第26話
「条件って何だ?無茶を言うつもりですか?」
リューデ・ゼの悪だくみの顔が気になり警戒すると。
「フフフ、そんなに無茶な事は言わないは、あなた達PTが強化に繋がる事よ。」
「強化に?どんな条件でしょうか?」
「フフフ、ひ・み・つ・♡ミンちゃんを助けてからね。」
怪しげに微笑む。(わー美女が怪しげに微笑むとメッサ怖い。だが、総本部長が冒険者に依頼を出してくれたら早く見つかるだろう。)
「分かりました、協力お願いします。」
「フフ、任されたわ、ベチャちゃんネズミ十万匹に因子を付けて帝都内隈なく探してくれない?」
『ネズミに因子じゃと!何故我が顔も知らぬ者の為にそのような下等動物に因子を付けなければならぬ!』
「え!冒険者に依頼を出すのではなく、ネズミ十万匹に因子を!もし暴走したら大変なことに!!」
(因子が付いた十万匹のネズミが暴走したら帝都がタダでは済まない!止めさせなければ!!)
「フフフ大丈夫よ、ベチャちゃん命令よ、ネズミ十万匹に因子を付けミンちゃんを探してくれない?対象の特徴はドワーフで身長はあなたと同じ位で胸が大きい女の子よ。」
リューデ・ゼの言葉と共にベチャリリスは両手を掲げ呪文らしき物を唱えてるが、聞き取れなかった。
掌に魔法陣が浮かぶと、いくつものビー玉ほどの大きさの黒い球が生成され、消えた。
『主様、設置完了しました、ただいまから捜索を開始いたします。』
片膝をつき、うつろな目で淡々と報告をするベチャリリス、これが絶対契約の効果だろう。
「フフ、十万匹とは言え時間は掛かるでしょう、それまでここで待っていましょう。ベチャちゃん、紅茶をお願い。」
『はい、主様。』
それから一刻(2時間)程だろうか?ベチャリリスが。
『主様、ミンらしき人物を発見しました。』
「フフフ、流石ね、何処かしら?」
『ポール武器防具屋の地下倉庫で縛られています。』
現在はポール武器防具屋は帝都1番の武器防具屋だ、ただ良い噂は聞かない。冒険者には2流品は当たり前、1流品は法外な値段で下級貴族に売るなど。それに所属する職人は、武器防具に作り主が誰かを示す印を記すのだが、所属していない職人の印、新品の武器防具が取り扱われていたりと悪い噂が事欠かない。
そんな店が何故帝都1番になったかと言うと、大貴族との繋がりだった。
大貴族が宣伝塔になり多くの資金が集まり、買収などで大きくなったのだ。
「直ぐに踏み込もう!」
と俺が言うがリューデ・ゼに止められた。
「フフ、慌てないで、夜まで待ちましょう、ベチャちゃん監視と経路の確保お願いね。」
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