン製造会社の社長だよ。んじゃリラソスの宇宙港で!」

『気をつけろよぉ!』

電話を切り、エインは訓練航海について考えながら眠りにつくのであった。

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