第25話
「もぅ~ヘルンちゃん成分を補充中だったのに~!ぶぅ~!」
あれからどうなったか?と言うと、しばらく大人のキスと匂いを堪能した後、服まで脱がそうとしたので俺達が止める事になった。そして現在リューデ・ゼは不貞腐れている、それに対しビューヘルンは疲れてぐったりしている。
「だから言ったのじゃ、我よ背の高い奴は嫌いじゃと。」などブツブツ言っている。
「ビューヘルン、いつの間に知り合いになった?」
「何を言っておる主殿?こやつは舞姫が一人、淫蕩・・・もとい、お色気けババアじゃ!」
「「「「「なに!!!」」」」」
リューデ・ゼの事は勇者列伝の物語で名前だけ知っていたが、それが総本部長だとは知らなかった。
驚きはしたが、早くミンを探したいので呼ばれた要件を聞くことにした。
「ところで総本部長、ご用の件は?」
「フフ、もう終ったわよ。」
「へ?終わって?」
「フフ、本人かを確認したかったのよ、…ヘルンちゃんが目覚めたって事は何処かで何か大変な事態が起きている可能性があるって事でしょうから。ただ、まだそう言った情報は届いてないわね。」
「これから起きる?」
「フフ、可能性は有るわね。」
「既に起きているのじゃ。」
「「「「え!」」」」
全員がビックリし、ビューヘルンを見るとベチャリリスを指を差していた。
「こやつがこんなに大人しいのは変なのじゃ、悪巧みを企てているに違いがないのじゃ。」
「フフフ、ヘルンちゃん大丈夫よ、ベチャちゃんは私と絶対服従契約を結んでるのですから。」
※契約の違い
主従契約:主の要望をできる範囲で叶える
奴隷契約:主の命令でも自分の生命の危機の時は拒否ができる
絶対契約:主の命令で自分の命まで喜んで捧げる契約
俺達は「マジか!」と驚いた。
「それなら安心じゃの。ところでじゃ、こやつの格好どうにかならぬか?これは流行らぬぞ。」
「フフフ、やっぱりダメだよね、まぁ私との契約前に暴れた罰って事で納得するわ。ベチャちゃん、暴れる以外は普通に戻って良いわよ。」
ベチャリリスの制限解除の言葉と共に服装が割烹着からウエディングドレスの様な黒いドレスへと変わっていく。髪と服の色だけが違うビューヘルンがそこにいた。
『ふっは~やっと変な恰好から解放されたのじゃ。』
「ベチャリリスよ、まさか絶対契約までするとは思わなかったのじゃ。」
『しかただ無いのじゃ、主様は齢900以上と我の願望を叶えてくれておるのじゃからな!』
「これだからババ専は!」
『なんじゃと!!』
「はいはい、姉妹で喧嘩しない。」
俺が二人の間に入り喧嘩を収めようとすると。
「主殿、我らは姉妹ではないのじゃ、こやつは男なのじゃ。」
「へ?男?」
身長さえあれば絶世の美女と思えるこいつが男?
『不思議そうな顔で見られても困るのじゃ。』
「それはすまない。」
話が脱線しまくって時間をかけ過ぎた、ミンが心配だ捜索に戻ろう。
「総本部長、要件も終わったみたいですので我々はこれにて。」
「ヘルンちゃんと久しぶりの再会ですから、もっとお話をしたいわ。」
「いえ、今俺達はミンを探している途中ですので。」
「ミン…ダン武器屋の娘さん?お知合いでしたか。」
「はい、火事以来行方不明の様でして。」
「心配ね・・・フフ、条件が付きますが捜索を強力しますわ。」
何か悪だくみを思いついた様な怪しい笑顔をしていた。
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