第20話

フローレス族の人たちから依頼達成報告にサインをしてもらい、帝都に戻る、その間ビューヘルンはアイリとミイナにいろいろ教えていた。


い(ゆ)きしなみたいに、悪戯してくるかと思ったが、何もしてこない…いい傾向だ。)


※行きしな…標準語だと行き掛け、“行きしな”は西日本各地の方言ではあるが、国語辞典にも掲載されている表現。


夕方、帝都の城壁が視界に入った。


「帝都に戻り次第ギルドに行って、アイリとミイナの登録と依頼報告もするからな。」


「「はい!」」アイリとミイナの元気がいい返事が返ってくる、この2人がPTに入ってから、さらに賑やかになった。


帝都に入りギルドに行くと、受付のミミさんにまた驚かれた、幼女に見える女性が増えたからだ、目を細めていかにも怪しいとの目線を俺に向けてつつ、どこかに魔通信をした後にアイリとミイナの登録を完了と、魔石の買取と依頼達成の報酬を受け取った。


※魔通信…魔力で稼働する通信機、登録されたチャンネルにしか通信できない。


(ロリの趣味無いよ!)


それと「ギルド長に報告がある。」と言うと、丁度ギルド長からも話があるからと言い、ギルド長室に案内された。


ギルド長室に入ると、「お前達か。」と言い、体面の3人用のソファーの中央に座るが、なぜか右にアイリが左にミイナが座り、ビューヘルンは俺の膝の上に座った、そしてフエイルとリッカはソファーの後ろに立つ羽目になった。


「おいこら、どこに座っているんだ?」


ビューヘルンの座高は俺の顎までしかない、俺がビューヘルンに問いかけると、顔をうえげ。


「良いではないか、主殿と我との仲ではないか。」


「あぁ、呪う者と呪われる者の仲だな。」


「いけずじゃの~主殿。」


「はいはい。」


「イチャイチャはその辺にしてくれ。」


俺とビューヘルンの会話?に無理やり入ってくるギルド長が額に青筋立てて睨んでいる。


(これがイチャイチャに見えるのか?)と言いたかったが、これ以上何か言えばキレられると判断し黙ることにした。


「まずは、この前の迷宮の財宝の課金が終わった、課金所で貰ってくれ、かなりの金額だから気を付ける様に、それと明日の昼にギルド総本部に行ってくれ、総本部長がビューヘルンの事で話を聞きたいと魔通信により連絡が来てるからな。それと両隣の…ロリ勇者2号だから何も言うまい、私からは以上だ。」


「ロリ勇者2号って…はぁ…分かりました、こちらの報告ですが…」


ロリ勇者2号は嫌だが、まだ額に青筋を立てているので逆らわない様にした、そしてギルド長に今回の依頼の事でベチャリリスの因子の存在とビューヘルンの関係、アイリとミイナの事、復興の為に報酬金が減額したことを伝えた。


「そんなことが…分かった今回の件、特別報酬と減額分はギルドから支払う、それとベチャリリスの因子の事は他言無用で、混乱を引き起こす事になるからな、あと総本部長には私から伝えておく。」


「「「「「やったー」」」」」


全員で特別報酬に喜ぶとギルド長は「口止め料もこの中に入っているから忘れるな。」と念を押された。


「「「「「はい!」」」」」


課金所でいろいろプラスされたお金を受け取るが、白金貨が5枚には驚かされた。


※白金貨=1枚、1億円

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